かつて日本の高級セダンの頂点に君臨したクラウンマジェスタ。中でも約30年にわたる歴史の集大成である「最終型」は、生産終了から時間が経った現在でも、その完成度の高さから多くのファンに愛されています。
憧れだった一台が中古市場で現実的な価格になり、購入を検討している方も多いのではないでしょうか。
しかし、いざ購入しようと考えると「高級車だけに維持費はどれくらいかかるのか」「古い年式だと故障しやすいのではないか」など、不安も尽きないはずです。
本記事では、クラウンマジェスタ最終型がなぜ今でも評価され続けているのか、その理由を深掘りします。
また、前期・中期モデルと後期モデル(最終型)にある決定的な違いや、どの年式を狙うべきかについても徹底解説。
憧れの名車をリスクを抑えて手に入れるために、価格相場や維持費の目安、注意点まで網羅しました。
後悔しないために、プロの視点で賢く選ぶための完全ガイドをお届けします。
※本記事は私たちのプロとしての知識とトヨタ自動車の公式データーに基づき作成しています。
(参考)トヨタ自動車公式企業サイト | クラウンマジェスタ
記事ポイント
- 前期・中期・後期の決定的な違いと現代でも通用する安全装備を備えた狙い目の年式
- 新車時の約4分の1まで下落した中古車価格の相場動向と今が絶好の買い時である理由
- 購入前に知っておくべきハイブリッドシステムの故障リスクやリアルな年間維持費の目安
- 失敗しないためにトヨタ認定中古車や保証付き車両を活用した賢い中古車の選び方
▼聴くブログ記事(本ブログ記事)はこちらより
憧れの「クラウンマジェスタ最終型」を中古で賢く選ぶための基礎知識と維持費

- クラウンマジェスタの「最終型」とはどの年式を指すのか
- 前期・中期モデルと最終型の決定的な違い
- なぜ今でも「最終型マジェスタ」が評価されているのか
- 現代基準でも古さを感じにくいポイント
- 最終型に標準・オプション設定された主な安全装備
- 本革シートや後席装備の快適性はどのレベルか
- 最終型で特に人気が高いグレードはどれか
- ハイブリッドとガソリンモデルはどちらを選ぶべきか
- 4WD(i-Four)は本当に必要なのか
- 最終型クラウンマジェスタの中古車価格帯の目安
- 年式・走行距離によって価格が大きく変わる理由
- 相場より極端に安い個体に注意すべき理由
- クラウンマジェスタ最終型の年間維持費の目安
- 自動車税・重量税はいくらかかるのか
- 実燃費はカタログ値とどれくらい違うのか
クラウンマジェスタの「最終型」とはどの年式を指すのか

中古車市場や愛好家の間で呼ばれる「最終型」とは、2013年9月から2018年6月まで販売された6代目モデル(S210系)を指します。
1991年の初代登場以来、トヨタのフラッグシップセダンとして君臨してきたマジェスタですが、この6代目をもって約30年の歴史に幕を下ろしました。
そのため、この世代全体が「最終型」と定義されます。ただし、中古車市場ではより細かく、仕様の違いによって「前期」「中期」「後期」と呼び分けられることが一般的です。
- 販売期間:2013年9月9日 〜 2018年6月(約4年9ヶ月)
- 型式:GWS214(2WD)、AWS215(4WD)
新車時は700万円を超えるプライスタグが付けられていたこの名車も、現在は中古車市場での価格調整が進み、現実的な選択肢として射程圏内に入ってきています。
前期・中期モデルと最終型の決定的な違い

6代目マジェスタは販売期間中に数回の改良が行われており、特に安全装備の面で大きな違いがあります。
中古車選びにおいて、年式による仕様の違いを理解することは、購入後の満足度を左右する最も重要なポイントです。
前期・中期・後期の販売期間と特徴
大きく分けて以下の3つの時期に分類されます。外観上の違いは微細ですが、搭載されるシステムには明確な差があります。
| 区分 | 販売期間 | 主な特徴と進化点 |
|---|---|---|
| 前期型 | 2013年9月 〜 2015年9月 |
基本モデル V8エンジンを廃止し、3.5L V6ハイブリッドへ刷新。クラウンシリーズへの回帰をコンセプトに、高い環境性能と動力性能(システム出力343ps)を両立。 |
| 中期型 | 2015年10月 〜 2016年7月 |
通信機能の強化 「ITS Connect」を世界初採用(メーカーオプション)。路車間・車車間通信により、見通しの悪い交差点などでの安全支援機能を追加。ボディ剛性の強化も図られた。 |
| 後期型 | 2016年8月 〜 2018年6月 |
安全装備の完成形 衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P」を全車標準装備。現代の安全基準に適合する「真の最終型」として最も人気が高い。 |
後期型(2016年8月〜)の決定的な進化点
これから中古車を購入するのであれば、最も推奨されるのが2016年8月以降の「後期型」です。決定的な違いは、現代の車選びで必須とも言える高度な安全装備が標準化された点にあります。
- Toyota Safety Sense P(TSS-P)の標準装備:前期・中期までのミリ波レーダー方式から、「ミリ波レーダー+単眼カメラ」の方式へ進化。これにより歩行者検知が可能となり、安全性能が飛躍的に向上しました。
- セルフリストアリングコートの採用:洗車傷などの小さなすり傷を、自己修復するクリア塗装をボディに採用。経年による塗装劣化を防ぎ、新車時の光沢を長く維持する機能が追加されています。
なぜ今でも「最終型マジェスタ」が評価されているのか

