220系クラウンの頂点に君臨する「クラウン3.5Gエグゼクティブ」。新車価格700万円オーバーのこの最上級モデルは、果たしてその価格に見合う「価値」があるのか、「他グレード」と何が違うのか、購入の最終判断で迷われていませんか?
本記事では、3.5Gエグゼクティブと他グレードの「違い」を徹底「比較」。カタログスペックだけでは伝わらない「V6」エンジンの官能的な走り、「後席」を最優先した特別な「装備」、そして圧倒的な「静粛性」と「快適性能」について深掘りします。
上級グレードならではの「乗り心地の違い」や走行「性能」の決定的な「差」を理解し、その「特徴」を知れば、なぜこのグレードが特別なのかが分かります。後悔のない選択をするための確かな判断材料として、ぜひ最後までご覧ください。
記事ポイント
- レクサスLS譲りの3.5L V6マルチステージハイブリッドがもたらす他グレードとは別次元の加速と走行性能の差
- 標準装備されたリヤコンフォートパッケージやセミアニリン本革シートなどGエグゼクティブだけの特別な内装と装備
- 徹底した防音対策と専用チューニングのサスペンションによって実現された圧倒的な静粛性と乗り心地の違い
- 新車価格差の妥当性やリセールバリュー、前期・後期の機能差を踏まえた失敗しない購入判断の基準
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クラウン3.5Gエグゼクティブと他グレードの違いを徹底比較|装備・性能の決定的な差

- クラウン3.5 Gエグゼクティブはどんなグレード?特徴をわかりやすく解説
- 3.5 Gエグゼクティブは他グレードと何が最も違うのか
- 3.5 Gエグゼクティブと他グレードの装備の違い
- 3.5Lハイブリッドの走行性能は他グレードと何が違う?
- 静粛性・乗り心地の違い|上級グレードならではの快適性能
- 内装品質の違い|木目パネル・本革の質感はどこまで違う?
- 後席装備の違い|リアシートの快適性はクラウン最高レベル
- 価格差は妥当?Gエグゼクティブが高価な理由
クラウン3.5 Gエグゼクティブはどんなグレード?特徴をわかりやすく解説

一言で表現するなら、3.5 Gエグゼクティブは「マジェスタの魂を受け継いだ、真のフラッグシップ」です。
15代目クラウン(220系)へのフルモデルチェンジに伴い、長年親しまれた「マジェスタ」という車名は廃止されました。(出典:トヨタ公式 TOYOTA、クラウンをフルモデルチェンジ)
しかし、マジェスタが担っていた「トヨタブランド最高峰のショーファードリブン(運転手付きでの使用も想定した車)」という役割は、このグレードにそのまま引き継がれています。
スポーティな「RS」や、実用的な「2.5L S/G」がドライバーズカーとしての性格を強める中で、Gエグゼクティブだけは「後席の快適性」と「圧倒的な静粛性」を最優先に設計されています。
- マジェスタ相当のポジショニング: かつてのマジェスタオーナーが乗り換えるべき唯一の受け皿。
- レクサスLS譲りのパワートレーン: 3.5L V6マルチステージハイブリッドを搭載。
- 快適性特化: 足回りからガラスの厚みに至るまで、全てが「心地よさ」のためにチューニングされています。
3.5 Gエグゼクティブは他グレードと何が最も違うのか

「RS Advance」や「2.5 G」と比較して、最も大きな違いは「余裕(ゆとり)の質」にあります。
具体的には、以下の3つの要素が他グレードとは決定的に異なります。
- 心臓部の違い(V6エンジン):2.5L 直列4気筒エンジンが主力の220系において、唯一「V型6気筒エンジン」を搭載しています。回転フィールの滑らかさ、重厚なサウンド、そしてアクセルを踏んだ瞬間のトルク感。これらは4気筒モデルでは物理的に再現できない領域です。
- 標準装備された「最高級」:他グレードではオプション、あるいは装着不可となる「リヤコンフォートパッケージ(後席電動機能など)」が標準装備されています。「オプションを足していく」のではなく、「最初から全てが備わっている」のがエグゼクティブの証です。
- 目に見えない「静寂」への投資:カタログには小さくしか書かれていませんが、「高遮音ガラス」や「ノイズリダクションホイール」、さらには車体各所に追加された吸音材など、静粛性を高めるためのコストが惜しみなく投入されています。
3.5 Gエグゼクティブと他グレードの装備の違い

