「一生に一度は高級ミニバンを」。そう意気込んで検討を始めたものの、「アルファードとヴェルファイア、どっちが人気なのか?」という究極の選択で迷ってしまう方は少なくありません。
実は、2025年の最新データを見ると、兄弟車であるはずの両車の販売台数には決定的な差が生じています。(出典:一般社団法人 日本自動車販売協会連合会「乗用車ブランド通称名別順位」)
かつて人気が拮抗していた30系時代とは異なり、現行の40系になってから人気バランスが劇的に変わったのです。
なぜ、これほどまでにアルファードが多く売れるのか?
本記事では、その理由を徹底解剖。装備の違いからリセールバリュー、世間のイメージまでを比較し、後悔しないための選び方を解説します。
記事ポイント
- 2025年の最新データで判明した販売台数約2.5倍の差とアルファード一強の実態
- 40系で明確になった快適性のアルファードと走り重視のヴェルファイアの装備差
- 30系時代とは大きく変わった人気バランスとリセールバリューの最新動向
- 資産価値や世間のイメージまで比較したあなたに最適な一台を選ぶ判断基準
▼聴くブログ記事(本ブログ記事)はこちらより
【徹底比較】アルファードとヴェルファイアはどっちが人気?販売台数やリセールから見る決定的な差

- アルファードとヴェルファイアの最新販売台数の違い
- 40系と30系で変わった人気のバランス
- アルファードが多く売れる主な理由
- ヴェルファイアが選ばれる理由と強み
- デザインの方向性から比較する人気の差
- デザイン満足度で比較した選ばれ方の違い
- 40系で強化された装備の違いと人気の理由
- グレード構成と価格帯が人気に与える影響
- リセールバリューの高さで比較した場合の違い
- 中古車市場での流通量と価格差の実態
- 将来的な人気の変化予測と市場トレンド
アルファードとヴェルファイアの最新販売台数の違い

かつては人気を二分していた両車ですが、現行モデル(40系)においては明確な勝敗が決しています。まずは客観的な数字から、その実態を見ていきましょう。
ダブルスコア以上の差がついた2025年の実態
直近の日本自動車販売協会連合会(JADA)が公表している月次登録データを見ると、アルファードとヴェルファイアの販売差は常に「約2倍〜2.5倍」で推移しています。
アルファードは月6,000〜8,000台前後と高い水準で安定しているのに対し、ヴェルファイアは月2,000〜3,000台前後にとどまっています。
この比率は2023年の40系発売以降ほぼ一貫しており、「アルファードが2倍以上売れている」という状況が固定化しています。
【2025年 販売台数・人気比較】
| 車種名 | 販売規模 | 前年比トレンド | 市場での立ち位置 |
|---|---|---|---|
| アルファード | 月6,000〜8,000台前後 | 堅調に増加傾向 | ランキングTOP10常連・幅広い層に支持 |
| ヴェルファイア | 月2,000〜3,000台前後 | 横ばい傾向 | 指名買いされるニッチな高級車 |
この数字が意味するのは、「迷ったらアルファード」が世間の常識として定着しているという事実です。
累計販売台数と市場シェアの推移
2023年6月の現行モデル発売以来、累計販売台数においてもその差は歴然としています。
トヨタの生産比率自体が当初から「アルファード 7:ヴェルファイア 3」と設定されており、市場に供給される絶対数が異なります。
- アルファードシェア: 全体の約70%以上
- ヴェルファイアシェア: 全体の約30%未満
街中で「アルファードばかり見かける」と感じるのは錯覚ではなく、実際に市場シェアの7割強をアルファードが占めているためです。
この圧倒的な流通量は、後述する「リセールバリューの安定感」や「カスタムパーツの豊富さ」にも直結する重要な要素です。
40系と30系で変わった人気のバランス

