「クラウン210系って、もう人気ないの?」 中古車の購入を検討していると、そんな噂を耳にして不安になるかもしれません。

しかし、結論から言えば、その噂は嘘です。実際の中古車市場に目を向ければ、210系クラウンは今もなお絶大な人気を維持しており、その本当の評価を知れば、きっとあなたもその魅力に気づくはずです。

では、なぜ「人気ない」などと言われてしまうのか?歴代クラウンの中でも「一番人気」と推す声すらある210系が、今も選ばれる3つの理由とは何なのか?

この記事では、そんな疑問にすべてお答えします。後悔しない中古車選びのために、知っておくべき真実を一つひとつ紐解いていきましょう。

記事ポイント

  • 「人気ない」という噂がなぜ立つのか、その真相と、実は中古車市場で価格が下がらないほどの本当の人気
  • 歴代クラウンの中での210系の特別な立ち位置や、今なお多くの人を惹きつける具体的な魅力
  • 購入前に知るべき弱点、長く乗るための寿命とメンテナンス、そして現実的な維持費や年収の目安
  • 後継の220系と比べてどちらが自分に合うか、後悔しないための最終的な購入判断ができる知

クラウン210系は人気ない?噂の真相と中古市場での本当の評価

クラウン210系は人気ない?噂の真相と中古市場での本当の評価
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  • クラウン210系が「人気ない」は嘘?噂の真相を徹底解剖
  • 歴代クラウンで一番人気なのは何系?210系の立ち位置と中古車市場での評価
  • 実は根強い人気!中古車市場で210系が今も選ばれる3つの理由
  • 今も色褪せない!クラウン210系の評価されるべき魅力とは
  • 【グレード別人気】スポーティーな「アスリート」とコスパの「ロイヤル」

クラウン210系が「人気ない」は嘘?噂の真相を徹底解剖

「人気がない」という言葉は、一体どこから来るのでしょうか。この噂には、主に3つの背景が関係しています。

「人気がない」噂が立つ3つの背景

なぜ、このようなイメージが生まれたのか?

セダン市場の縮小

SUVやミニバンが主流となり、セダン全体の人気が低下。この市場トレンドが「クラウン=人気がない」という印象に繋がっています。

かつての支持層の変化

カスタムを楽しむ若者層には中古価格が高く、手が届きにくい存在に。彼らの興味が他の車種へ移ったことも一因です。

後継モデルへの評価

後継モデルが伝統的なファンから100%支持されていないため、「ブランド全体の人気が落ちた」と見なされ、210系も同様に語られることがあります。

セダン市場全体の縮小

第一に、日本国内の自動車市場そのものの変化が挙げられます。ファミリー層を中心に、より広い室内空間と多用途性を持つSUVやミニバンが主流となり、セダン全体の需要が相対的に低下しました。

セダン市場全体の縮小
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この市場トレンドが、「セダンであるクラウン=人気がない」という短絡的なイメージにつながっているのです。これは210系固有の問題ではなく、セダンというカテゴリー全体の課題と言えます。

かつての支持層の変化

かつて、180系「ゼロクラウン」などは、カスタムを楽しむ若者層から絶大な支持を得ていました。しかし、210系は中古車となっても価格がなかなか下がらず、彼らにとっては「高嶺の花」となっています。

結果として、その層の興味は維持費の安いプリウスや、ローンを利用して新車で乗りやすいアルファードなどへ移行しました。特定の支持層から見えにくくなったことが、「人気が落ちた」と見える一因になっています。

後継モデルをめぐるファンの声

後継の220系、そしてセダンという形を大きく変えた現行クラウン(クロスオーバーなど)は、一部の伝統的なクラウンファンから100%の支持を得られているわけではありません。

こうした状況から「クラウンブランド全体の人気が落ちた」という論調が生まれ、その流れで完成度の高い210系まで一括りに「人気がない」と語られてしまうケースがあります。

歴代クラウンで一番人気なのは何系?210系の立ち位置と中古車市場での評価

歴代クラウンで一番人気なのは何系?210系の立ち位置と中古車市場での評価
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「歴代で一番人気のクラウンは?」という問いの答えは、世代によって異なります。革新的なデザインでクラウンのイメージを若返らせた180系「ゼロクラウン」を挙げる人もいれば、重厚な高級感に満ちていた昭和時代のモデル(130系など)を懐かしむ声もあります。