ここでは、実際に購入検討する際に気になる「装備の差」を一覧で比較します。特に「2.5 G」や「RS Advance」と迷っている方は、この差額に見合う価値があるか確認してください。
【グレード別装備比較表】
| 装備項目 | 3.5 G エグゼクティブ | 2.5 G / 2.5 RS Advance | 違いのポイント |
|---|---|---|---|
| パワートレーン | 3.5L V6 ハイブリッド | 2.5L 直4 ハイブリッド | パワーと静粛性の質が別次元。 |
| シート素材 | セミアニリン本革 | 本革(RSはOP/後期標準) | エグゼクティブは最高級の「セミアニリン」を採用。 |
| 内装パネル | 本杢調(専用装備) | 幾何学柄 / カーボン調 | ドアトリムまで木目が続き、包まれ感が圧倒的。 |
| 後席リクライニング | 標準装備(電動) | GはOP / RSは不可 | 後席の快適性は「天と地」ほどの差。 |
| 後席操作パネル | 標準装備 | GはOP / RSは不可 | アームレストでエアコンやオーディオ操作が可能。 |
| ホイール | 18インチ(静音仕様) | 18インチ(スポーツ等) | 見た目の輝きに加え、ロードノイズを低減する構造。 |
| 安全装備 | フル標準装備 | 一部OPまたは設定なし | デジタルインナーミラーやブラインドスポットモニター等が標準。 |
※本表の数値および装備内容は、トヨタ自動車公式カタログ(2020年11月版)および主要諸元表に基づきます。
3.5Lハイブリッドの走行性能は他グレードと何が違う?

「2.5Lハイブリッドでも日常使いには十分」という意見は正解です。しかし、3.5Lハイブリッドが提供するのは「移動」ではなく「感動」です。
システム出力359馬力の衝撃
2.5Lハイブリッドのシステム出力が約226馬力であるのに対し、3.5Lモデルは359馬力。約1.6倍のパワー差があります。
「乗ってすぐに他のエンジン搭載車にはないパワー感を体感できる」という評価通り、高速道路の合流や登坂路での余裕は、まさに大排気量セダンそのものです。
「マルチステージハイブリッド」によるダイレクト感
3.5Lモデルには、レクサスLSやLC500hと同じ「マルチステージハイブリッドシステム」が採用されています。

従来のトヨタハイブリッド(THS-II)で指摘されがちな「ラバーバンドフィール(エンジン回転だけが先に上がり、加速が後からついてくる感覚)」を払拭。
有段ギアを組み合わせた10段変速制御により、エンジンの回転上昇と加速がリニアにリンクする、欧州車のようなダイレクトな走りを実現しています。
6気筒サウンドの官能性
アクセルを深く踏み込んだ時、2.5L(直4)は実用的なエンジン音がしますが、3.5L(V6)は「クォーン」という粒の揃った快音を奏でます。
静粛性が高いからこそ際立つこのサウンドは、車好きの所有欲を深く満たしてくれます。
言葉だけでは伝わりきらないその迫力を、ぜひ実際の映像で体感してください。 アクセルを踏み込んだ瞬間に響く力強いV6サウンドと、息継ぎなく伸びていくスピードメーターの動きは、2.5Lモデルとは明らかに別次元です。
静粛性・乗り心地の違い|上級グレードならではの快適性能