なぜこれほどまでに差がついたのでしょうか? 時計の針を少し戻して、先代モデル(30系)時代と比較すると、トヨタの巧みな戦略が見えてきます。
拮抗していた30系時代と「一強」になった40系
実は、先代の30系が登場した2015年〜2016年頃は、ヴェルファイアの方が人気があった時期も存在します。
当時は「二段構えのヘッドライト」による先進的なデザインが若年層やカスタム層に受け、アルファードを上回る販売を記録することもありました。
しかし、2017年のマイナーチェンジ以降、アルファードがフロントデザインをより豪華で威厳のあるスタイルへ刷新したことで形勢が逆転。
さらに2020年のトヨタ全店舗での全車種取り扱い開始(チャネル統合)により、「どこでも買えるなら、知名度の高いアルファードを」という流れが決定的になりました。
現行の40系では、その流れが完全に固定化され、「アルファード一強」の時代へと突入しています。
【ワンポイントアドバイス】
「現場でもこの流れは顕著です。30系前期の頃はヴェルファイアの入庫が多かったですが、40系になってからは点検やオイル交換に来る新車の8割がアルファードという印象です。リセールを気にするお客様ほど、商談時に営業マンからアルファードを強く勧められているようですね。」
販売戦略とターゲット層の明確な分離
40系へのフルモデルチェンジにおいて、トヨタは意図的に両車のキャラクターを分けました。
- アルファード: 「真のラグジュアリー」= 王道、高級、快適
- ヴェルファイア: 「ドライバーズカー」= 個性、走り、アグレッシブ
以前のように「見た目の好みだけで選ぶ兄弟車」ではなく、「誰がハンドルを握るのか」「何を重視するのか」によって選ぶべき車が変わる設計になっています。
この戦略的なターゲット分離が、万人受けするアルファードへの人気集中を加速させました。
アルファードが多く売れる主な理由

販売台数で圧倒するアルファード。多くのファミリー層や企業がこの車を選ぶのには、明確な2つの理由があります。
「王道」としての安心感とブランド力
アルファードは今や、クラウンやレクサスと並ぶ「日本の高級車の代名詞」です。
- 資産価値の高さ: 「みんなが欲しがる」ため、数年乗っても値落ちしにくい(残価率が高い)。
- 多用途性: 家族旅行から企業のVIP送迎まで、どんなシーンに乗っていっても恥ずかしくない「格」がある。
「高い買い物だからこそ、失敗したくない」。そう考えるユーザーにとって、最もリスクが低く、所有欲を満たしてくれるのがアルファードという「王道」の選択なのです。
幅広いグレード設定が生む購入のしやすさ
もう一つの大きな理由は、「価格の入り口」が広いことです。
アルファードには、エントリー向けのグレード設定があり、車両本体価格は約500万円台前半からスタートします(2025年追加の「X」グレードなど)。
一方のヴェルファイアは、上級グレード中心の構成でスタート価格が約670万円から。
「予算は限られるが、憧れの高級ミニバンに乗りたい」というファミリー層にとって、約100万円以上安いエントリー価格から選べるアルファードは、非常に現実的で魅力的な選択肢となっています。
ヴェルファイアが選ばれる理由と強み

では、販売数で劣るヴェルファイアは魅力がないのでしょうか? 答えは「NO」です。むしろ、車好きのパパにとっては、ヴェルファイアこそが本命になり得ます。
ターボエンジン搭載による「走り」の差別化
40系ヴェルファイアの最大の武器は、アルファード(ガソリン車)には設定のない「2.4L ターボエンジン」を搭載している点です。
- アルファード: 自然吸気エンジンで、滑らかさ・静粛性重視。
- ヴェルファイア: ターボエンジンで、トルクフルな加速・爽快感重視。
さらに、ヴェルファイアには専用のサスペンションチューニングやボディ補強(フロントパフォーマンスブレース)が施されています。
「家族のためのミニバンだけど、運転する俺も楽しみたい」というお父さんの願いを叶えるのは、間違いなくヴェルファイアです。
▼ プロが検証!アルファードvsヴェルファイア 乗り心地と走りの決定的な違い
動画内でも、五味氏が「運転を楽しむならヴェルファイア(特にZ Premierのターボ)」と明確に評価しており、専用ダンパーによる走りの違いが詳しく解説されています。
希少性が生むオーナーの所有満足度
「街中でアルファードとすれ違うことはあっても、ヴェルファイアとは滅多にすれ違わない」。この希少性こそが、ヴェルファイアオーナーの密かな優越感です。
また、ヴェルファイアは最初から装備が充実した「Z Premier」以上のグレード展開であるため、「買った時点でフルスペックの高級車」というステータスがあります。
「人と同じ車は嫌だ」「こだわって選んだ車に乗りたい」。そう考える層にとって、販売台数の少なさはデメリットではなく、むしろ最大の付加価値となっているのです。
デザインの方向性から比較する人気の差