その中で、14代目にあたる210系クラウンは、「伝統的なFRセダンとしての、最後の完成形」として極めて高く評価されています。

スポーティな「アスリート」と、フォーマルな「ロイヤル」という二つの個性を明確に打ち出し、幅広い層の獲得に成功。

特に、日本の道路事情に最適な全幅1800mmというサイズ感を守りながら実現した内外装の質感は、後継の220系よりも高級感があるという声も少なくありません。

新しいTNGAプラットフォームを採用した220系の走行性能が優れているのは事実ですが、デザインの好みや伝統的な高級セダンとしてのパッケージングでは、210系を「至高」とするファンが非常に多いのです。中古車市場で価格が安定していることこそ、その不動の評価を物語っています。

実は根強い人気!中古車市場で210系が今も選ばれる3つの理由

実は根強い人気!中古車市場で210系が今も選ばれる3つの理由
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「人気がない」という噂とは裏腹に、210系クラウンは中古車市場で指名買いされるほどの人気モデルです。その人気の裏には、他のモデルでは得難い明確な理由が存在します。

210系クラウンが今も選ばれる
3つの確かな理由

他のモデルでは得られない、その本質的な魅力とは

デザインと希少価値

古さを感じさせない完成されたデザインと、現行モデルの路線変更によって生まれた「最後の純粋なFRセダン」としての希少価値が、中古車相場を力強く支えています。

「アスリート」の存在

スポーティな内外装と卓越した走行性能を持つ「アスリート」グレードが市場の人気を牽引。特に若い世代からの高い支持が、210系全体の価値を高めています。

信頼性とコスパ

トヨタのフラッグシップとしての「壊れにくい安心感」と、ハイブリッドモデルの経済性。高級車でありながら現実的な維持費で所有できる優れたコストパフォーマンスが魅力です。

理由1:色褪せないデザインと「最後のFRセダン」としての希少価値

210系が選ばれる最大の理由は、その完成されたデザインと希少性です。

  • 普遍的なセダンスタイル: スポーティでありながら品格を失わないエクステリアは、時間が経っても全く古さを感じさせません。特に後期型でさらに洗練された内外装は、まさに「クラウンの完成形」と呼ぶにふさわしい仕上がりです。
  • 高まる希少価値:クラウン210 現行クラウンがクロスオーバースタイルへ移行したことで、もう新車では手に入らないかもしれない「純粋なFRセダン」としての価値が再評価されています。この希少性が、中古車相場を力強く下支えしています。

理由2:市場を牽引する「アスリート」の存在感

210系の中古車人気を語る上で、スポーティグレード「アスリート」の存在は欠かせません。

  • 若者にも響くデザインと走り 稲妻をモチーフにした大胆なフロントグリルや、引き締められた足回りがもたらすFRならではの素直なハンドリングは、従来のファンだけでなく、走りを重視する若い層の心も掴みました。
  • 多様なニーズに応える選択肢 パワフルな3.5L V6エンジンから、経済性に優れる2.5Lハイブリッド、軽快な2.0Lターボ(後期型)まで、多様なパワートレインが用意されており、ユーザーは自身の価値観に最適な一台を選べます。

理由3:トヨタならではの信頼性と圧倒的なコストパフォーマンス

高級車でありながら、安心して長く乗れる現実的な魅力も、210系が選ばれる大きな理由です。

クラウンはトヨタの最上位の部類に入る高級車。簡単には壊れないし、
長く乗れる車ですよ。

  • 故障が少ないという安心感 トヨタのフラッグシップセダンとして、非常に高い品質と耐久性を誇ります。輸入車に比べて故障リスクが低く、万が一の際の修理費用も抑えられるため、中古車として購入する際の心理的なハードルが低いのが特徴です。
  • 優れたコストパフォーマンス 後継の220系と比較すると、同程度の状態の車両が数百万円安く手に入ることもあり、コストパフォーマンスは圧倒的です。新車では手の届かなかった高級セダンを、非常に現実的な価格で所有できる喜びは、何物にも代えがたい魅力と言えるでしょう。