Gエグゼクティブの乗り味は、RSグレードが目指した「スポーティで引き締まった走り」とは対極にあります。目指したのは、路面の凹凸を意識させない「雲の上のようなフラットライド」です。
1. 徹底された物理的な遮音
精神論ではなく、物理的な「壁」を作ることで静寂を生み出しています。通常モデルと比較して、Gエグゼクティブには以下の専用装備が標準採用されています。
- 高遮音ガラス: 外部からの騒音を物理的にシャットアウト。
- ノイズリダクションホイール: タイヤ内部で発生する空洞共鳴音を低減する特殊構造のホイール。
- 追加の吸音材: 特に後席周りの遮音材が増量されており、高速走行時でも後席の会話がクリアに聞こえます。
2. 電子制御サスペンション(AVS)の専用チューニング
路面の状況に合わせて減衰力を瞬時に調整するAVSも、Gエグゼクティブ専用の制御となっています。
RSグレードでは路面情報をドライバーに伝えるためにあえて残すような微振動も、Gエグゼクティブでは徹底的に吸収。
「いなす」ような足回りは、長距離移動でもドライバーと同乗者の疲労を最小限に抑えます。
実際の乗り心地や、路面の継ぎ目を越えた時の音の静かさは、こちらの動画で詳しく解説されています。
内装品質の違い|木目パネル・本革の質感はどこまで違う?

ドアを開けた瞬間の「空気感」を変えているのが、Gエグゼクティブだけに許された内装の素材使いです。
1. 「セミアニリン本革」の極上の肌触り
最大の特徴はシート素材です。通常の本革よりも表面のコーティングを薄くし、革本来の柔らかさと風合いを活かした「セミアニリン本革」が全席に採用されています。
RSグレードやGグレード(後期)の本革と比較しても、座った瞬間の「しっとり感」が違います。滑りにくく、体に馴染むこの素材は、高級ソファーのような座り心地を提供します。
2. ドアまで続く「本杢調」パネル
Gエグゼクティブの内装パネルは、「本杢調(ほんもくちょう)」という専用加飾です。 特筆すべきはその面積。
インパネからドアトリム(内張り)まで、木目調パネルが途切れることなく連続して配置されています。RSグレードのカーボン調や、Sグレードのシンプルな加飾と比較すると、車内全体の「重厚感」と「包まれ感」が圧倒的です。
後席装備の違い|リアシートの快適性はクラウン最高レベル

もしあなたが「大切なゲストを乗せる」あるいは「家族に快適に過ごしてほしい」と考えているなら、このグレードを選ぶ最大の理由がここにあります。
Gエグゼクティブには、他グレードでは高額オプション、あるいは装着すらできない「リヤコンフォートパッケージ」が標準装備されています。
- 40:20:40分割 電動リクライニング機能背もたれを好みの角度に電動で調整可能。「G」グレードでもオプションで装着可能ですが、標準装備されている安心感は別格です。
- マルチオペレーションパネル後席中央のアームレストに、エアコン、オーディオ、サンシェード、リクライニングを操作できるタッチパネルが内蔵されています。
- クラウン伝統の「アシストグリップ」前席の背面に設置された、乗り降りをサポートするグリップ。これはGエグゼクティブだけの専用装備であり、高齢の方を乗せる際に非常に喜ばれる「おもてなし」の象徴です。
価格差は妥当?Gエグゼクティブが高価な理由

3.5L Gエグゼクティブの新車価格は、最終的(後期型)に739万3,000円でした。 2.5L Gエグゼクティブ(約680万円)との差は約60万円、2.5L Gグレード(約580万円)とは約160万円もの差があります。
しかし、その中身を分解すれば、この価格差は「妥当」どころか「バーゲン価格」であると言えます。
| 時期 | モデル | 新車価格(税込) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 2018.6〜 | 前期型 | 約718万円 | デビュー時(消費税8%) |
| 2019.10〜 | 前期型 | 約732万円 | 消費税10%適用後 |
| 2020.11〜 | 後期型 | 739万3,000円 | 装備充実(AVS標準化等) |
- レクサスLSとの比較:搭載されている3.5Lマルチステージハイブリッドは、1,000万円を超えるレクサスLSとほぼ同じシステムです。LS級のパワートレーンを700万円台で手に入れられると考えれば、コストパフォーマンスは極めて高いと言えます。
- 装備の積み上げ:セミアニリン本革、リヤコンフォートパッケージ、高遮音ガラス、専用ホイール、先進安全装備のフルパッケージ…。これらを個別にオプション換算していくと、ベースグレードとの価格差の大部分は埋まります。
- リセールバリューの高さ:中古車市場において、「Gエグゼクティブ」は法人需要や指名買いが多く、値落ちしにくい傾向にあります。特に「本革・サンルーフ・マルチ」の3点セットが揃った個体は、将来的な資産価値も期待できます。
クラウン3.5Gエグゼクティブと他グレードの違いから考える|選び方と購入ガイド