生産終了から7年以上が経過してもなお、最終型マジェスタが指名買いされるのには明確な理由があります。「最後のマジェスタ」という希少性だけでなく、車としての完成度が極めて高い点が評価されています。
- 30年の歴史の集大成としての静粛性:歴代マジェスタが追求してきた「圧倒的な静粛性」は6代目で頂点に達しています。防振サブフレームや吸音材の最適配置により、通常のクラウンとは一線を画す静寂な移動空間を実現しています。
- V8並みのパワーとハイブリッドの経済性:3.5L V6エンジン+モーターのシステム出力は343馬力を誇り、かつてのV8エンジン同等の加速力を持ちながら、JC08モード燃費18.2km/Lという低燃費を実現。走りの余裕と維持費の安さを両立したパッケージングは、現代でも十分に通用します。
- 「マジェスタ」ブランドの希少性:現行クラウンには設定のない「マジェスタ」という名称は、依然として特別な響きを持ちます。伝統的な高級セダンの風格を求める層にとって、代わりの効かない存在となっています。
現代基準でも古さを感じにくいポイント

「発売から10年以上前の設計だと古臭いのではないか?」という懸念を持つ方もいるかもしれませんが、最終型マジェスタは現代基準で見ても古さを感じにくい要素を多く備えています。
- 普遍的な王道セダンスタイル:奇をてらわない堂々とした3ボックススタイルは、流行に左右されない品格があります。特にフロントグリルの縦桟デザインはマジェスタの伝統を受け継いでおり、現行車の複雑なデザインとは異なる「落ち着いた高級感」を放っています。
- 歴代随一の内装質感:コストダウンが目立つ近年の新型車と比較しても、最終型マジェスタの内装は非常に贅沢に作られています。本革シート(Fバージョン)の質感や木目調パネルの仕上げ、ソフトパッドの多用など、手に触れる部分の質感が非常に高く、乗るたびに所有満足度を満たしてくれます。
- 実用十分な先進装備(後期型):後期型であれば、全車速追従機能付きのクルーズコントロールやオートマチックハイビームなど、現在の新型車と比較しても遜色のない運転支援機能が備わっています。
最終型に標準・オプション設定された主な安全装備

最終型マジェスタは、発売当時におけるトヨタの最新技術が惜しみなく投入されていました。特に後期型で標準化された装備は、現在でも一線級の性能を持っています。
Toyota Safety Sense P(後期型)の機能詳細
2016年8月以降のモデルに標準装備された「Toyota Safety Sense P(TSS-P)」は、以下の4つの主要機能で構成されています。
- プリクラッシュセーフティ(歩行者検知機能付):ミリ波レーダーと単眼カメラを併用し、車両だけでなく歩行者も検知可能です。衝突の危険がある場合、警報、ブレーキアシスト、自動ブレーキの順で作動し、衝突回避や被害軽減をサポートします。
- レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付):先行車の車速に合わせて0km/h〜約100km/hの範囲で追従走行を行います。高速道路での渋滞時などにドライバーの負担を大幅に軽減する機能で、ロングドライブの快適性を劇的に高めます。
- レーンディパーチャーアラート(LDA):ウインカー操作なしで車線を逸脱しそうになると、警報ブザーとディスプレイ表示で注意を促します。さらにステアリング制御機能により、車線内を走行しやすいように操舵支援も行います。
- オートマチックハイビーム(AHB):対向車や先行車のライトを検知し、ハイビームとロービームを自動で切り替えます。夜間の視界確保と、切り替え操作の手間を省く実用的な機能です。
※詳しい検知の仕組みや作動条件については、トヨタ公式の安全技術解説もあわせて参照してください。
(参考)トヨタ クラウン | 安全性能 | トヨタ自動車WEBサイト
これらの装備は、家族を乗せる機会が多い方や、長距離移動を快適に行いたい方にとって、中古車選びの際の必須条件と言えるでしょう。
前期・中期モデルの安全装備と注意点
予算を抑えるために前期型(2013年9月〜)や中期型(2015年10月〜)を検討する場合、安全装備のスペック差を正しく理解しておく必要があります。
これらに搭載されている「プリクラッシュセーフティシステム」はミリ波レーダー単独方式であり、以下の点で後期型(TSS-P)と大きく異なります。
- 歩行者の検知ができない:検知対象は車両のみです。
- クルーズコントロールの機能差:前期・中期のレーダークルーズコントロールは「ブレーキ制御付」ですが、後期型のような「全車速追従機能(停止保持まで含む)」とは制御の緻密さが異なります。
- ITS Connect(中期型のみ):2015年10月以降の中期型では、右折時の対向車検知などを支援する「ITS Connect」がメーカーオプション設定されましたが、装着車は限られます。
現代のレベルで見ると「最低限の予防安全」という位置付けになるため、コスト重視で選ぶ場合でも、この機能差を許容できるかどうかが判断の分かれ目となります。
本革シートや後席装備の快適性はどのレベルか