今も色褪せない!クラウン210系の評価されるべき魅力とは

今も色褪せない!クラウン210系の評価されるべき魅力とは
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210系クラウンが多くの人々を惹きつける魅力は、単に「高級セダンだから」という理由だけではありません。クルマとしての本質的な価値が、その人気を支えています。

クルマとしての「本質的な価値」

210系クラウンが多くの人々を惹きつける魅力は、単に「高級セダンだから」という理由だけではありません。

卓越したデザイン

伝統を打ち破るアスリートの挑戦的な表情と、品格を保つロイヤルの落ち着き。多様なニーズに応えるデザイン戦略が多くの層に受け入れられました。

FRの運転の楽しさ

後輪で車体を押し出す感覚や、素直で思い通りに曲がるハンドリング性能。クルマを「操る」楽しさを味わえるFRレイアウトは大きな魅力です。

多彩なパワートレイン

パワフルなV6、経済的なハイブリッド、軽快なターボと、価値観に合わせて選べる多彩なエンジン。トヨタ品質の信頼性も中古車選びの安心材料です。

カスタムの奥深さ

ノーマルで乗るだけでなく、豊富なパーツで自分好みの一台に仕上げる楽しみも。欧州セダンに引けを取らない洗練されたスタイルを実現できます。

伝統と革新が融合した卓越したデザイン

「CROWN Re BORN」のキャッチコピーは伊達ではありません。210系は、王冠をモチーフにしたアスリートの衝撃的なフロントグリルで、クラウンの持つ伝統的なイメージを打ち破ることに成功しました。

一方で、ロイヤル系はクラウンらしい品格と落ち着きを保ち、一台のモデルの中で多様な価値観に応えています。この優れたデザイン戦略により、従来のファンから若い世代まで、幅広い層にその魅力が浸透しました。

FRレイアウトがもたらす素直な運転の楽しさ

FR(フロントエンジン・リアドライブ)レイアウトは、高級FRセダンならではの美点です。エンジンの回転フィールを楽しみながら、後輪が車体を押し出す感覚や、素直で思い通りに曲がるハンドリング性能は、運転そのものの楽しさを教えてくれます。

効率重視のFF(フロントエンジン・フロントドライブ)車が増えた現代において、この「運転の楽しさ」は、クルマ好きにとって代えがたい魅力となっています。

多彩なパワートレインと揺るぎない信頼性

210系は、オーナーの価値観に合わせて選べる多彩なパワートレインを揃えていました。

  • 滑らかでパワフルな走りが魅力の3.5L V6エンジン
  • 優れた燃費性能と静粛性を両立した2.5Lハイブリッド
  • 軽快な走りと税金面のメリットを両立した2.0Lターボ(後期型)

これらの優れたエンジンを搭載し、かつトヨタのフラッグシップとして「壊れにくい」という絶対的な信頼性があること。これも、中古車として210系を選ぶ大きな安心材料であり、評価されるべき魅力です。

【グレード別人気】スポーティーな「アスリート」とコスパの「ロイヤル」

【グレード別人気】スポーティーな「アスリート」とコスパの「ロイヤル」
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210系クラウンの購入を考え始めると、必ず「アスリート」と「ロイヤル」のどちらを選ぶべきかという選択に直面します。この2つのグレードは性格が明確に異なるため、ご自身の好みや価値観に合わせて選ぶことが重要です。

アスリート vs ロイヤル

あなたのスタイルに合うのはどっち?

アスリート

  • メッシュ状のフロントグリル
  • 引き締められた足回り
  • 若々しくスポーティな内外装
  • 市場での人気が非常に高い
こんな人におすすめ! 走りの楽しさとスポーティなデザインを重視する方。
VS

ロイヤル

  • 横基調の格子状グリル
  • 快適性を重視した乗り心地
  • 落ち着いた伝統的な高級感
  • 優れたコストパフォーマンス
こんな人におすすめ! 上質な乗り心地と、お買い得感を重視する方。