「見た目」は車選びの入り口であり、最大の決定打でもあります。40系では両車のデザインコンセプトがより明確に分かれました。
「重厚なラグジュアリー」対「アグレッシブな先進性」
- アルファード(重厚・王道):コンセプトは「Forceful x IMPACT LUXURY」。フロントグリルは、ヘッドライトと一体化したような階段形状のメッキ加飾が特徴です。まるで巨大な「盾」のようなデザインは、ひと目で高級車とわかる威厳を放ちます。リア周りも有機的で優雅なラインを描き、全体として「静の高級感」を演出しています。
- ヴェルファイア(アグレッシブ・先進):同じコンセプトながら、こちらは「ドライバーズカー」としての解釈です。漆黒メッキや水平基調のバーを多用し、鋭い眼光を放つ2段ヘッドライトが特徴。アルファードが「盾」なら、ヴェルファイアは「剣」のような鋭さがあり、「動の洗練さ」を強調しています。
万人に受けるデザインはどちらか
販売台数の差が示す通り、万人に受け入れられやすいのは「アルファード」です。
アルファードのデザインは、フォーマルな場にも馴染む「品格」があり、家族全員(特に奥様やお子様)からの賛同を得やすい傾向にあります。
一方、ヴェルファイアの「オラオラ感」や「スポーティさ」は、好みがはっきりと分かれます。「カッコいい!」と惚れ込む人がいる一方で、「少し威圧感が強すぎる」と敬遠されるケースもあり、これが販売数の差の一因となっています。
デザイン満足度で比較した選ばれ方の違い

購入者が「どこに満足して選んだか」という点でも、両車には違いがあります。
- アルファードを選ぶ人の満足点:「わかりやすいステータス性」です。「高級車といえばこれ」という認知度が圧倒的であるため、所有すること自体が自信や満足感に繋がります。また、内装色に明るい「ニュートラルベージュ」を選べる点も、車内を広く見せたいファミリー層の満足度を高めています。
- ヴェルファイアを選ぶ人の満足点:「被らない個性」と「最初から完成されたスタイル」です。純正状態でエアロパーツを装着したような迫力があるため、後からカスタムをする必要がないほどの完成度が評価されています。また、専用内装色「サンセットブラウン」の大人びた色気が、こだわり派の心を掴んでいます。
40系で強化された装備の違いと人気の理由

先代(30系)までは「見た目違いの双子」でしたが、現行(40系)は「中身も違う兄弟」へと進化しました。
ヴェルファイア専用の剛性パーツとサスペンション
「運転するパパ」にとって最大の注目点がここです。ヴェルファイアには、走りの質を高めるための専用補強パーツ(フロントパフォーマンスブレース)が標準装備されています。
これによりボディ剛性が高められ、さらにサスペンションも専用チューニングが施されています。ミニバン特有のふわふわした揺れを抑え、ステアリングを切った分だけ素直に曲がる「意のままの走り」を実現しています。
アルファードの快適性重視のセッティング
対するアルファードは、徹底して「快適性(乗り心地)」に振ったセッティングです。
(参考)新型「アルファード」「ヴェルファイア」を発売 – トヨタ自動車
ヴェルファイアが19インチタイヤで路面の情報を伝えるのに対し、アルファードは17〜18インチタイヤと柔軟な足回りで、路面の凹凸をいなすように走ります。
後席で眠る子供や、ゲストを乗せる機会が多い方には、このアルファードの優しい乗り味が圧倒的に支持されています。
グレード構成と価格帯が人気に与える影響

