日本を代表するプレミアムセダンの中でも、今なお絶大な支持を集めるクラウン210系アスリート。特に熟成が進んだ後期モデルは、その完成度の高さから中古車市場でも指名買いが後を絶ちません。
本記事では、年式ごとの違いを含む後期の概要から、より精悍さを増した外観デザインの特徴、そして大幅に向上した内装の質感や装備に至るまで徹底的に掘り下げます。
また、ボディ剛性の強化など前期からの改善点によって磨きがかかった走行性能についても詳しく解説。
後期型の進化点を正しく理解し、あなたにとってベストな一台を見つけるための、失敗しない中古車選びの決定版としてお届けします。
記事ポイント
- 稲妻グリルのデザイン変更やボディ剛性強化など前期型からの具体的な進化点
- ハイブリッドと新搭載2.0Lターボの実燃費や維持費シミュレーション
- 2016年9月を境に変わる安全装備の違いと狙い目の中古車年式・相場
- アスリートSとGの装備差やリセールバリューに基づいた失敗しないグレード選び
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【徹底解説】クラウン210系アスリート後期の進化点とベストな選び方

- 210系クラウンアスリート後期の概要と年式
- 後期モデルの外観デザインの特徴(フロント・リアの違い)
- 内装の質感・装備の変化:前期からの改善点
- 前期と後期の違いを総まとめ(見た目・装備・走行性能)
- アスリートSとアスリートGの違いと選び方
- ガソリン・ハイブリッド・3.5Lの性能比較
- ライバル車との比較で見える210系後期の強み
210系クラウンアスリート後期の概要と年式

14代目となる210系クラウンアスリート後期型は、単なるデザイン変更にとどまらず、自動車としての基本性能を底上げした「完成形」と言えます。
販売期間とマイナーチェンジの及ぼす影響
後期型の販売期間は、2015年10月から2018年6月までです。
このマイナーチェンジにおける最大のトピックは、目に見えるデザイン変更以上に「ボディ剛性の強化」が図られた点にあります。(出典:トヨタ公式 クラウンをマイナーチェンジ – トヨタ自動車)
構造用接着剤の塗布範囲拡大やスポット溶接の増し打ちにより、前期型と比較してステアリングの応答性や静粛性が格段に向上しました。
- 前期型: 2012年12月 ~ 2015年9月
- 後期型: 2015年10月 ~ 2018年6月
後期型におけるグレード構成の全体像
後期型アスリートの大きな変革点は、3.5L V6エンジンの廃止(アスリートグレードでの設定終了)と、2.0L直噴ターボエンジンの新設です。これにより、軽快なハンドリングとトルクフルな走りを両立した新しいスポーツセダン像を確立しました。
- 2.0L 直列4気筒ターボ(8AR-FTS): 後期の目玉。8速ATとの組み合わせでFRのみ設定。
- 2.5L 直列4気筒ハイブリッド: 燃費と走りを両立する主力ユニット。4WD(Four)も設定あり。
- 2.5L V6ガソリン(4WDのみ): 滑らかな回転フィールを持つV6は、i-Fourグレードに残された。
後期モデルの外観デザインの特徴(フロント・リアの違い)

「稲妻グリル」と呼ばれ衝撃を与えたフロントフェイスは、後期型でさらにアグレッシブかつ立体的に進化しました。前期型との識別点は明確です。
「稲妻グリル」の大型化と立体造形
後期型のフロントグリルは、バンパー下端まで枠が伸びることで、視覚的な低重心化(ワイド&ロー)が強調されています。
- 立体メッシュの採用: 平面的だった網目が、奥行きのある立体造形へ変化。
- メッキモールの処理: グリル枠のメッキがサイドで一度途切れるデザインとなり、エッジの効いた表情を演出。
- バンパー形状: 開口部が明確な3分割スタイルとなり、純正でありながら社外エアロのような迫力を獲得。
灯火類(ヘッドライト・テール・フォグ)の変更点
夜間の印象を決定づける灯火類も、よりシャープで先進的な意匠へ変更されています。特にフォグランプは前期・後期を見分ける最大のポイントです。
- ヘッドライト: LEDクリアランスランプがライン発光から「面発光に近い2本ライン」へ。レンズ内側の形状も鋭角に切れ込むデザインへ変更。
- フォグランプ:
- 前期:丸型がバンパーから突き出す形状。
- 後期: 角型デザインとなり、バンパーパネル内にスマートに格納。
- リアコンビランプ: クラウン伝統の丸型4灯が強調され、メッキリングの加飾により高級感が向上。また、ひと目でわかる変化としてリアバンパーへの反射板(リフレクター)追加も挙げられます。
内装の質感・装備の変化:前期からの改善点