- GエグゼクティブとRSの違い|快適性と走り、どちらを重視するか
- 標準Gグレードとの違い|コスパ重視ならどちらを選ぶべき?
- 用途別のおすすめ比較|ビジネス・家族・スポーティ走行で最適なのは?
- 3.5 Gエグゼクティブはどんな人に向いている?
- 前期・後期の違い|どちらを選ぶべきか徹底比較
- 中古でGエグゼクティブを購入する際の注意点
- 3.5 Gエグゼクティブのリセールバリューは高い?
- 最上級グレードがもたらす所有満足度とは
GエグゼクティブとRSの違い|快適性と走り、どちらを重視するか

220系クラウンにおいて、「Gエグゼクティブ」と「RS」は、同じ車体でありながら目指す頂点が真逆に位置しています。
- サスペンションの哲学が違う
- Gエグゼクティブ: 路面の情報を「消す」方向にチューニングされています。マンホールや継ぎ目の突き上げを徹底的にいなし、乗員に不快な振動を伝えない「フラットライド」を追求しています。
- RS: 路面の情報を「伝える」方向に振っています。専用のスタビライザーやダンパーにより、ステアリングを切った瞬間の応答性が鋭く、車との一体感を楽しめますが、その分、コツコツとした入力はGエグゼクティブより明確に伝わります。
- 空間の演出が違う
- Gエグゼクティブ: 「本杢調パネル」と「ベージュ内装(選択可)」による、温かみのあるリビングのような空間。
- RS: 「カーボン調パネル」と「ブラック内装(赤アクセント等)」による、コックピットのような高揚感のある空間。
「運転席で汗をかいて楽しみたい」ならRSですが、「移動時間をリラックスタイムにしたい」「同乗者に『良い車だね』と言われたい」なら、迷わずGエグゼクティブを選ぶべきです。
標準Gグレードとの違い|コスパ重視ならどちらを選ぶべき?

見た目が似ている「標準G(2.5L)」と「3.5 Gエグゼクティブ」。新車価格で約160万円、中古車相場でも数十万円の差がありますが、どちらを選ぶのが正解でしょうか。
- コストパフォーマンス重視なら:「標準G(2.5L)」
- 実燃費で15〜18km/L前後走る経済性は圧倒的です(3.5Lは10〜12km/L前後)。
- 後期型であれば本革シートなども選べるため、見た目の高級感に大きな不満は出ません。
- 「維持費を抑えつつ、クラウンの上質さを味わいたい」という方にはベストバランスです。
- 「妥協なき満足」を求めるなら:「3.5 Gエグゼクティブ」
- 標準Gで埋められないのは「パワーの余裕」と「内装の格」です。
- 高速道路での追い越しでエンジンが唸る2.5Lに対し、3.5Lは静寂を保ったまま滑空するように加速します。
- 「あの時、一番いいグレードにしておけばよかった」という後悔は、お金では解決できません。長く乗るつもりなら、初期投資が高くてもエグゼクティブの方が満足度は持続します。
用途別のおすすめ比較|ビジネス・家族・スポーティ走行で最適なのは?

| 用途・シーン | 推奨グレード | 理由 |
|---|---|---|
| ビジネス・送迎 | 3.5 G エグゼクティブ |
取引先やVIPを後席に乗せるなら、これ一択です。 電動リクライニングや専用エアコンパネルによる「おもてなし」機能は、 ビジネスの成功を後押しする武器になります。 |
| 家族・日常使い | 2.5 G |
家族旅行や送迎には快適性が必須ですが、家計への配慮(燃費・税金)も重要です。 2.5L Gはそのバランスが完璧です。 4WDの設定があるのも2.5Lだけの強みです。 |
| 走りを楽しむ | 3.5 RS Advance |
「走りのRS」と「3.5L V6」の組み合わせは、まさに「羊の皮を被った狼」。 欧州スポーツセダンをカモれる加速力と、意のままのハンドリングを両立しています。 |
| 雪国・寒冷地 | 2.5L(Four) |
最大の注意点ですが、3.5Lモデルには4WDの設定がありません。 冬場の安定性を最優先するなら、必然的に2.5Lの4WDモデル(G-Executive Four等)になります。 |
3.5 Gエグゼクティブはどんな人に向いている?