市場の主役、若々しさと走りの「アスリート」

中古車市場での人気は、間違いなく「アスリート」が牽引しています。

  • 特徴:メッシュ状のフロントグリル、引き締められた足回り、スポーティな内装。見た目の若々しさとキビキビとした走行性能が魅力です。
  • どんな人におすすめ?:スポーティな内外装を好み、運転を楽しみたい方。特に若い世代からの支持が厚いです。
  • 中古車市場での傾向:人気が非常に高いため、中古車価格は高値で安定しています。しかし、流通量が多いため、選択肢が豊富な点はメリットです。

快適性と価格のバランスに優れた「ロイヤル」

アスリートの影に隠れがちですが、「ロイヤル」は知る人ぞ知る、極めて賢い選択肢です。

  • 特徴:横基調の格子グリル、アスリートよりもしなやかで快適性を重視した乗り心地、落ち着いた高級感を演出する内装。
  • どんな人におすすめ?:クラウン伝統の上質な乗り心地と静粛性を求める方。できるだけコストを抑えて、程度の良いクラウンを手に入れたい方。
  • 中古車市場での傾向:人気がアスリートに集中するため、同程度の年式・走行距離でもロイヤルの方が数十万円安く手に入ることがあります。まさに「お買い得」な狙い目グレードです。

完成度がさらに向上!「210系アスリート後期型」の魅力と前期との違い

完成度がさらに向上!「210系アスリート後期型」の魅力と前期との違い
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210系の中でも、2015年10月以降の「後期型」は別格の人気を誇ります。その理由は、見た目の変更だけでなく、中身が大幅に進化しているからです。予算が許すなら後期型を選ぶ価値は十分にあります。

別格の存在「後期型」
その価値はどこにある?

2015年10月以降の後期型は、単なるマイナーチェンジではありません。クルマとしての完成度を飛躍的に高めた、3つの大きな進化があります。

より精悍なエクステリア

立体的なフロントグリルやシャープなヘッドライトで、より現代的で洗練されたデザインに。古さを感じさせないルックスを手に入れました。

飛躍的に向上した安全性

衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P」を標準装備。全車速追従クルーズコントロールなど、現代の車に不可欠な安全性能が加わりました。

2.0Lターボエンジンの追加

軽快な走りと自動車税のメリットを両立するダウンサイジングターボが新登場。新たな走りの選択肢が、より幅広いニーズに応えます。

後期型の主な進化ポイント

  • より精悍になったエクステリア: フロントグリルはより立体的で大胆なデザインに変更。ヘッドライトやテールランプの意匠も洗練され、古さを全く感じさせない現代的なルックスを手に入れました。
  • 先進安全装備「Toyota Safety Sense P」の搭載 :これが後期型を選ぶ最大の理由と言っても過言ではありません。歩行者検知機能付きの衝突回避支援ブレーキや、渋滞時にも役立つ全車速追従機能付きレーダークルーズコントロールが搭載され、安全性が飛躍的に向上しました。
  • 2.0Lターボエンジンの追加 :ダウンサイジングターボエンジンが新たに加わり、自動車税を抑えつつ軽快な走りを楽しめる選択肢が増えました。

前期型と後期型の違い(アスリートの例)

一目でわかる違いを表にまとめました。

項目 前期型 (2012年12月~2015年9月) 後期型 (2015年10月~2018年6月)
フロントデザイン 比較的シンプルなメッシュグリル より立体的でワイド感が強調されたグリル
安全装備 プリクラッシュセーフティ (オプション) Toyota Safety Sense P (標準装備 ※一部除く)
パワートレイン 2.5L/3.5L V6、2.5Lハイブリッド 上記に加え、2.0L直噴ターボを追加
テールランプ シンプルな丸型4灯デザイン メッキリングがあしらわれた質感の高いデザイン

結論として、最先端の安全装備とより完成されたデザインを求めるなら、価格差を払ってでも後期型を選ぶことを強くおすすめします。

一方で、コストを最優先し、210系ならではの走りや高級感を味わいたいのであれば、流通量が豊富で価格も手頃な前期型も十分に魅力的な選択肢です。

「クラウン210系は人気ない?」と迷う人へ|購入前に知るべき全情報

「クラウン210系は人気ない?」と迷う人へ|購入前に知るべき全情報

  • 購入前に要チェック!知っておくべき210系の弱点・不満点
  • 210系クラウンの寿命は?20万km超えも目指せる耐久性とメンテナンスのコツ
  • 210系クラウンの購入に必要な年収は?維持費を含めたリアルな金額を算出
  • なぜクラウンは”怖い”イメージ?「ヤンキー車」と言われる理由と210系の実情
  • 「クラウンに乗ってると絡まれる」は本当?オーナーが語る実態と対処法
  • 【徹底比較】210系 vs 220系クラウン、デザイン・走り・高級感で選ぶならどっち?