前期モデルで指摘されていた「プラスチッキーな質感」を払拭すべく、後期型では素材感やカラーコーディネートに大幅な手が入っています。
加飾パネルとカラーバリエーションの拡大
インパネやドアトリムにあしらわれるパネルには、新たに「メノウ柄」を採用。深みのある光沢が、プレミアムセダンに相応しい落ち着きを与えています。
また、内装色は従来のブラック一辺倒から、以下の3色展開(ジャパンカラーセレクションパッケージ等を含む)となり、個性を出しやすくなりました。
- ホワイト: 開放感とモダンな高級感を演出。
- ブラック: 定番のスポーティカラー。
- こがね(ブラウン系): 上品で大人な雰囲気を醸し出す新色。
マルチインフォメーションディスプレイの進化
メーター中央に配置されたTFTカラー液晶画面は、視認性と情報量が強化されています。
- サイズ拡大: 3.5インチから4.5インチへ大型化。
- UIの刷新: ランドクルーザー200等と同様の最新トヨタUIへ統一され、ナビ情報や車両設定の確認がスムーズになりました。
前期と後期の違いを総まとめ(見た目・装備・走行性能)

これから購入するなら「間違いなく後期」と断言できるほど、その差は歴然です。主要な違いを比較表にまとめました。
【比較表】前期vs後期 スペック・装備差一覧
| 比較項目 | 前期型(~2015.9) | 後期型(2015.10~) |
|---|---|---|
| フロントフォグ | 丸型(突出) | 角型(埋込) |
| フロントグリル | 枠が繋がっている | 下端まで延長・立体的 |
| リアバンパー | リフレクターなし | リフレクターあり |
| 主力エンジン | 2.5L V6 / 3.5L V6 | 2.0L ターボ / 2.5L HV |
| ボディ剛性 | 標準 | 強化(接着剤・溶接増) |
| 安全装備 | オプションが多い | Toyota Safety Sense P(2016年8月以降標準) |
ボディ剛性と足回りの熟成による「走り」の違い
スペック表には現れない最大の違いが「走りの質感」です。
後期型では構造用接着剤の塗布範囲を大幅に拡大し、スポット溶接の打点も追加。これによりボディのねじれ剛性が高まり、サスペンションが設計通りにしなやかに動くようになりました。
結果として、前期型で見られた微細な振動が抑制され、「硬めだが角がない」という欧州車にも通じる上質な乗り味を実現しています。静粛性も向上しているため、長距離移動での疲労感には明確な差が出ます。
アスリートSとアスリートGの違いと選び方