ズバリ、以下のような価値観を持つ方には、このグレード以外は推奨できません。
- 「マジェスタ」や「セルシオ」のオーナーだった方大排気量自然吸気エンジンが持っていた、あの「ヌルヌルとした濃厚な加速感」。ダウンサイジングされた2.5L直4では決して味わえないその感覚が、3.5L V6マルチステージハイブリッドには色濃く残っています。
- 「レクサスLS」と同等の質を、嫌味なく乗りたい方中身はほぼレクサスLSですが、外見は「日本のクラウン」。取引先やご近所への体裁を保ちつつ、自分と同乗者は最高級の移動空間を享受する。そんな「知的な贅沢」を知っている方に最適です。
- 後席の住人を大切にしたい方奥様、お子様、あるいはご両親。「後ろに乗る人が疲れない車」を探しているなら、Gエグゼクティブのリヤコンフォートパッケージは必須装備です。
前期・後期の違い|どちらを選ぶべきか徹底比較

220系クラウンは2020年11月のマイナーチェンジ(一部改良)を境に、前期型と後期型に分かれます。特にGエグゼクティブにおいては、機能差が非常に大きいため、購入前に必ず確認が必要です。
出典:トヨタ公式 クラウンに、さらなる質感を高めた内外装を採用
後期型(2020.11〜)のメリット
- ナビ画面の巨大化: 前期の「上下2画面」から、「12.3インチワイドタッチディスプレイ」に統合されました。地図の視認性、先進感、スマホ連携(CarPlay等)の使い勝手は後期が圧倒的です。
- AVS(電子制御サスペンション)の標準化: データによると、前期GエグゼクティブにはAVSが非搭載でしたが、後期から標準化されています。さらに「コンフォートモード」が追加され、乗り心地の選択肢が増えました。
- AI活用のエアコン操作: タッチパネル操作から物理ボタンに戻り、ブラインド操作が可能になりました。
- 安全装備の進化: 交差点右折時の対向直進車検知など、Toyota Safety Senseの機能が強化されています。
前期型(2018.6〜2020.10)のメリット
- 圧倒的なコストパフォーマンス: 中古車市場では、後期型に比べて数十万円〜100万円近く安価な個体も見つかります。「V6エンジンとボディ剛性、静粛性」という車の根幹部分は前期でも完成されているため、ナビの仕様にこだわらなければ、非常に賢い買い物になります。
予算が許すなら、乗り心地とインフォテインメントが完成された「後期型」がベストバイです。
しかし、「走りの質」自体は前期でも極めて高いため、コスパ重視なら前期型の良質な個体を狙うのも正解です。
中古でGエグゼクティブを購入する際の注意点

新車時700万円オーバーの車両を中古で購入する際は、以下の3点に注意することで、購入後のトラブルリスクを最小限に抑えられます。
- 「トヨタ認定中古車」を強く推奨3.5Lのハイブリッドシステムやバッテリーは高額部品です。万が一の故障時、修理費は数十万円になります。トヨタ認定中古車であれば、「初度登録から10年(または3年)」のハイブリッド機構保証が無償で付帯します。(出典:トヨタ認定中古車 中古車ハイブリッド保証)
この安心感は、専門店以外の安値な中古車では得られません。 - セミアニリン本革の状態チェックGエグゼクティブ専用の「セミアニリン本革」は、非常に柔らかく肌触りが良い反面、「擦れ」や「引っ掻き傷」にデリケートです。特に運転席のサイドサポート(乗り降りで擦れる部分)のシワや、後席座面のひび割れがないか、写真だけでなく実車で入念に確認してください。
- 整備記録簿で「法人ワンオーナー」を探すこのグレードは役員車として使われていた個体が多く存在します。「法人ワンオーナー」かつ「ディーラー点検整備記録」が残っている車両は、「消耗品が惜しみなく交換されている」「無理な運転をされていない」可能性が高く、特におすすめの狙い目です。
3.5 Gエグゼクティブのリセールバリューは高い?