購入前に要チェック!知っておくべき210系の弱点・不満点

購入前に要チェック!知っておくべき210系の弱点・不満点
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どんな名車にも、特有の弱点や「ここはちょっと…」というポイントは存在します。210系クラウンも例外ではありません。購入後に後悔しないためにも、報告されている主な弱点や不満点を事前に確認しておきましょう。

購入前に知るべき弱点

後悔しないために、報告されている主な弱点や不満点を事前に確認しておきましょう。

機械・構造系

  • HVバッテリーの経年劣化
    交換費用が高額になる可能性あり。冷却ファンの詰まりにも注意。
  • エンジン・冷却系のトラブル
    ラジエターからの水漏れや、オルタネーター(発電機)の故障事例あり。
  • 足回りからの異音
    走行距離が伸びると、段差で「コトコト」音が出やすくなる。

電装・内装系

  • 高額になりがちな電装系修理
    マルチディスプレイやエアコンの故障は修理費がかさむ傾向。
  • 2画面ナビの操作性
    タッチパネル中心のため「運転中に操作しづらい」との声も。
  • 軽すぎると感じるステアリング
    特に高速道路での安定感に物足りなさを感じるという評価あり。

機械系・構造上の注意点

走行性能や安全性に関わる部分だからこそ、特に注意が必要です。

  • ハイブリッドシステムの経年劣化: 210系の人気を支えるハイブリッドですが、駆動用バッテリーは経年で劣化します。一般的に初度登録から8年〜10年、もしくは走行距離が伸びると交換時期を迎え、その費用は約30万円と高額になる可能性があります。また、バッテリーを冷やす冷却ファンのホコリ詰まりは故障の原因となるため、定期的なチェックが望ましいです。
  • エンジン・冷却系のトラブル :頑丈なエンジンですが、経年劣化によりラジエターからの水漏れや、発電を担うオルタネーターの故障が報告されています。これらは走行不能に直結する可能性があるため注意が必要です。
  • 足回りからの異音: 走行距離が10万kmを超えてくると、段差を乗り越える際に「コトコト」「ギシギシ」といった異音が発生しやすくなります。これはショックアブソーバーやブッシュ(緩衝材)の劣化が原因で、乗り心地の悪化につながります。

電装系と内装に関する不満点

日々の使い勝手に関わる部分にも、いくつか指摘されています。

  • 高額になりがちな電装系の修理 :ナビやエアコン操作を集約したマルチディスプレイの故障は、修理費用が高額になる傾向があります。また、エアコン本体の不具合も報告されており、夏場の快適性に直結する問題です。
  • 2画面ナビの操作性: 物理ボタンが少なくタッチパネル操作が中心の2画面ナビは、先進的に見える反面、「運転中に直感的な操作がしにくい」という声が多く聞かれます。これは慣れの問題もありますが、購入前に一度試してみることをお勧めします。
  • 軽すぎると感じるステアリング: 一部のユーザーからは「ステアリングが軽すぎて、高速道路での安定感に欠ける」という評価もあります。これも個人の好みが大きい部分なので、試乗でフィーリングを確かめるのが一番です。

これらの弱点はすべての車両で発生するわけではありませんが、中古車選びの際には、整備記録をしっかりと確認し、試乗を通じて異音や操作性を自分の感覚でチェックすることが極めて重要です。

210系クラウンの寿命は?20万km超えも目指せる耐久性とメンテナンスのコツ

210系クラウンの寿命は?20万km超えも目指せる耐久性とメンテナンスのコツ
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「210系クラウンは、どのくらい長く乗れるのか?」これは購入を検討する上で非常に重要なポイントです。結論から言うと、適切なメンテナンスを施せば、20万km、さらには30万kmを超えて乗り続けることも十分に可能なポテンシャルを持っています。