クラウンマジェスタが「クラウン」の枠を超えて評価される最大の理由、それはホイールベースをロイヤル/アスリート比で75mm延長し、その全てを後席空間に充てている点にあります。これにより、足を組んでゆったりと寛げるリムジンレベルの居住性を実現しています。
Fバージョンの至れり尽くせりな後席装備
最上級グレード「Fバージョン」の後席は、まさにVIPをもてなすための空間です。標準装備される機能は、現行の高級ミニバンや輸入車セダンと比較しても遜色がありません。
Fバージョンの本革シートの質感や、電動サンシェードなどの装備が実際に動く様子は、こちらの動画で詳しく確認できます。写真だけでは伝わらない「高級感」をご覧ください。
- 40/20/40分割電動リクライニング:背もたれを好みの角度に電動調整可能。
- 3席独立温度コントロール:運転席・助手席に加え、後席も独立してエアコン温度を設定できます。
- 後席シートヒーター:冬場の革シートの冷たさを解消し、素早く快適な温度へ導きます。
- 電動式リヤサンシェード:プライバシーの保護と日差しの遮断をボタン一つで行えます。
- 助手席側オットマン:足を伸ばしてリラックスできる、ショーファーカーならではの装備です。
ベースグレードとFバージョンのシート差異
中古車選びで悩ましいのが「ベースグレード」と「Fバージョン」の選択です。価格差は約62万円(新車時)ありましたが、装備には決定的な違いがあります。
| 装備 | Fバージョン | ベースグレード |
|---|---|---|
| シート素材 | プレミアム本革(プレミアム仕様) | 標準ファブリック(布) |
| 後席リクライニング | あり電動あり | なし固定式(なし) |
| シートヒーター | 標準前席・後席ともに標準 | 前席のみ前席のみ標準(後席なし) |
| 後席エアコン | 独立3席独立コントロール | 左右左右独立(後席個別なし) |
ベースグレードでも静粛性や広さは変わりませんが、「マジェスタらしい高級感」を享受するなら、本革シートと後席快適機能が揃ったFバージョンが圧倒的に満足度が高くなります。
最終型で特に人気が高いグレードはどれか

中古車市場で最も人気が高く、指名買いされるのは「Fバージョン」です。
新車時は高額でしたが、中古車となった現在はベースグレードとの価格差が縮まっており、「せっかくマジェスタに乗るなら全部入りの最高級グレードを」と考えるユーザーが多いためです。
また、2016年8月以降に設定された特別仕様車「J-FRONTIER(Jフロンティア)」は、専用本革シートやTSS-P標準装備などの希少性から、市場に出れば即成約となるほどの人気を誇ります。
ハイブリッドとガソリンモデルはどちらを選ぶべきか