中古車市場で物件を探す際、最も悩ましいのが「S」と「G」のグレード選択です。
エンジンや走行性能自体に差はありませんが、この2つには「ドライバーズカー(S)」か「ショーファーカー(G)」かという明確なキャラクターの違いが存在します。
「G」にのみ許された上級装備とは
「G」グレードは、かつてのロイヤルサルーンGに匹敵する「全部入り」のラグジュアリー仕様です。後付けできない装備が多く含まれるため、以下の機能が必須であれば迷わず「G」を選ぶべきです。
- 本革シート(標準装備): Sではオプション扱い。Gはベンチレーション機能も完備し、夏場の蒸れを防ぎます。
- 電動リアサンシェード: 後席のプライバシーと遮光性を確保する高級セダンの証。
- 全ドアイージークローザー: 半ドアを自動で引き込む機能。同乗者への配慮として満足度が高い装備です。
- アダプティブハイビームシステム(AHS): Sのオートマチックハイビーム(ON/OFFのみ)に対し、Gは先行車を遮光しながら照射範囲を制御する高機能版を搭載。
- ブラインドスポットモニター(BSM): 車線変更時の死角を検知。安全支援機能としても重要です。
コストパフォーマンスで選ぶなら「S」の理由
一方で、市場流通量が多く、価格とのバランスに優れるのが「S」グレードです。
「S」という名称はスタンダードを指しますが、決して廉価版ではありません。むしろ、滑りにくいファブリック(または合皮コンビ)シートやアルミペダルなど、スポーティに走りを楽しみたい層には「S」の方が適している側面もあります。
- リセールへの影響は軽微: Gの方が査定額は高いものの、購入時の価格差をペイできるほどではありません。
- 必要十分な装備: 8ウェイパワーシートや基本安全装備はSでも標準です。「後席に人を乗せる機会が少ない」「本革より維持が楽なシートが良い」という方には、Sが賢い選択となります。
ガソリン・ハイブリッド・3.5Lの性能比較

210系アスリート後期のパワートレーン選びは、「経済性」「軽快感」「圧倒的パワー」のどれを優先するかで決まります。
新搭載2.0Lターボの実力とフィーリング
後期型から新採用された2.0L直噴ターボ(8AR-FTS)は、従来の2.5L V6に代わるスポーツユニットです。
最大の特徴は、V6エンジン非搭載によるフロントノーズの軽量化。回頭性が劇的に向上しており、ステアリングを切った瞬間にスッと鼻先が入る軽快感はターボ車だけの特権です。
- トランスミッション: CVTではなく8速ATを採用。ダイレクトな変速フィールがあり、意のままに操る楽しさがあります。
- 実用域のトルク: 低回転から太いトルクが発生するため、街乗りでの出足は2.5L NAよりも力強く感じられます。
2.5LハイブリッドとV6 3.5L(前期・マジェスタ)の立ち位置
市場の主役である2.5Lハイブリッドは、リッター23.2km(JC08モード)という圧倒的な燃費性能が武器です。
モーターアシストによる滑らかな発進は高級車そのものですが、高回転域でのエンジンノイズ(4気筒特有の音)やCVTのラバーバンド感を気にする声もあります。
対して、比較対象となる3.5L V6(2GR-FSE)は、前期型アスリートやマジェスタに搭載された「名機」です。
ただし、後期型のアスリートでは3.5Lモデルが廃止されています。そのため、「維持費を度外視しても、クラウン史上最強クラスの加速を味わいたい」という場合は、前期型の3.5Lアスリートか、あるいはマジェスタ(210系)の指名買いが必要です。
▼【動画で体感】3.5L V6(2GR-FSE)の圧倒的な加速サウンド
- 0-100km/h加速 5.3秒というスポーツカー並みの動力性能。
- 踏み込んだ瞬間の暴力的な加速と、V6ならではの官能的なサウンド。
後期アスリートにおいて3.5Lは希少な存在となっているため、「維持費を度外視しても、クラウン史上最強クラスの加速を味わいたい」という場合は、前期3.5Lやマジェスタ、あるいは後期3.5L(アスリートG)の指名買いが必要です。
しかし、総合的なバランスでは2.0Lターボが現代的なスポーツセダンの最適解と言えるでしょう。
ライバル車との比較で見える210系後期の強み

210系アスリート後期を検討する際、比較線上に上がるライバル車との違いを明確にします。
vs レクサスGS・スカイライン・220系クラウン
| 比較車種 | 特徴と210系後期の強み |
|---|---|
| レクサス GS(後期) |
【質感 vs コスト】 GSは内装の質感やボディ剛性で勝るが、維持費(ハイオク必須・部品代)が高い。 210系はレギュラーガソリン仕様(HV)で、国内の道路事情に特化した取り回しの良さとコストパフォーマンスで優秀。 |
| スカイライン V37 |
【スポーツ vs 総合力】 V37ハイブリッドは364psのパワーを持つが、トランク容量や後席快適性ではクラウンに分がある。 「走り」を重視するならスカイラインだが、「VIP感」や「リセールバリュー」を含めた総合力ではクラウンが強い。 |
| 220系 クラウン |
【革新 vs 伝統】 次世代の220系はTNGAプラットフォームで走りが進化したが、全幅1,800mm超え・デザインがクーペ風になったことで、 「クラウンらしさ」について賛否が分かれる。 一方で210系後期は「伝統的な王冠スタイル」と「成熟したFRセダン」の最終形として、あえてこちらを選ぶファンも多い。 |
クラウン210系アスリート後期の中古車購入術|相場・維持費・カスタムまで