「いくらで買えるのか?」という現実的な問題も、人気の差を決定づけています。
表:エントリー価格と選べるグレードの比較表
以下は、主なグレードの価格帯と特徴の比較です(2025年現在)。
| 車種 | グレード構成 | 価格帯(目安) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| アルファード | X(NEW) | 約510万円~ | 8人乗り・布シートの実用派 |
| Z(一番人気) | 約540万円~ | 装備充実のベストバイ | |
| Exec. Lounge | 約850万円~ | VIP送迎・最上級仕様 | |
| ヴェルファイア | Z Premier | 約670万円~ | 最初からフル装備・本革 |
| Exec. Lounge | 約890万円~ | ターボかHVか選べる最上級 |
「Z」グレードへの一極集中とコスパの検証
表を見ると一目瞭然ですが、アルファードには500万円台から選べる「Z」および「X」グレードがあります。特に「Z」グレードは、合成皮革シートや充実した安全装備を備えながら、ヴェルファイアのスタート価格より約100万円以上安い設定です。
「見た目は高級車で、機能も十分。それでいて価格は抑えられている」。この圧倒的なコストパフォーマンスを持つ「Z」グレードの存在こそが、アルファード人気を不動のものにしている最大の要因です。
リセールバリューの高さで比較した場合の違い

家族を説得する最強の武器、「リセールバリュー(売却価格)」。両車とも優秀ですが、その性質は異なります。
驚異の残価率70%超え!安定のアルファード
アルファードのリセールは、まさに「鉄板」です。
流通量が多いため相場が安定しており、3年後の残価率が70%を超えることも珍しくありません。
「高く買っても高く売れる」ため、実質的な負担額はノアやヴォクシーと変わらないというケースさえあります。この「損をしない確実性」が、保守的なファミリー層に選ばれる理由です。
輸出需要で爆発する?投機的なヴェルファイア
ヴェルファイアのリセールは、「爆発力」があります。
特に「Z Premier(ガソリン/ターボ)」やハイブリッドの一部は、マレーシアやタイなどの輸出需要と希少性が噛み合った瞬間、新車価格を大きく超える(残価率100%超え)プレミア価格が付くことがあります。
ただし、輸出規制や為替の影響で相場が乱高下しやすいため、「ハイリスク・ハイリターン」な側面があることは否めません。
中古車市場での流通量と価格差の実態

中古車市場の在庫数は、新車販売比率と同様に「アルファード圧倒的多数」の状況です。 アルファードは流通量が豊富なため、希望のカラーやオプション装備(ムーンルーフ等)の組み合わせを見つけやすく、相場も安定しており「適正価格」で購入しやすい環境です。
対してヴェルファイアは市場に出回るタマ数が圧倒的に少なく、特にターボモデル(Z Premier)は希少価値から高値安定が続いています。 「自分好みの1台を探しやすいアルファード」か、「相場は高いが他人と被らないヴェルファイア」か。流通量の差は、車探しの難易度と価格に直結しています。
(参考)
- カーセンサー アルファードの相場がわかる中古車・相場表!
- カーセンサーヴェルファイアの相場がわかる中古車・相場表!
流通量の差が相場に与える影響
中古車市場では、新車販売の差がそのまま流通量に反映されています。アルファードは在庫が豊富で、色やグレードを選びやすい環境です。
一方、ヴェルファイアはタマ数が少なく、探している条件の車が見つかりにくい傾向にあります。
希少性が高いため、中古車相場(平均価格)はヴェルファイアの方が高めに推移しています。
「即出し」個体のプレミアム価格動向
2023年〜2024年にかけて騒がれた「転売・即出し」による異常な高騰は、2025年に入り落ち着きを見せています。
しかし、依然としてヴェルファイアの未走行車(特に輸出人気の高い仕様)に関しては、新車価格以上のプライスタグが付けられるケースが存在します。購入側としては割高ですが、売却側としては夢のある話です。
将来的な人気の変化予測と市場トレンド