6代目マジェスタは、全車ハイブリッド専用モデルとなりました。かつてのようなV8ガソリンモデルは存在しません。
したがって、選択肢は「ハイブリッドかガソリンか」ではなく、「V6ハイブリッド(2WD)」か「直4ハイブリッド(4WD)」かという二択になります。
2WDモデル(V6 3.5L)の圧倒的なパフォーマンス
マジェスタの本流と言えるのが2WDモデルです。レクサスGS450hと同等のV6 3.5Lハイブリッドシステムを搭載し、システム最高出力は343馬力を誇ります。
- 加速性能:先代のV8 4.6Lエンジンに匹敵する怒涛の加速力。
- 燃費性能:JC08モード18.2km/Lと、大排気量セダンとは思えない低燃費。
- 静粛性:V6ならではの滑らかな回転フィールは、高級車としての格を保っています。
「マジェスタに期待する走り」に応えてくれるのは、間違いなくこちらのモデルです。
4WDモデル(直4 2.5L)の特徴と割り切り
4WDモデル(Four)は、降雪地域ユーザー向けの実用仕様として設定されましたが、パワートレインは大きく異なります。搭載されるのは直列4気筒 2.5Lハイブリッドで、システム出力は約220馬力です。
- パワー:2WD比で約120馬力以上のダウンとなり、加速時の余裕は大きく劣ります。
- 静粛性:4気筒特有のエンジン音がキャビンに届きやすく、V6モデルほどの重厚感はありません。
- 燃料:レギュラーガソリン仕様(2WDはハイオク)という経済的なメリットはあります。
4WD(i-Four)は本当に必要なのか

結論から言えば、豪雪地帯や山間部に住んでいる方を除き、2WDモデルを強く推奨します。
4WDモデルを選ぶことで失うもの(V6エンジンの圧倒的なパワー、静粛性、マジェスタとしての特別感)が大きすぎるためです。
新車時は4WDの方が価格が高かったにもかかわらず、パワーは2.5Lクラウンと同等になってしまうという「逆転現象」が起きています。
都市部での使用や、年に数回のスキー程度であれば、2WDモデルにスタッドレスタイヤを履かせる運用の方が、マジェスタ本来の魅力を余すことなく堪能できるでしょう。
最終型クラウンマジェスタの中古車価格帯の目安

2026年1月現在、最終型マジェスタの中古車価格は底値圏にあり、絶好の買い時を迎えています。
- 平均価格帯:約170万円 〜 240万円
- 最低価格:約50万円前後(過走行・修復歴あり等)
- 最高価格:約350万円 〜 430万円(低走行・後期Fバージョン・Jフロンティア等)
▼最新の市場価格はこちらで確認できます。
新車時価格が約650万〜730万円だったことを考えると、現在は新車時の約1/4〜1/3の価格で購入可能です。
特に2022年の新型クラウン登場以降、相場の下落が進み、高級セダンとしては破格のコストパフォーマンスを実現しています。
年式・走行距離によって価格が大きく変わる理由

同じ最終型でも、価格には大きな開きがあります。その主な要因は以下の3点です。
- 「後期型(TSS-P)」のプレミア:2016年8月以降の後期型は、先進安全装備の価値が評価され、前期・中期型に比べて30万〜50万円ほど相場が高くなっています。
- 「10万km」の心理的ボーダー:日本の市場特有の傾向として、走行距離10万kmを超えると価格がガクンと下がります。8万km〜9万km台の個体と10万km超の個体では、実車の状態に大差がなくとも価格差が開くため、メンテナンス履歴のしっかりした10万km超え個体は狙い目となります。
- 特別仕様車の希少性:「J-FRONTIER」などの特別仕様車は流通量が極端に少なく、年式が経過しても高値を維持する傾向があります。これらは指名買いが多く、相場に左右されにくい資産価値を持っています。
相場より極端に安い個体に注意すべき理由

最終型クラウンマジェスタの平均中古価格帯は約170万円〜240万円ですが、中には100万円を大きく下回る個体や、相場より50万円以上安い車両が存在します。
「安く買えてラッキー」と飛びつきたくなりますが、高級車において「安さ」には必ずネガティブな理由があります。
購入後に数十万円単位の修理費が発生し、結果的に高い買い物になるリスクを避けるために、安さの裏側を知っておく必要があります。
修復歴・水没歴の隠れたリスク
相場より30万〜50万円安い場合、まず疑うべきは「修復歴(事故歴)」と「水没歴」です。
- 修復歴車の現実: フレーム(骨格)まで損傷し、修正機で引っ張ったり溶接したりして直した車です。見た目は綺麗でも、強度が落ちていたり、高速走行時に真っ直ぐ走らなかったりするリスクがあります。また、手放す際の査定額は大幅に下がります(「再販価値ゼロ」とみなされることもあります)。
- 水没車の恐怖: 近年増えているゲリラ豪雨や台風被害による水没車(冠水車)は、修復歴以上に危険です。水没車は見た目で判断しづらいですが、電装系やハイブリッドシステムが腐食し、ある日突然、走行不能になる時限爆弾のようなリスクを抱えています。
- 見分け方:車内にかび臭さや下水のような臭いがする、シートレールの金具に不自然な錆がある場合は要注意です。
メーター改ざんと機械的トラブルの可能性
走行距離をごまかす「メーター改ざん」や、重大な故障を隠して販売されているケースも、格安車には潜んでいます。
- メーター改ざん: 走行距離が少ないのに運転席のシートがボロボロだったり、ステアリングが極端に擦り切れていたりする場合は、実走行距離が改ざんされている可能性があります。
- ハイブリッドシステム異常の隠蔽: ハイブリッドバッテリーの警告灯が出ている車両のランプを一時的に消して販売する悪質なケースも稀に存在します。バッテリー交換には約30万円かかるため、その費用分を安く見せて販売しているのです。 必ず「点検整備記録簿」を確認し、メンテナンスの履歴が透明な車両を選ぶことが自衛策となります。
クラウンマジェスタ最終型の年間維持費の目安