一般的に「大排気量セダンは値落ちが激しい」と言われますが、3.5 Gエグゼクティブに関しては「例外的に底堅い」と言えます。
希少性と指名買い需要新車時の販売台数が少ないため、中古車市場でのタマ数が圧倒的に不足しています。
一方で、「V6に乗りたい」「装備全部入りがいい」という指名買い需要が常にあり、相場が崩れにくい傾向にあります。
「輸出」のポテンシャルクラウン、特にサンルーフと本革シートを備えた上級グレードは、海外市場での人気も根強いです。
Gエグゼクティブはこれらの条件を満たしやすいため、将来的な輸出需要による下支えも期待できます。
リセールを最大化したい場合は、購入時に「サンルーフ付き」の個体を選ぶことを強く推奨します。
最上級グレードがもたらす所有満足度とは

最後に、スペックやお金の話を超えた「心」の部分についてお話しします。3.5 Gエグゼクティブを所有することで得られる最大の価値、それは「迷いのない到達感」です。
1. 「上を見なくていい」という心の平穏
信号待ちで他のクラウンと並んだ時、あるいはレクサスを見た時でも、「自分の車にはV6マルチステージハイブリッドが載っている」「内装は最上級だ」という事実は、オーナーに絶対的な余裕を与えてくれます。「もっと良いグレードにしておけばよかった」という後悔とは無縁です。
2. ゲストを招く自信
大切な友人や家族、あるいはビジネスパートナーを乗せる際、「どうぞ、後ろへ」と自信を持って言える車です。
後席のリクライニングを倒し、静寂の中で移動する時間は、同乗者に「大切にされている」という実感を与え、人間関係さえも円滑にしてくれるでしょう。
3. 最後のV6クラウンとしての歴史的価値
自動車業界の電動化・ダウンサイジング化の流れの中で、クラウンという歴史ある車で「FRレイアウト × V6エンジン」を楽しめるのは、この220系が最後になる可能性が高いと言われています。
「日本の名車、その完成形を所有している」という喜びを味わえることこそ、3.5 Gエグゼクティブオーナーだけの特権なのです。
【総括】クラウン3.5Gエグゼクティブと他グレードの違い|「至高の1台」を選ぶべき理由
220系クラウンのラインナップにおいて、唯一「マジェスタ」の血統を受け継ぐ3.5 Gエグゼクティブ。
その真価は、単なるカタログスペックの数値差を超え、所有する者の心を満たす「圧倒的な余裕」と「静寂」にあります。
他グレードと比較しても明確な差別化が図られたこのモデルは、まさに人生の到達点にふさわしい選択肢と言えるでしょう。
本記事で解説した他グレードとの決定的な違いと、購入判断に必要な重要ポイントを以下の通り箇条書きでまとめました。
- システム出力359馬力を誇るレクサスLS譲りの3.5L V6マルチステージハイブリッドを搭載
- 2.5Lハイブリッド車と比較して約1.6倍の圧倒的なパワーと余裕のある加速性能
- 直列4気筒にはないV型6気筒エンジン特有の重厚で官能的なサウンド
- 全窓高遮音ガラスとノイズリダクションホイールによる静粛性はシリーズ最高峰
- 路面の凹凸を徹底的にいなす電子制御サスペンション(AVS)による極上の乗り心地
- 他グレードでは味わえない最高級セミアニリン本革シートのしっとりとした質感
- インパネからドアトリムまで連続する本杢調パネルが醸し出す圧倒的な包まれ感
- 後席電動リクライニングや操作パネルを含むリヤコンフォートパッケージを標準装備
- RSグレードのスポーティな走りとは対極にあるショーファードリブンとしての性格
- 2020年11月以降の後期型は12.3インチワイド画面と最新の安全装備を採用し完成度が向上
- 中古車購入時は高額なハイブリッドシステムの保証が付くトヨタ認定中古車が強く推奨される
- 希少なV6エンジン搭載FRセダンとして将来的なリセールバリューや輸出需要も期待大
- ビジネスや送迎用途においてゲストに最高のおもてなしを提供するなら唯一の選択肢
- 燃費性能や維持費よりも所有する満足感や移動の質を最優先する人に最適
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