最後に、これから購入する方が知っておくべき未来の話です。
2026年増産計画と納期短縮のシナリオ
2026年夏を目処に、トヨタは田原工場でのアルファード増産を計画しているとの報道があります。
これにより、長らく続いていた「納期未定・オーダーストップ」の状況が改善され、アルファードはより手に入りやすい車になると予測されます。
供給が増えれば、中古車相場のプレミアム価格は沈静化し、適正価格へと落ち着いていくでしょう。
一方で、ヴェルファイアの増産については限定的と見られており、「ヴェルファイア=希少な高級車」という立ち位置は今後も強化されていく可能性があります。
電動化(PHEV)と次期モデルへの展望
2025年に追加されたPHEV(プラグインハイブリッド)モデルは、1000万円超えの価格帯もあり、まだ普及期には入っていません。
しかし、環境規制の強化に伴い、次期モデルに向けて電動化の流れは加速します。
将来的なリセールを考える上では、海外輸出に強い「ガソリン車」の人気が根強いものの、国内利用メインであれば、静粛性を極めた電動モデルの価値も見直されていくでしょう。
後悔しない選び方は?アルファードとヴェルファイアどっちが人気かユーザー層や世間のイメージで検証

- 街中で見かける頻度の違いからわかる人気傾向
- 人気車は被りやすい問題が起きやすいのか
- 乗っているユーザー層の違いとイメージ比較
- 人気とイメージが「恥ずかしい・ヤンキー論争」に与える影響
- 室内空間や乗り心地の評価が人気に与える影響
- ファミリー層が選びやすいのはどっちか?
- 若い男性に人気なのはどちらか?
- アルファードが向いている人の特徴
- ヴェルファイアが向いている人の特徴
街中で見かける頻度の違いからわかる人気傾向

「人気がある」ということは、裏を返せば「ありふれている」ということでもあります。このバランスをどう捉えるかが、選び方の重要な分かれ道です。
「見ない日はない」アルファードの普及率
2025年現在、アルファードを見かけない日はありません。ショッピングモール、観光地、ホテルの車寄せ、どこに行っても必ずと言っていいほどその姿があります。 生産比率が「アルファード7:ヴェルファイア3」である以上、この傾向は必然です。
これを「みんなが選んでいる安心感(=正解)」と捉えるか、「量産型でつまらない」と捉えるか。 ファミリー層にとっては、「ママ友も乗っている」「近所のパパも乗っている」という状況は、浮くことがないため、精神的な安心材料になることが多いようです。
あえてヴェルファイアを選ぶ「被り回避」の心理
一方で、ヴェルファイアを選ぶオーナーの心理は明確です。「隣の家の車と被りたくない」のです。
「せっかく高いお金を出して高級車を買うのに、信号待ちで同じ車が前後に並ぶのは気まずい」。
そう感じる方にとって、遭遇率が低いヴェルファイアは、それだけで価値があります。 「あえて少数派を選ぶ」というスタンスは、こだわりを持つ男性の自尊心を強く満たしてくれます。
人気車は被りやすい問題が起きやすいのか