「憧れのマジェスタを手に入れたはいいが、維持できずに手放した」とならないよう、リアルな維持費を把握しておきましょう。 駐車場代を除いた基本的な年間維持費は、約35万円〜55万円が目安となります。
【年間維持費の内訳シミュレーション】
(※2WDモデル、年間走行1万km、任意保険20等級の場合の概算)
| 項目 | 年間費用の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 自動車税 | 58,000円 | 2019/9以前登録の 3.5L車 |
| 重量税 | 10,000円 | 車検時2年分2万円を年換算 |
| 自賠責保険 | 約10,500円 | 車検時2年分を年換算 |
| 任意保険 | 約50,000円〜 | 年齢・等級・条件により大きく変動 |
| 燃料代 | 約101,000円 | ハイオク163円/L、実燃費16.2km/L換算 |
| 車検・メンテ積立 | 約100,000円 | 車検代、オイル、タイヤ等の消耗品費 |
| 合計 | 約333,500円〜 | ※故障修理費、駐車場代は別途 |
これに加え、突発的な故障(補機バッテリー交換など)に備えて、年間5万〜10万円程度の予備費を見ておくと安心です。
自動車税・重量税はいくらかかるのか

大排気量セダンであるマジェスタにとって、毎年の自動車税は無視できない出費です。また、長く乗る上で意識しなければならないのが「重課税(増税)」のタイミングです。
13年経過による重課税のタイミング
日本では、初度登録から13年を経過したガソリン車・ハイブリッド車に対して、自動車税が約15%、重量税が約39%増額される「重課税」制度があります。(出典:国土交通省 | 自動車重量税額について)
最終型マジェスタの発売は2013年9月。つまり、最も古い初期型(2013年式)は、2026年度から重課税の対象となり始めます。
- 自動車税(3.5L):58,000円 → 約66,700円
- 重量税(車検時):32,800円 → 約45,600円(2年分)
中古車を選ぶ際、2014年式以降のモデルを選べば、重課税の開始を1年以上遅らせることができます。長期保有を考えるなら、できるだけ年式の新しい後期型を選ぶことが節税にも繋がります。
2WD(3.5L)と4WD(2.5L)の税額差
搭載エンジンの排気量が異なるため、2WDと4WDでは毎年の自動車税に差が出ます。
| モデル | エンジン排気量 | 自動車税(年額) |
|---|---|---|
| 2WDモデル | 3.5L V6 | 58,000円 |
| 4WDモデル | 2.5L 直4 | 45,000円 |
4WDモデルの方が年間13,000円安くなります。 しかし、前述の通り4WDモデルはパワーが大幅に低く、中古車価格自体が高めに設定されていることが多いため、税金の差額だけで4WDを選ぶのはコストパフォーマンスの観点からはおすすめしません。
実燃費はカタログ値とどれくらい違うのか

最終型マジェスタの燃費性能は、V8エンジン時代とは比べ物にならないほど向上しています。
- カタログ燃費(JC08モード):18.2 〜 19.0 km/L
しかし、実燃費は走行環境によって異なります。オーナーの実績値や専門家の試乗データを総合すると、以下の数値が現実的なラインです。
- 街乗り・渋滞時:10.0 〜 12.0 km/L
- 郊外・高速道路:15.0 〜 17.0 km/L
- 平均実燃費:12.0 〜 13.0 km/L
「プリウスのようにリッター20km走る」わけではありませんが、343馬力のハイパワーセダンがリッター12km以上走るというのは驚異的です。
また、2WDモデルは「ハイオク(プレミアムガソリン)」仕様、4WDモデルは「レギュラーガソリン」仕様である点も、燃料費を計算する上で重要な違いとなります。
失敗しない「クラウンマジェスタ最終型」中古車購入の極意とリスク管理

- クラウンマジェスタで故障しやすいポイント
- エアサス車を選ぶ際に必ず確認すべき点
- 走行距離何kmまでなら安心して検討できるのか
- トヨタ認定中古車を選ぶメリットと注意点
- 専門店と一般中古車販売店の違い
- 保証付き車両を選ぶべき理由
- クラウンマジェスタ最終型が向いている人の特徴
- 逆におすすめできない人の条件
- 今が中古で買うタイミングとして適切か
クラウンマジェスタで故障しやすいポイント

