2018年に登場した15代目、クラウン220系。中古車市場でこの人気モデルを探す際、多くの人が直面するのが前期型と後期型の違いです。
「製造期間や年式で何が違うの?」「安全装備や内装はどれくらい進化したの?」といった疑問から、自分に合った選び方がわからず悩んでいませんか?
この記事では、220系クラウンの前期・後期モデルについて、共通の走行性能からリアルな価格相場までを徹底比較。
特に、最大の進化点ともいえるインテリアの機能性は、購入後の満足度を大きく左右する重要なポイントです。
後悔しない一台を見つけるための完全ガイドとして、ぜひ最後までご覧ください。
記事ポイント
- ナビや安全装備、内外装デザインにおける前期と後期の決定的な違い
- コスト重視なら前期、最新機能なら後期など、あなたの価値観に合った最適な選び方
- 人気の「RSアドバンス」をはじめ、複雑なグレードごとの特徴と序列
- 最新の中古車価格相場と、購入で後悔しないための具体的なチェックポイント
【徹底比較】クラウン220系 前期と後期の違いを完全解説
- そもそもクラウン220系の前期・後期とは?【製造期間と年式の違い】
- 【外装比較】一目でわかる前期・後期のデザイン上の相違点
- 走行性能は共通?乗り心地と安全装備の進化点をチェック
- 【内装比較】最大の進化点!後期型で大幅に向上したインテリアと機能性
そもそもクラウン220系の前期・後期とは?【製造期間と年式の違い】
220系クラウンは、2020年11月2日に行われたマイナーチェンジを境に、それ以前のモデルを「前期型」、以降のモデルを「後期型」と呼び分けます。
このマイナーチェンジは、内外装デザインの洗練はもちろん、ユーザーから要望の多かったナビゲーションシステムの刷新や、安全装備の大幅な機能向上など、商品力を大きく高めることを目的としていました。
220系クラウン 進化の軌跡
前期型 登場
2018.6 – 2020.10
TNGAプラットフォームによる走りの刷新と、上下2画面の「ダブルディスプレイ」が特徴。
後期型 へ進化
2020.11 – 2022.7
12.3インチ大型ナビへの刷新、安全装備の大幅な機能向上など、商品力を大きく高めた完成形。
- 前期型 販売期間: 2018年6月 ~ 2020年10月
- 後期型 販売期間: 2020年11月 ~ 2022年7月 (生産終了)
15代目クラウン(220系)の登場とコンセプト
2018年6月に登場した15代目・220系クラウンは、クラウンの長い歴史の中でも特に「変革」を強く意識したモデルです。開発テーマには「デザイン、走り、安全性能の進化」そして「コネクティッド」が掲げられました。
15代目クラウン 4つの変革
2018年6月、クラウンは新たな時代へ
デザインの進化
伝統を破る流麗なクーペスタイル
走りの進化
ニュルで鍛えた意のままの走り
安全性能の進化
第2世代Toyota Safety Senseを搭載
コネクティッド
初代コネクティッドカーとして登場
- 走行性能の抜本的改革: レクサスLSなどにも用いられるFR車用の新世代プラットフォーム「GA-L」をクラウンとして初採用。ドイツの過酷なサーキット「ニュルブルクリンク」で徹底的に走り込みを行い、従来のクラウンのイメージを覆す、意のままに操れるスポーティなハンドリング性能を実現しました。
- 初代コネクティッドカー: 車載通信機(DCM)を全車に標準搭載した、トヨタ初の「初代コネクティッドカー」としてデビュー。緊急時の通報やオペレーターサービスなど、クルマと社会がつながる新しい価値を提供しました。
- デザインの革新: 6枚のサイドウィンドウを持つ流麗な「6ライトウィンドウ」を採用し、セダンでありながらクーペのようなスポーティで美しいファストバックスタイルへと生まれ変わりました。
前期型の販売期間(2018年6月~2020年10月)とその特徴
約2年4ヶ月にわたって販売された前期型は、クラウンの新たな時代を切り拓いたモデルです。TNGAプラットフォームによる走りの刷新や、コネクティッドサービスの本格導入など、多くの新しい挑戦が盛り込まれました。
- インテリア: 内装の最大の特徴は、インパネ中央に配置された上下2画面の「ダブルディスプレイ」です。上段の8インチ画面にナビ、下段の7インチ画面にエアコンや車両設定を表示する先進的なデザインでした。
- シート: 人気のスポーティグレード「RSアドバンス」でも、標準シートはファブリックと合成皮革のコンビ仕様で、本革シートはオプション設定でした。
- 安全装備: 第2世代の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を全車に標準装備。昼間の自転車や夜間の歩行者を検知するプリクラッシュセーフティを備えていました。
後期型の販売期間(2020年11月~2022年7月)とその特徴
約1年8ヶ月間販売された後期型は、伝統的なセダンスタイルを持つ最後のクラウンであり、前期型の高い基本性能を受け継ぎながら、ユーザーの声を反映して内外装の質感や利便性、安全性能を大幅に向上させた「220系クラウンの完成形」ともいえるモデルです。
- インテリア: 前期型のダブルディスプレイが廃止され、視認性と操作性に優れた12.3インチの大型ワイドディスプレイに刷新。Apple CarPlayやAndroid Autoにも標準で対応し、利便性が飛躍的に向上しました。
- 質感の向上: 「RSアドバンス」で本革シートが標準装備になったほか、ステアリングのデザインが変更されるなど、内装の質感が引き上げられました。
- 安全性能の向上: 「Toyota Safety Sense」の機能が大幅に強化され、交差点での衝突回避支援や、ドライバーの異常時に車両を停車させるシステムなどが追加されました。