- 後期型の中古車相場(年式×走行距離×グレード別)
- 失敗しない後期モデルの選び方(注意点・チェックポイント)
- 後期人気カラーとリセールバリューの傾向
- 特別仕様車「Black Style」「J-FRONTIER」の特徴
- 後期モデルの維持費:税金・燃費・消耗品コスト
- 210系アスリート後期の燃費・走行フィールの実測データ
- よくある故障ポイントと対策(ハイブリッド・3.5L編)
- オーナーレビューから見る後期モデルの評価と満足度
- 前期を後期仕様にするカスタムパーツ(バンパー・ライト・ガーニッシュ)
- 後期モデルにおすすめのカスタム(エアロ・ホイール・内装)
後期型の中古車相場(年式×走行距離×グレード別)

2025年現在、210系後期の相場は150万円~250万円がボリュームゾーンです。次期型(220系)がまだ高値(300万円~)を維持しているため、コストパフォーマンスの高さから底堅い人気があります。
底値は見えた?現在の市場価格トレンド
結論から言えば、相場は「底値安定期」に入りつつあります。 経年による緩やかな下落は続いていますが、海外輸出需要(特にハイブリッド)の下支えがあるため、極端な値崩れは起きていません。
- 2015年式(後期初期): 120万円~
- 2016年式(中期): 140万円~(流通量が最も多く選びやすい)
- 2017~2018年式(最終型): 200万円~(状態の良い個体が多く高値圏)
狙い目の年式と走行距離ゾーン
コストと品質のバランスが最も良い「狙い目」は以下のゾーンです。
- 【ベストバイ】2016年式・走行4万km~6万km
- 価格と状態のバランスが絶妙です。5万kmを超えると価格が一段下がるため、6万km手前の個体はコスパが極めて高いと言えます。
- 【予算重視】走行8万km~9万km
- 10万kmの大台に乗る前の車両は、比較的安価に手に入ります。トヨタ車の耐久性を考えれば、メンテナンス履歴さえしっかりしていれば全く問題なく走ります。
失敗しない後期モデルの選び方(注意点・チェックポイント)

後期モデルならどれも同じ、ではありません。特に安全装備に関しては、製造時期によって「天と地ほどの差」があります。
最重要:Toyota Safety Sense P 搭載時期の境界線
210系後期を購入する際、絶対に妥協してはいけないのが「2016年8月(9月登録)」という境界線です。
- 2016年8月以前: ミリ波レーダー方式のみ。歩行者検知ができず、自動ブレーキ性能は限定的。
- 2016年8月以降:「Toyota Safety Sense P」が全車標準装備。
- ミリ波レーダー+単眼カメラ方式へ進化。
- 歩行者検知機能付きプリクラッシュセーフティ。
- ステアリング制御付きレーンディパーチャーアラート。
- レーダークルーズコントロール(ブレーキ制御付)。
見た目は同じでも中身の安全脳が別物です。長く乗るなら、多少高くても2016年9月以降のモデルを強く推奨します。
過走行車を選ぶ際に見るべき整備記録のポイント
走行10万km超の個体を狙う場合、以下の交換履歴が記録簿に残っているかを確認してください。これらが未交換だと、購入直後に数十万円の出費が待っています。
- ATF(オートマチックフルード)/CVTフルード: 無交換車は変速ショックや滑りのリスク大。
- ハイブリッドバッテリー(HV車): 「交換済み」であれば大当たりです。未交換の場合、冷却ファンの清掃状況などをチェック。
- 足回りのブッシュ類: クラウンの上質な乗り心地を支える重要部品。ひび割れや異音がないか、試乗で段差を越えて確認を。
後期人気カラーとリセールバリューの傾向