トヨタ車は世界屈指の信頼性を誇りますが、精密機械である以上、経年劣化や故障は避けられません。特に注意すべきは「高額部品」の寿命です。
ハイブリッドシステム(バッテリー・インバーター)
最終型マジェスタの心臓部であり、最も注意が必要なのがハイブリッドシステムです。 駆動用ハイブリッドバッテリーの寿命は、一般的に「走行距離15万km〜20万km」もしくは「新車登録から10年〜15年」と言われています。
- 症状:燃費が急激に悪化する、ハイブリッドシステム警告灯が点灯する。
- 修理費用:新品交換で約30万円〜(工賃込)、リビルト品(再生品)でも約15万〜20万円。
また、電気を制御する「インバーター」が故障した場合も、30万〜50万円コースの高額修理となります。
メーター内に警告灯が出ていないか、試乗時に不自然なモーターの挙動がないかを確認することは必須です。
電装系トラブル(マルチディスプレイ・ナビ)
高級車ならではの装備である、大型の純正マルチディスプレイ(ナビ画面)やエアコン操作パネルも、経年劣化による故障報告があります。
- 症状:タッチパネルが反応しない、画面が映らない(ブラックアウト)、勝手に操作される(ゴーストタッチ)。
- リスク:純正ナビはエアコン操作なども統合されているため、故障すると快適装備が全滅します。新品交換には約27万円ほどかかるケースもあり、社外ナビへの交換も容易ではないため注意が必要です。
経年劣化によるゴム部品・ブッシュ類
走行距離に関わらず、年数経過によって劣化するのがゴム部品です。 特に足回りのブッシュ(緩衝材)や、ドア周りのウェザーストリップ、ドアガーニッシュの剥がれなどは、210系マジェスタでも散見される症状です。
- チェック点:段差を越えた際に足回りから「ゴトゴト」「ギシギシ」という異音がしないか。ドアモールのゴムが劣化してボロボロになっていないか。
エアサス車を選ぶ際に必ず確認すべき点

歴代マジェスタ(14系〜20系)の代名詞であり、同時に最大のウィークポイントでもあったのが「エアサスペンション(エアサス)」の故障でした。
エアバッグのパンクにより車高が下がり、修理に数十万円かかるという事例が多発していました。
しかし、最終型(210系)の最大のメリットは、実は「エアサスが廃止され、バネサス(電子制御サスペンション:AVS)に変更された」ことにあります。
これにより、エアサス特有の「エア漏れで走行不能」という致命的なリスクからは解放されました。
とはいえ、最終型に搭載されているAVS(ショックアブソーバーの硬さを自動調整する機能)も消耗品です。
エアサス車選びの知見を応用し、以下のポイントで足回りの健全性を確認しましょう。
駐車時の車高バランスと傾き
平坦な場所に停めた状態で、車体を前後左右から観察してください。 最終型はバネサスですが、ショックアブソーバーやスプリングのへたり、あるいは事故によるフレームの歪みがある場合、車高バランスが崩れます。
- 確認方法:タイヤとフェンダーの隙間に指を入れ、左右で指の本数に違いがないかチェックします。極端に片側だけ下がっている場合は、足回りやフレームに重大な問題を抱えている可能性があります。
試乗時の異音とダンピング不足の確認
可能であれば必ず試乗を行い、AVS(電子制御サスペンション)の状態を確認します。
- 異音:走行中に「コトコト」「ゴトゴト」と音がする場合は、ショックアブソーバーやスタビライザーリンクの寿命です。
- ダンピング不足:段差を越えた後に、車体がいつまでもフワフワと揺れ続ける(収まりが悪い)場合、ショックアブソーバーが抜けています。マジェスタ本来の「フラットで重厚な乗り心地」が失われている証拠です。
走行距離何kmまでなら安心して検討できるのか