その耐久性の高さは、タクシーとして過酷な環境で使われていることからも証明されています。ただし、「何もしなくても大丈夫」というわけではありません。その寿命を最大限に引き出すには、いくつかのコツがあります。

20万km超えも夢じゃない!
寿命を延ばすメンテナンスのコツ

「何もしなくても大丈夫」ではありません。「適切なメンテナンス」で、クラウンの真価を引き出しましょう。

エンジンと補機類

  • 定期的なエンジンオイル交換を徹底する。
  • オルタネーター等は故障前の「予防交換」が理想。

ハイブリッドシステム

  • 駆動用バッテリーの寿命(20万km前後)を意識する。
  • 冷却フィルターの定期的な清掃を忘れずに。

足回りと消耗品

  • 10万km超えたら足回りの異音に注意。
  • プラグ等の消耗品も適切な時期に交換する。

20万km超えを目指すためのメンテナンスの要点

  • エンジンオイル管理の徹底: 車の心臓部であるエンジンの寿命を左右する最も重要な項目です。定期的なオイル交換を怠ると、エンジン内部に汚れが溜まり、性能低下や故障の原因となります。
  • 補機類の「予防交換」 :エンジン本体は頑丈でも、オルタネーター(発電機)やウォーターポンプといった周辺部品(補機類)は消耗品です。15万kmあたりを目安に、故障して走行不能になる前の「予防交換」を検討することが、長く安心して乗るための秘訣です。
  • ハイブリッドシステム特有のケア :前述の駆動用バッテリーに加え、その冷却フィルターの定期的な清掃も重要です。また、システム起動用の「補機バッテリー」も3〜5年で寿命を迎えるため、定期交換が必要です。

中古車選びで失敗しないためのチェックポイント

走行距離が多い車両を狙う場合は、価格だけでなく以下の点を慎重に見極めましょう。

  • 整備記録の有無:これまでのメンテナンス履歴がわかる記録簿は、その車の信頼性を測る最も重要な書類です。
  • 現車確認と試乗:エンジンからの異音や振動、マフラーからの白煙、電装系の動作などを自分の目と耳で直接確認することが不可欠です。

210系クラウンは基本性能が非常に高いため、過去の整備履歴を重視して良い個体を選び、購入後も愛情を持ってメンテナンスを続ければ、あなたの期待を裏切らない長い付き合いができるはずです。

210系クラウンの購入に必要な年収は?維持費を含めたリアルな金額を算出

憧れのクラウンを手に入れるために、どれくらいの年収があれば安心して所有できるのでしょうか。車両価格だけでなく、購入後の維持費まで含めてシミュレーションしてみましょう。

210系クラウンと、お金の話

安心して憧れのカーライフを送るための資金計画

購入に必要な年収の目安

500万円〜

車両価格の半分が無理のない年収の目安。総額250万円の車両なら、年収500万円程度あると安心です。

年間維持費の目安

約44万円

税金、保険、ガソリン代などを含めると月々約3.7万円。ハイブリッドモデルなら維持費は現実的です。

車両価格と購入の目安

2025年現在、210系クラウンの中古車価格は約150万円〜350万円が中心です。例えば、総額250万円の車両を頭金50万円、残りをローン(金利5%、5年払い)で購入した場合、月々の支払いは約37,000円となります。

一般的に、無理なく車を維持できる年収の目安は「車両価格の半分」と言われています。つまり、250万円のクラウンであれば、年収500万円程度が一つの目安になるでしょう。もちろん、これはあくまで目安であり、他の支出とのバランスが重要です。

年間維持費のシミュレーション

クラウンを所有すると、年間でどれくらいの維持費がかかるのでしょうか。ここでは人気の「アスリートS 2.5Lハイブリッド」を例に算出します。

費目 金額(年間) 備考
自動車税 45,000円 2,493cc
自動車重量税 16,400円 1年あたり(エコカー減税適用なしの場合)
自賠責保険料 10,005円 1年あたり
任意保険料 80,000円 年齢・等級・車両保険の有無で大きく変動
ガソリン代 114,285円 年間1万km走行、燃費14km/L、ガソリン代160円/Lで計算
駐車場代 120,000円 月1万円で計算(地域差大)
メンテナンス代 50,000円 オイル交換、タイヤ、その他消耗品など
合計 約435,690円
月額換算 約36,307円