「被る」ことによる弊害は、単なる気分の問題だけではありません。実用面でのリスクも考慮しておく必要があります。
駐車場での視認性と盗難リスクへの対策
- 駐車場での迷子問題: 大型商業施設の駐車場では、「白いアルファード」が何台も並ぶ光景が珍しくありません。「自分の車がどこにあるかわからない」という笑い話のような状況が実際に起こります。ナンバープレートやホイールで自分の車を識別する必要があります。
- 盗難リスクの高さ: これが最も深刻な問題です。アルファードもヴェルファイアも、国内外での需要が高すぎるため、常に窃盗団のターゲット(特にCANインベーダー等の手口)になっています。(出典:第25回 自動車盗難事故実態調査結果)
「人気車を買う」ということは、同時に「強固なセキュリティ(IGLAやハンドルロック等)への投資が必須になる」という覚悟が必要です。
カスタムやボディカラーによる差別化戦略
「被り」を避けるために、ボディカラー選びも重要ですが、リセールを考えると「ホワイトパール」か「ブラック」の2択にならざるを得ないのが辛いところです。 そのため、多くのオーナーは以下のような「プチ差別化」で個性を出しています。
- モデリスタ等のエアロパーツ装着: 定番ですが、見た目の印象がガラリと変わります。
- ホイールの変更: 足元の印象を変えるだけで、量産型からの脱却が可能です。
- プレシャスカラーの選択: アルファードなら「プレシャスレオブロンド」、ヴェルファイアなら「プレシャスメタル」など、有償カラーを選ぶことで高級感と差別化を両立できます。
乗っているユーザー層の違いとイメージ比較

同じ車格でも、乗っている人の属性には明確な傾向の違いが見られます。
経営者・ファミリー層中心のアルファード
アルファードのユーザー層は非常に幅広いです。
- ビジネス層: 企業の社長、役員、VIP送迎(黒塗りのショーファーカーとして)
- ファミリー層: 子育て世代、3世代での移動が多い家族
「成功者の証」としてのステータス性と、「家族のための実用車」としての側面を併せ持っており、「社会的信用のある車」というイメージが定着しています。
40代〜50代の落ち着いた層がメインですが、残価設定ローンの普及により20代のオーナーも増えています。
個性派・若年層・車好き中心のヴェルファイア
対するヴェルファイアは、少し尖った層に支持されています。
- 車好き・ドライバー層: 走りにこだわりたい30代〜40代男性
- 個性派・若年層: 20代〜30代の独身貴族や、ヤングファミリー
「保守的なアルファードじゃ物足りない」「攻めたデザインが好き」という層が集まるため、オーナー自身のファッションやライフスタイルもアクティブな傾向にあります。
人気とイメージが「恥ずかしい・ヤンキー論争」に与える影響

ネット検索で「アルファード」と打つと、「恥ずかしい」「ヤンキー」「マナー悪い」といったネガティブな関連ワードが出ることがあります。購入を躊躇させるこの問題について、冷静に分析します。
「オラオラ顔」に対する世間の評価と変化
かつては、巨大なグリル=威圧的=ヤンキー車、というレッテルを貼られることがありました。 しかし、40系アルファードへのモデルチェンジで、デザインは「威圧感」から「品格・威厳」へとシフトしました。
高級ホテルのエントランスに似合うデザインへと昇華されたことで、「下品」という批判は過去のものになりつつあります。 今やアルファードは、政治家や大企業のトップが乗る車であり、「正当な高級車」としての市民権を完全に得ています。
マナーや運転スタイルが形成する車種のイメージ
それでもネガティブなイメージが消えない理由は、車そのものではなく、一部のオーナーの「運転マナー」にあります。
「大きな車体で車間を詰める」「強引な割り込みをする」。こういった一部の目立つ行動が、「アルファード乗りは怖い」というステレオタイプを強化しています。
これからオーナーになる方にとって重要なのは、「紳士的な運転こそが、この車の格を上げる」という意識です。
余裕のあるパワーと静粛性を持つ車だからこそ、譲り合いの精神でゆったりと走る。それができれば、「恥ずかしい」と言われることはなく、むしろ「スマートなパパ」として周囲から羨望の眼差しで見られるはずです。
室内空間や乗り心地の評価が人気に与える影響