セダンはボディカラーで資産価値が大きく変わります。自分の好みだけで選ぶと、売却時に痛い目を見る可能性があります。
鉄板の「パール・ブラック」と他色の査定差
リセールバリューを第一に考えるなら、選択肢は以下の2色に絞られます。
- ホワイトパールクリスタルシャイン(062)
- ブラック(202) / プレシャスブラックパール(219)
これら「白・黒」と、それ以外の色(シルバー、グレー、特別色など)では、売却時に10万円~30万円以上の査定差が出ることが珍しくありません。特に「アスリート」はスポーティな黒の需要が高く、高値で安定しています。
今後の残価率予測
210系はすでに一定の減価償却が進んでおり、これからの値下がり幅は緩やかです。 3年~5年乗っても、購入価格の30%~40%程度の価値は残る(=輸出需要等で0円にはなりにくい)と予測されます。「乗り潰すつもり」でも「数年で乗り換える」でも、損をしにくい優秀な車種です。
特別仕様車「Black Style」「J-FRONTIER」の特徴

中古車検索でよく見かける特別仕様車ですが、実は「前期」と「後期」の仕様が混在しやすいため整理が必要です。
J-FRONTIER Limitedの安全装備アドバンテージ
後期型の本命特別仕様車は、2016年発売の「J-FRONTIER」と、その進化版である2017年発売の「J-FRONTIER Limited」です。
特にLimitedは、インテリジェントクリアランスソナー(ICS)を標準装備しており、踏み間違い防止機能が備わっています。
「黒」を基調とした内装と、日本の伝統技術を用いた「レイヤーウッドステアリング」など、所有満足度は全グレード中トップクラスです。
Black Styleの専用装備と市場価値
よく比較される「Black Style」は、主に前期型に設定された特別仕様車です。 ピアノブラック塗装のグリルやブラックスパッタリングホイールが特徴で、現在も非常に人気がありますが、Toyota Safety Sense Pは非搭載(前期のため)です。
- 見た目重視なら: 前期「Black Style」もアリですが、年式なりの劣化に注意。
- 機能・安全重視なら: 後期「J-FRONTIER Limited」一択です。
市場価値としては、やはり年式が新しく安全装備が充実したJ-FRONTIER系の方が高値ですが、Black Styleも根強いファンにより、前期型の中では突出した高値を維持しています。
後期モデルの維持費:税金・燃費・消耗品コスト

「高級車は維持費が高い」という定説は、210系アスリート後期に関しては半分正解で半分間違いです。特にハイブリッドモデルのランニングコストは、コンパクトカー並みと言っても過言ではありません。
ハイブリッドvsターボ 年間維持費シミュレーション
購入後の出費を左右するのは、燃料代と自動車税のバランスです。年間1万km走行と仮定して比較します。
| 項目 | 2.5L ハイブリッド(アスリートS) | 2.0L ターボ(アスリートS-T) | 差額・備考 |
|---|---|---|---|
| 自動車税 | 45,000円 | 39,500円 | ターボが年間 5,500円安い |
|
燃料代 (年1万km) |
約110,000円 (実燃費15km/L・レギュラー165円) |
約154,000円 (実燃費11km/L・ハイオク170円) |
HVが年間 約4.4万円安い |
|
重量税 (車検時2年分) |
優遇あり (登録年による) |
32,800円 | 中古車は経過年数で変動 |
- 結論: 燃料代の差が大きく、年間1万km以上走るならハイブリッドが圧倒的に経済的です。
- 補足: ターボ車はハイオク指定かつ実燃費が落ちるため、維持費だけで見れば不利ですが、自動車税自体は排気量区分で安くなります。「週末しか乗らない」という方なら、差額は縮まります。
車検ごとの法定費用とメンテナンス積立
車検費用(法定費用+整備費)は、大きな交換部品がなければ10万円~13万円程度が相場です。ただし、以下の消耗品交換時期にはプラスの予算取りが必要です。
- タイヤ交換(18インチ): 4本セットで8万~12万円(アジアンタイヤなら半額以下も可能)。
- 補機バッテリー: HV車はトランクに搭載。専用品のため2万~3万円。
- オイル交換: ターボ車は5,000kmごとの交換が必須。HV車はエンジン稼働時間が短いため多少サイクルを延ばせます。
210系アスリート後期の燃費・走行フィールの実測データ