このシミュレーションから、車両のローンとは別に、毎月3.5万円〜4万円程度の維持費がかかることがわかります。もちろん、駐車場代がかからない場合や、走行距離が短い場合はこれより安くなります。

結論として、210系クラウンは高級車ですが、ハイブリッドモデルを選べば燃費が良く、維持費は現実的な範囲に収まります。

ご自身の年収とライフプランに照らし合わせ、これらの具体的な数字を参考に、無理のないカーライフを計画してみてください。

なぜクラウンは”怖い”イメージ?「ヤンキー車」と言われる理由と210系の実情

なぜクラウンは"怖い"イメージ?「ヤンキー車」と言われる理由と210系の実情
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クラウンという言葉には、高級感と共に「怖い」「ヤンキー車」といった、少しネガティブなイメージが付きまとうことがあります。

このイメージのせいで購入をためらっている方もいるかもしれませんが、その背景と210系における実情を正しく理解すれば、その心配は無用であることがわかります。

「ヤンキー車」イメージが定着した歴史的背景

このイメージが生まれたのには、いくつかの理由があります。

  • 威厳のあるデザイン:クラウンが持つ押し出しの強いフロントマスクや重厚感のあるスタイルが、一部で「強さの象徴」として捉えられ、威圧感を求める層の価値観と合致した時代がありました。
  • 中古車としての手頃さ:新車では高嶺の花でも、型落ちしたモデル(特に180系ゼロクラウンなど)は中古市場で価格が下がり、「元・高級車」というステータスを手頃な価格で得られるため、カスタムを楽しむ若者層に広く普及しました。
  • 豊富なカスタムパーツ:ローダウン(シャコタン)やエアロパーツ、大径ホイールなど、派手なカスタムを施しやすい土壌があったことも、一部の目立つ車両が「ヤンキー車」というイメージを形作る一因となりました。

210系クラウンにおけるイメージの実情

それでは、210系クラウンも同じなのでしょうか?結論から言うと、そのイメージはほとんど当てはまりません。

最大の理由は「価格」です。 210系は中古車市場でも非常に人気が高く、価格が下がりにくいため、かつてのヤンキー層が手軽に購入するにはまだ高価です。

その結果、彼らの興味はより安価な中古車や、別の人気車種(アルファードなど)へと移っています。

現在の210系オーナーの多くは、その本質的な価値を理解している成熟したユーザーです。もちろん一部にカスタムされた車両は存在しますが、大多数はノーマルに近い状態で品良く乗られており、「ヤンキー車」というよりは「価値のわかる大人が選ぶ、賢い中古高級車」というのが210系のリアルな姿です。

「クラウンに乗ってると絡まれる」は本当?オーナーが語る実態と対処法

「クラウンに乗ってると絡まれる」は本当?オーナーが語る実態と対処法
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「ヤンキー車」というイメージと関連して、「クラウンに乗っていると、他の車から絡まれたり煽られたりするのでは?」という不安の声も聞かれます。これも、心配する必要はほとんどありません。

噂の真相:絡まれるのは「クルマ」が理由ではない

まず明確にしておきたいのは、「クラウンに乗っている」というだけで絡まれることは、まずないということです。トラブルの引き金になるのは、車の種類ではなく、いつの時代も「ドライバーの運転マナー」です。

ただし、クラウンが持つ威風堂々としたイメージから、「クラウンに乗って無謀な運転をする」と、他のドライバーの偏見をより強く刺激してしまう可能性は否定できません。問題の本質は、クルマではなく運転にあるのです。

無用なトラブルを避けるための運転の心構え

クラウンのオーナーとして、最もスマートで効果的な対処法はただ一つです。それは「クラウンにふさわしい、紳士的な運転を心がけること」です。

  • 常に平常心を保ち、車間距離を十分に保つ。
  • 無理な割り込みや追い越しはしない。
  • サンキューハザードなどで、周囲への感謝の意を示す。

その落ち着いた振る舞いが、結果として「クラウンはマナーの良いドライバーが乗るクルマだ」という好印象を周囲に与え、無用なトラブルを自ら遠ざける最善の策となります。車の品格は、オーナーの品格によって完成されるのです。

【徹底比較】210系 vs 220系クラウン、デザイン・走り・高級感で選ぶならどっち?