「ミニバンの王様」と呼ばれる両車ですが、40系からは乗り心地の味付けが明確に異なります。
「後席で寝る家族」と「運転するパパ」、どちらの幸せを優先するかで選択が変わってきます。
【比較表】快適性重視か、走行性能重視か
両車の走行性能と乗り心地の違いを整理しました。
| 比較項目 | アルファード | ヴェルファイア |
|---|---|---|
| 開発コンセプト | 快適性重視(ショーファーカー) | 走行性能重視(ドライバーズカー) |
| タイヤサイズ | 17〜18インチ(扁平率高め) | 19インチ(扁平率低め) |
| サスペンション | 路面の衝撃をいなす柔軟な設定 | 踏ん張りが効く専用チューニング |
| ボディ剛性 | 標準仕様 | 補強ブレース標準装備 |
| 乗り味の特徴 | ふんわりとした高級ソファー | 路面を捉えるスポーティな安定感 |
| こんな人に最適 | ゆったり静かに移動したい派 | 車酔いしやすい・運転を楽しみたい派 |
後席VIP(家族)の評価が高いのはどっち?
純粋な「寝心地」で言えば、アルファードに軍配が上がります。
路面の継ぎ目を感じさせない滑らかな走りは、子供たちがすぐに夢の中へ落ちてしまうほどの快適さです。
一方で、意外な評価として「車酔いしやすい家族にはヴェルファイアが好評」というケースがあります。
アルファードのふんわりとした乗り味は快適な反面、揺れの収まりが遅いと感じることも。対してヴェルファイアは、ボディ剛性が高く「無駄な揺れ」がビシッと収まるため、三半規管が敏感な方にはかえって快適に感じられることがあります。
ファミリー層が選びやすいのはどっちか?

子育て世代のパパ・ママ目線で見た場合、やはり「アルファード」の方が懐が深いと言わざるを得ません。
奥様や子供受けが良いデザインと機能
アルファードのみで選択できる内装色「ニュートラルベージュ」は、車内を明るく広く見せる効果があり、奥様や子供たちからの評判が非常に良いです。
ヴェルファイアの内装は「ブラック」や「サンセットブラウン」といったダークトーンが中心で、カッコいい反面、閉塞感を感じるという意見もあります。
また、外観に関しても、アルファードの「品のある豪華さ」は、学校の送迎や冠婚葬祭などあらゆるシーンで嫌味がなく、奥様が運転する際も抵抗感が少ない傾向にあります。
8人乗り設定の有無と実用性の差
決定的な違いがここにあります。
アルファードの「X」グレードには、唯一「8人乗り(2列目ベンチシート)」の設定があります。
- おむつ替えが楽: 2列目がフラットになるため、世話がしやすい。
- 3世代移動が可能: いざという時に「あと1人」乗れる安心感。
ヴェルファイアは全車7人乗り(キャプテンシート)のみです。乳幼児がいる家庭や、実用性を最優先するファミリーにとって、この選択肢の有無はアルファードを選ぶ大きな理由になります。
若い男性に人気なのはどちらか?

一方で、20代〜30代の男性、特に独身やヤングファミリー層には、「ヴェルファイア」が熱烈に支持されています。
残クレを活用してでも乗りたい「ステータス性」
若い男性にとって、ヴェルファイア(特にZ Premier)は「成功の証」です。
車両価格は高いですが、残価設定ローン(残クレ)を利用すれば、月々の支払いは現実的な範囲に収まります。
「どうせ乗るなら、妥協したくない」「ターボエンジンの加速感を味わいたい」という上昇志向の強い男性にとって、ヴェルファイアは無理をしてでも手に入れる価値のある相棒です。
カスタムベースとしてのポテンシャル
「漆黒メッキ」や「スモークテール」など、純正状態で既にワルっぽいカッコよさがあるヴェルファイアは、カスタムカルチャーとの親和性が抜群です。
車高を落としたり、ホイールを変えたりした時の「決まり具合」は、アルファード以上の迫力があります。自分だけの一台を作り上げたいカスタム好きにとって、ヴェルファイアは最高のベース車両となります。
アルファードが向いている人の特徴