カタログスペック(JC08モード)はあくまで参考値。実オーナーの声を統合した「リアルな数値」は以下の通りです。
カタログ値では分からない実燃費(街乗り・高速)
210系ハイブリッドの優秀な点は、車重1.6トン超のボディながら、ストップ&ゴーの多い街中でも燃費が極端に落ちないことです。
- 2.5L ハイブリッド
- 街乗り:12~15km/L
- 高速道路:18~21km/L
- ※高速巡航ではエンジン主体になりますが、空力と効率の良さでリッター20km超えも現実的に狙えます。
- 2.0L ターボ
- 街乗り:8~10km/L
- 高速道路:13~15km/L
- ※アクセルを踏み込むと燃費は悪化しますが、高速での伸びやかな加速は燃費以上の価値があります。
(参考):e燃費 トヨタ クラウン (ハイブリッド) アスリート/アスリートS/アスリートG 2500cc(AWS210)CVT FR
よくある故障ポイントと対策(ハイブリッド・3.5L編)

トヨタ車ゆえに基本設計は頑丈ですが、経年劣化による「定番トラブル」は存在します。また、購入前には対象車両のリコール未実施がないかも確認しておきましょう。
ハイブリッドバッテリーの寿命と交換コスト
最も懸念される駆動用バッテリーですが、210系では耐久性が向上しており、20万km無交換の個体も珍しくありません。しかし、「10年・10万km」が一つの目安であることは変わりません。
- 交換サイン: 燃費の急激な悪化、EV走行時間の短縮、警告灯の点灯。
- 交換費用:
- 新品交換: 工賃込みで20万円~30万円コース。
- リビルト品: 10万円~15万円程度に抑えられます。長く乗るなら新品、つなぎならリビルトと使い分けましょう。
電装系・エアコン等の注意すべきトラブル
- エアコンコンプレッサー: 特に夏場の酷使で故障事例あり。異音(ウィーン音)が出始めたら要注意。修理費は約10万円~。
- 電動格納ミラー: 開閉モーターの故障。片側数万円程度。
- モニターのタッチパネル不良: ナビ画面の反応が悪くなるケース。ASSY交換だと高額になります。
オーナーレビューから見る後期モデルの評価と満足度

実際に所有しているユーザーの評価は、満足度が非常に高い一方で、設計年次の古さゆえの不満点も散見されます。
ユーザーが挙げる「不満点」と「それを上回る魅力」
- 【不満点】
- ロードノイズ: アスリート特有の18インチホイールと硬めの足回りのため、荒れた路面では「ゴーッ」という音が室内に入りやすい(レグノ等の静粛タイヤで改善可能)。
- 収納の少なさ: センターコンソールやドアポケットの容量が少なく、スマホや小物の置き場に困る。
- トランクの狭さ(HV車): バッテリー搭載のため奥行きが制限され、ゴルフバッグ4個積みにはコツが要る。
- 【魅力】
- 圧倒的なデザイン: 「この顔が好きで買った」という意見が大多数。駐車場に停めた時の存在感は別格。
- 安心感: 「壊れない」「煽られない」「どこへ乗っていっても恥ずかしくない」というクラウンブランドの信頼性。
【参考としたサイト】
- みんカラ 愛車紹介 – クラウンアスリート [ S210系 ]
- 価格.com トヨタ クラウン アスリート レビュー評価・評判
前期を後期仕様にするカスタムパーツ(バンパー・ライト・ガーニッシュ)