「中古車は走行距離が少ない方がいい」のは真理ですが、価格とのバランスを考えると、狙い目のゾーンは分かれます。
5万km以下:高額だが最も安心なゾーン
- 安心度:★★★★★
- 特徴:新車に近いコンディションを維持しており、ハイブリッドバッテリーや足回りの劣化もほぼありません。
- 推奨:予算に余裕があり、長く大切に乗りたい方、トラブルのリスクを限りなくゼロにしたい方におすすめです。ただし、価格は250万円〜300万円オーバーと高額になります。
5万km〜8万km:コスパと状態のベストバランス
- 安心度:★★★★☆
- 特徴:価格がこなれてくるゾーンです。主要部品の寿命まではまだ余裕があり、内装の使用感も少ない個体が多いです。
- 推奨:最もコストパフォーマンスに優れています。購入後、消耗品(タイヤやブレーキパッドなど)の交換が必要になる場合がありますが、致命的な故障リスクは低めです。
10万km超:メンテナンス履歴が命綱
- 安心度:★★★☆☆(条件付き)
- 特徴:価格は大幅に安くなりますが、ハイブリッドバッテリーやオルタネーターなどの高額部品が交換時期を迎えます。
- 推奨:「ディーラーでの定期点検記録簿」が完備されていることが絶対条件です。 特に、「ハイブリッドバッテリー交換済み」の履歴がある個体であれば、逆に狙い目です。逆にメンテ履歴が不明な10万km超え個体は、購入直後に30万円以上の修理費がかかる「安物買いの銭失い」になるリスクが高いため、避けるのが無難です。
トヨタ認定中古車を選ぶメリットと注意点

中古車選びで「絶対に失敗したくない」と考えるなら、最も有力な選択肢となるのが「トヨタ認定中古車」です。
これはトヨタの正規ディーラーが扱う中古車ブランドで、一般的な中古車とは一線を画す品質基準が設けられています。
「3つの安心」まるごとクリーニング・車両検査・ロングラン保証
トヨタ認定中古車には、ユーザーの不安を払拭する「3つの安心」が標準付帯します。
- まるごとクリーニング: シートを外しての徹底洗浄やエンジンルームの清掃、消臭など、見えない部分まで徹底的にリフレッシュされています。中古車特有の生活臭や汚れが気になる方でも納得の清潔感です。
- 車両検査証明書: プロの検査員が車両状態を厳しくチェックし、傷や修復歴の有無を点数と図解で開示します。「修復歴なし」と口頭で言われるだけでなく、証明書として可視化されるため、透明性が極めて高いです。
- ロングラン保証:「1年間・走行距離無制限」の無料保証がつきます。エンジンやブレーキはもちろん、ハイブリッド機構(バッテリー含む)やエアコン、ナビなども対象です。全国約5,000ヶ所のトヨタ店で修理対応可能なため、遠出先でのトラブルも安心です。
(参考)トヨタ認定中古車の魅力
認定中古車のデメリット(価格・在庫の地域制限)
一方で、デメリットも存在します。
- 価格が高め:整備費用や保証料が含まれているため、同条件の一般中古車より10万〜30万円ほど高い傾向があります。
- 在庫の地域制限:原則として、近隣の都道府県にある在庫しか購入できません。「遠方の県にある理想の一台」を見つけても、商圏外のため断られるケースがあります(※店舗により取り寄せ可能な場合もあり)。
専門店と一般中古車販売店の違い

トヨタディーラー以外で購入する場合、「マジェスタ専門店」と「一般的な中古車販売店」のどちらを選ぶべきでしょうか。
専門店の強み(知識・在庫量)と高価格傾向
マジェスタや高級セダンを専門に扱う店舗の強みは、圧倒的な在庫量です。 「Fバージョン」と「ベースグレード」を実車で見比べたり、内装色の違いを確認したりと、比較検討が容易です。
スタッフも車種特有の弱点や装備に詳しいため、細かな質問にも即答してくれます。 ただし、専門店としての付加価値を乗せているため、価格設定はディーラー並みか、それ以上に強気な場合もあります。
一般店の強み(価格・交渉)と品質リスク
街の中古車屋さんや大手買取販売店などの一般店は、価格の安さが魅力です。 専門店に比べて回転率を重視するため、相場より安く設定されていたり、値引き交渉に応じてくれたりする柔軟性があります。
しかし、マジェスタ特有のハイブリッドシステムや装備に関する知識が乏しい場合があり、整備状況や保証内容も店舗によってピンキリです。「安く買えたが、アフターフォローが全くない」というリスクを考慮する必要があります。
保証付き車両を選ぶべき理由

最終型マジェスタの中古車購入において、「充実した保証」はオプションではなく必須条件と考えるべきです。
理由はシンプルで、「部品単価が高すぎるから」です。 例えば、購入3ヶ月後にハイブリッドバッテリーが寿命を迎えた場合、保証がなければ約30万円の実費負担となります。
インバーター故障なら40万円、AVSショックアブソーバーの交換なら十数万円です。 車両本体を安く買っても、修理費で一瞬にして「高い買い物」になってしまいます。
- トヨタ認定中古車:ロングラン保証(1年〜最長3年)
- 専門店・一般店:店舗独自の有償保証(※保証範囲に「HVバッテリー」や「電装品」が含まれているか必ず約款を確認してください)
目先の数万円を惜しまず、万が一の故障時に数十万円を守れる保険として、手厚い保証付きの車両を選びましょう。
クラウンマジェスタ最終型が向いている人の特徴