これまでの比較を総括して、アルファードを買うべきなのは以下のような方です。
- 資産価値(リセール)を最優先する堅実派:「3年後、5年後にいくらで売れるか」を重視するなら、流通量が圧倒的で相場が安定しているアルファード一択です。リセールバリュー自体が、次の車への乗り換え資金を保証してくれます。
- 家族のために最高の快適空間を用意したいパパ:「子供がぐっすり眠れるか」「妻が運転しやすいか」「おじいちゃんおばあちゃんも乗るか」。自分よりも家族の快適性を第一に考える優しいパパには、王道のアルファードが最適解です。
ヴェルファイアが向いている人の特徴

対して、ヴェルファイアを買うべきなのは以下のような方です。
- 運転席での楽しさを犠牲にしたくないドライバー:「ミニバンだからといって走りを諦めたくない」。2.4Lターボの加速感や、意のままに操れるハンドリングは、運転席に座るあなた自身を笑顔にしてくれます。
- 「人と同じ」を嫌うこだわり派のオーナー:駐車場で隣の車と被りたくない。すれ違うたびに「おっ、ヴェルファイアだ」と振り返られたい。そんな所有する喜びや特別感を重視する方にとって、ヴェルファイアの希少性は何物にも代えがたい価値となります。
【総括】アルファードとヴェルファイアどっちが人気?迷いを断ち切る最終結論
2025年の最新データに基づき、アルファードとヴェルファイアの決定的な違いを徹底検証してきました。
販売台数で圧倒するアルファードは「資産価値と家族の快適性」を約束する王道ですが、ヴェルファイアには「走りの楽しさと希少性」という代えがたい魅力があります。
後悔しない選択をするために、本記事で解説した重要な比較ポイントと結論となる要点を箇条書きでまとめています。
- 2025年の販売台数はアルファードがヴェルファイアの約2.5倍と圧倒的
- 市場シェアの7割をアルファードが占め「迷ったらアルファード」が定着
- アルファードは3年後の残価率70%超えも狙える安定した資産価値が魅力
- ヴェルファイアは輸出需要次第で新車価格超えのプレミア化も狙える
- 「王道の高級感」を求めるならアルファード、「個性的でアグレッシブ」ならヴェルファイア
- アルファードは17〜18インチタイヤで家族が喜ぶソフトな乗り心地を追求
- ヴェルファイアは専用ボディ補強と19インチタイヤで走る楽しさを実現
- 予算重視なら500万円台から選べるアルファードの「X」「Z」グレードが有利
- ヴェルファイアは最初からフル装備の「Z Premier」以上で高級路線を堅持
- 唯一の「8人乗り」設定があるアルファードは多人数家族や送迎に最適
- 2026年夏の増産計画によりアルファードの納期短縮と入手難易度の緩和が予測される
- 増産対象外のヴェルファイアは今後も希少性が高く「被りにくい」価値が続く
- 街中での遭遇率はアルファードが圧倒的に高くヴェルファイアは差別化しやすい
- ネガティブなイメージは過去のもので現在は両車とも「成功者の証」として定着
- 最終的には「家族の快適性(アルファード)」か「運転者の満足度(ヴェルファイア)」かで選ぶべき
- アルファード30後期SCパッケージ中古|モデリスタの相場と失敗しない選び方
- アルファードエグゼクティブラウンジ中古比較|30系40系の相場と選び方
- アルファードの残クレ|見分け方の噂は嘘?唯一の方法と中古選びの全知識
- アルファードの残クレは本当にやばい?理由と後悔しない対策を徹底解説
- アルファードの残クレ利用割合は?後悔しないための注意点と支払い方法の全知識
- 【2025年最新】アルファード中古の値下がりは続く?買い時と売り時を徹底解説
- 【徹底解説】新型アルファードは燃費悪すぎ?原因と誰でもできる改善対策を完全網羅
- アルファードXは恥ずかしい?→結論:コスパ最強の賢い選択です【徹底解説】
- アルファードとヴェルファイアどっちが上?40系の格付けとリセール徹底比較