購入検討の最終段階で多くの方が迷うのが、後継モデルである「220系クラウン」との比較です。この2台は似て非なるコンセプトを持っており、どちらが良いかは個人の価値観によって大きく異なります。

比較項目 210系クラウン (14代目) 220系クラウン (15代目)
デザイン 伝統的・重厚感 威風堂々としたセダンの王道スタイル。アスリート/ロイヤルの個性も明確。 モダン・スポーティ 6ライトウィンドウを持つ流麗なクーペ風シルエット。若々しく挑戦的。
走行性能 完成されたFRセダンの走り 快適で滑らか。FRらしい素直なハンドリングで運転が楽しい。 TNGAによる異次元の走り ドイツ車のように剛性感が高く、意のままに操れる。走りの質は圧倒的。
内装・高級感 素材感・品質重視 木目調パネルなど、質実剛健で伝統的な高級感を演出。素材の良さを評価する声が多い。 先進性・デザイン重視 大型ディスプレイを中心としたモダンなデザイン。先進的だが、一部でプラスチッキーとの声も。
コスト 圧倒的に優れる 品質を考えると、非常にコストパフォーマンスが高い。 高価 年式が新しく性能も高いため、中古車価格は210系より大幅に高い。

結論:あなたに合うクラウンはこれだ!

  • 210系クラウンがおすすめな人
    • 「これぞクラウン」という伝統的なセダンスタイルが好き。
    • 内装の物理的な質感や、落ち着いた高級感を重視する。
    • 限られた予算の中で、最大限に満足度の高い高級車を手に入れたい。
  • 220系クラウンがおすすめな人
    • 欧州車のような、ダイレクトでスポーティな走行性能を最優先したい。
    • 最新のコネクティッド技術や先進安全装備に魅力を感じる。
    • モダンでスタイリッシュなデザインを好み、予算にも余裕がある。

どちらも素晴らしいクルマであることに間違いはありません。ご自身の価値観とライフスタイルに合う、最高のパートナーを見つけてください。

総括:「クラウン210系は人気ない?」への最終結論|今こそ“買い”と言える理由を総まとめ

「クラウン210系は人気ない?」という疑問から始まったこの記事も、いよいよ締めくくりです。

ここまで解説してきた通り、その噂は表面的なイメージに過ぎず、実際には完成度の高さと数々の魅力から、中古車市場で揺るぎない人気を誇るモデルであることがお分かりいただけたでしょう。

価格が下がりにくい現状こそが、その人気の何よりの証明です。最後に、210系クラウンの魅力と賢い選び方の要点をまとめました。

  • 「人気ない」という噂はセダン市場全体の縮小などが原因であり、210系自体の評価とは異なる
  • 210系は「伝統的なFRセダンとしての最後の完成形」として、中古車市場で高く評価されている
  • 色褪せないデザインと、新車ではもう買えないかもしれないという希少価値が人気を支える
  • スポーティな「アスリート」が市場の人気を牽引し、若者からも支持を集めている
  • トヨタならではの信頼性の高さと、中古車としての優れたコストパフォーマンスも大きな魅力
  • 「アスリート」は走りとデザイン、「ロイヤル」は快適性とコスパで選ぶのが基本
  • 予算が許せば、先進安全装備が充実した「後期型」が断然おすすめ
  • 弱点としてハイブリッドバッテリーの寿命や電装系の修理費が高額になる可能性を把握しておく
  • 適切なメンテナンスを行えば20万km以上も十分に目指せる高い耐久性を持つ
  • 維持費は年間約40万円~が目安、ご自身の年収やライフプランと照らし合わせて検討を
  • 「ヤンキー車」のイメージは価格の高さから210系には当てはまらず、心配は不要
  • トラブルを避けるには車のせいにするのではなく、クラウンにふさわしい紳士的な運転が最善策
  • 伝統的な高級感とコスパなら210系、最新の走行性能を求めるなら220系という明確な違いがある