これまでの情報を踏まえると、最終型マジェスタは以下のような方に最適な一台です。
- 後席のゲストを大切にする人: 家族やVIPの送迎など、ショーファーカーとしての利用を想定しているなら、マジェスタの右に出る国産セダンはありません。
- 「賢い高級車選び」をしたい人: 新車時700万円級のクオリティを、軽自動車の新車並みの価格(200万円台)で手に入れたいと考える、コストパフォーマンス重視の方。
- V6エンジンの余裕と静寂を求める人: 4気筒エンジンの現行クラウンでは物足りないが、維持費のかかる輸入車には抵抗がある方。V6ハイブリッドはパワーと燃費のバランスが絶妙です。
- トヨタブランドの最高峰を味わいたい人: レクサスではなく、あえて「トヨタの王冠」を選ぶことに美学を感じる方。
逆におすすめできない人の条件

逆に、以下のようなニーズを持っている場合、購入後に後悔する可能性があります。
- かつての「V8・エアサス」の乗り味を期待する人: 最終型は良くも悪くも「近代化」されています。V8エンジンの鼓動や、エアサス特有の雲の上を走るような浮遊感は失われています。
- スポーツ走行や過度なカスタムを楽しみたい人: 車両重量が重く、ホイールベースも長いため、キビキビとしたスポーツ走行には不向きです。また、優雅に乗る車としての性格上、派手な改造は車の品格を損なう恐れがあります。
- 最新のデジタルガジェットを必須とする人: 純正ナビはスマホ連携(CarPlay等)に対応しておらず、地図更新も終了に向かっています。最新のコネクティッド機能を求める方には古さが目立ちます。
今が中古で買うタイミングとして適切か

結論として、2026年現在は「買い時」と言える絶好のタイミングです。
価格底値圏と流通量のバランス
2022年の新型クラウン(クロスオーバー等)登場による代替需要で市場にタマ数が増え、価格相場は一度大きく下落しました。
現在はその下落が落ち着き、底値圏で安定しています。 これ以上待っても大幅な値崩れは期待しにくく、むしろ程度の良い個体が減っていく一方です。
良質な「13年経過前」個体を選べるラストチャンス
維持費の項目で解説した通り、初期型(2013年式)は2026年から重課税の対象となり始めます。
今ならまだ、重課税対象になる前の高年式(2016年〜2018年式)の後期型を、豊富な選択肢の中から選ぶことができます。
流通量が豊富で、価格が手頃になり、かつ過度な経年劣化が進んでいない「美味しい期間」は、まさに今です。憧れだった最後のマジェスタを手に入れるなら、今動くのが最も賢明な選択と言えるでしょう。
総括:クラウンマジェスタ最終型を中古で買うなら今。色褪せない価値と賢い選び方
日本の高級セダン史に名を残すクラウンマジェスタ最終型。その完成度は生産終了から時を経た今も色褪せることはありません。
新車価格から大幅に下落し、中古車としてのコストパフォーマンスが最大化している現在こそ、憧れを手にする絶好の機会です。
しかし、ハイブリッドシステムなどの高度な機構を持つ高級車だからこそ、購入後のリスク管理と賢い選び方が満足度を左右します。
失敗しない購入のために押さえておくべき要点を箇条書きでまとめています。
- 最終型(S210系)は約30年の歴史を締めくくる集大成モデル
- 2016年8月以降の後期型はToyota Safety Sense Pを標準装備
- 前期・中期型は安全装備が古く歩行者検知機能がない点に注意
- 2WDモデルはV6ハイブリッド搭載でV8並みの343馬力を発揮
- 4WDモデルは直4 2.5Lとなりパワーダウンするため2WDが推奨
- 燃費は実用リッター12km前後と優秀だが2WDはハイオク仕様
- ホイールベース延長による後席空間はリムジン級の快適性を実現
- 一番人気グレードは装備充実のFバージョンや特別仕様車
- 中古車相場は底値圏の170万〜240万円で新車時の約1/4
- 年間維持費は35万〜55万円が目安だが駐車場代等は別途必要
- 2013年式から順次始まる13年経過車の重課税タイミングに注意
- 故障リスクが高いのはハイブリッドバッテリーとマルチ画面
- 最終型はエアサス廃止でバネサス化されたため致命的な故障は減少
- 高額修理を防ぐためトヨタ認定中古車などの保証付き車両が必須
- 流通量が豊富で良質な個体が選べる今は絶好の買い時