中古車相場の安い前期型を購入し、外装だけ人気の後期仕様にする「後期化」もマニアの間では人気の手法です。
「前期型を後期仕様にする『後期化』も人気ですが、バンパーやライトの形状が異なるため、ポン付けはできません。
配線加工などの専門知識が必要となり、部品代と工賃で数十万円かかるケースも一般的です。コストとリスクを考えると、最初から後期型を購入することを強くおすすめします。」
後期仕様(後期化)に必要なパーツと費用感
後期化にはバンパーだけでなく、グリル、フォグ、そして形状の異なるヘッドライトなど多くのパーツが必要です。
- 必須パーツ: フロントバンパー、後期グリル、ロアグリル、後期LEDフォグランプ、ヘッドライト(配線加工が必要)。
- 費用感:
- 新品パーツ使用: 部品代だけで30万円~40万円オーバー。
- 中古パーツ収集: 上手く集めれば15万円~20万円程度で可能。
- 注意点: 費用と手間を考えると、最初から後期型を買った方がリセールも含めてお得なケースが多いです。「愛着のある前期をリフレッシュしたい」という動機以外では慎重な検討をおすすめします。
後期モデルにおすすめのカスタム(エアロ・ホイール・内装)

210系アスリートは純正のままでも十分にかっこいいですが、オーナーの個性に合わせて「大人のカスタム」を楽しむのも醍醐味です。
ここでは、方向性の異なる2つのカスタム実例を動画でご紹介します。あなたの目指すスタイルはどちらでしょうか?
ホイール交換だけでシックに決めるもよし、エアロパーツで攻撃的なスタイルを追求するもよし。懐の深さも210系の魅力です。
大人のセダンカスタム実例と人気ブランド
- エアロパーツ:
- MODELLISTA(モデリスタ): 純正のフィッティングと程よいボリューム感で、査定でもプラス評価になりやすい鉄板ブランド。
- AIMGAIN(エイムゲイン)「純VIP」シリーズ: 純正ラインを崩さず、シンプルに低さを強調するスタイルが人気。
- ホイール:
- BBS LM / RI-A: 時代を超えた名作。20インチで迫力を出すか、19インチで乗り心地を残すかが悩みどころ。
- WORK EMOTION / ZEAST: コンケーブ(逆反り)デザインでスポーティさを演出するなら最適。
- 内装:
- 過度な装飾は避け、フロアマットのグレードアップやLEDルームランプへの換装など、快適性を高めるライトカスタムが主流です。
【総括】クラウン210系アスリート後期|熟成された走りとデザインを手にする「賢明な選択」
14代目クラウンの集大成である210系アスリート後期は、稲妻グリルの完成度や熟成された走りで、今なお中古車市場で絶大な人気を誇ります。
見た目のインパクトだけでなく、ボディ剛性の強化や安全装備の進化など、中身のアップデートも見逃せません。
後悔しない選び方をするためには、年式による装備差やグレードごとの特徴を正しく理解しておくことが不可欠です。
本記事で解説した、購入前に必ず押さえておくべき重要ポイントを箇条書きでまとめています。
- 210系後期型の販売期間は2015年10月から2018年6月まで
- フロントグリルはバンパー下部まで伸びた立体的な稲妻形状へ進化
- 構造用接着剤の増量によりボディ剛性と静粛性が前期より大幅向上
- ヘッドライトは角型プロジェクターと面発光LEDラインが特徴
- 安全装備Toyota Safety Sense Pは2016年9月以降のモデルで標準化
- アスリートGは本革シートや全ドアイージークローザーなど装備が充実
- アスリートSはコスパに優れスポーツ走行に適したスタンダード仕様
- 後期から新設定の2.0Lターボは鼻先の軽さと8速ATの爽快感が魅力
- 2.5Lハイブリッドは実燃費15km/Lを超え維持費抑制に最適
- 狙い目の中古車相場は2016年式の走行4万kmから6万kmゾーン
- リセールバリューを重視するならボディカラーは白か黒が鉄則
- 特別仕様車J-FRONTIER Limitedは安全装備と内装質感が最高峰
- ハイブリッドバッテリーは10年10万kmが交換目安だが耐久性は向上
- 220系と比較しても圧倒的なコストパフォーマンスとクラウンらしい風格
- 今が相場の底値安定期であり状態の良い個体を手に入れる好機
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