【早見表】年式で見る前期・後期の見分け方
中古車を探す際、最も確実な見分け方はインテリアのナビゲーションシステムです。しかし、まずは年式で大まかに判断するのも良いでしょう。ただし、「2020年式」には前期型と後期型が混在するため注意が必要です。
- 前期型: 2018年式、2019年式、2020年式(10月以前の登録)
- 後期型: 2020年式(11月以降の登録)、2021年式、2022年式
2020年式の車両を検討する場合は、車検証の「初度登録年月」を確認するか、以下の表で内外装の違いをチェックするのが確実です。
比較項目 | 前期型 (2018年6月~2020年10月) | 後期型 (2020年11月~2022年7月) | 見分け方のポイント |
---|---|---|---|
ナビシステム | 上下2画面の「ダブルディスプレイ」 | 12.3インチの大型ワイドディスプレイ | 最も確実な見分け方。後期は1枚の大きな画面に統合。 |
テールランプ | クリアレンズ、シルバーメッキ加飾 | スモークレンズ、スモークメッキ加飾 | 後期はレンズにスモークがかっており、引き締まった印象。 |
シート (RSアドバンス) | ファブリック+合成皮革が標準 | 本革シートが標準装備に | 後期は質感が向上。 |
安全装備 | 第2世代 Toyota Safety Sense | 機能が大幅に強化されたToyota Safety Sense | 外見では判断不可だが、後期は緊急時操舵支援などが追加。 |
【外装比較】一目でわかる前期・後期のデザイン上の相違点
220系クラウンは、2020年11月のマイナーチェンジでエクステリア(外装)にも細やかな変更が加えられました。基本的なシルエットは共通ですが、ディテールを比較すると、後期型はよりシャープで現代的な印象へと進化しているのがわかります。
中古車選びでデザインを重視する方のために、前期・後期の一目でわかる違いをパーツごとに詳しく解説します。
外装デザイン比較:前期 vs 後期
基本的なシルエットは共通ですが、ディテールを比較すると後期型はよりシャープで現代的な印象に。一目でわかる違いをパーツごとに解説します。
前期型
フロントフェイス
押し出し感のある、上品で力強いグリルデザイン。
リアデザイン
クリアレンズとシルバーメッキ加飾で、明るくクリーンな印象。
サイドビュー
ドア下部のサイドモールは落ち着いたブラック塗装。
後期型
フロントフェイス
より立体的でシャープなグリルと細長いヘッドライトで、モダンな表情に。
リアデザイン
スモーク調レンズとスモークメッキ加飾で、引き締まった高級感を演出。
サイドビュー
サイドモールが光沢のあるメッキモールに変更され、質感が向上。
フロントフェイス:グリルとヘッドライトで大きく印象が変わる
車の第一印象を決めるフロントフェイスは、後期型でより洗練されました。
- フロントグリル: 後期型ではフロントグリルのデザインが刷新され、より立体的でシャープな造形になりました。前期型のデザインも迫力がありましたが、後期型はさらにモダンで精悍な表情へと進化しています。
- ヘッドライト: ヘッドライトも後期型でデザインが変更され、前期型に比べて細長くシャープな形状になっています。この変更が、フロントフェイス全体をより引き締まった印象に見せています。
リアデザイン:テールランプの加飾で高級感を演出
リアビューで最も分かりやすい変更点は、テールランプの色の違いです。これは前期・後期を見分ける上で非常に重要なポイントとなります。
- 前期モデル: テールランプのレンズはクリアで、内部には明るいシルバーメッキの加飾が採用されています。
- 後期モデル: レンズにスモークがかった処理が施され、内部のメッキも落ち着いたスモークメッキ(ダークメッキ)に変更されました。
この変更により、後期型のリアビューはぐっと引き締まり、スタイリッシュで高級感のある雰囲気を演出しています。
サイドビューとアルミホイールのデザイン変更点
サイドビューや足回りにも、後期型ならではの変更点が見られます。
- サイドモール: ドア下部にあるサイドモールが、前期型のブラック塗装から後期型ではメッキモールに変更されました。これにより、サイドビューに一本の光るラインが加わり、高級感が増しています。
- アルミホイール: 後期型ではアルミホイールのデザインが刷新されました。特にスポーティグレードの「RS」では、前期と後期でデザインが大きく異なり、後期型はよりスポーティさが強調されたデザインとなっています。
ボディカラーのラインナップと人気のホワイトカラーの違い
後期型では、新たに3色のボディカラー(プレシャスホワイトパール、プレシャスメタル、エモーショナルレッドⅡ)が追加され、選択肢が広がりました。
特に、クラウンの定番人気色であるホワイト系のカラーは、前期型と後期型で採用されている色が異なります。
後期型で追加された3つの新色
後期型では新たに3色のボディカラーが採用され、選択肢がさらに豊かになりました。
プレシャスホワイトパール
前期より白さが際立ち、シャープでモダンな印象を与える人気のホワイト。
プレシャスメタル
金属の質感を表現した、陰影が美しいスタイリッシュなシルバー系カラー。
エモーショナルレッドⅡ
鮮やかさと深みを両立させた、見る角度で表情を変える情熱的なレッド。
- 前期モデルのホワイト: 「ホワイトパールクリスタルシャイン」(カラーコード:062)
- 温かみのある、ややクリーム色がかったパールホワイトです。
- 後期モデルのホワイト: 「プレシャスホワイトパール」(カラーコード:090)
- 前期の色に比べてより白さが際立つ、すっきりとシャープな印象のパールホワイトです。
この色の違いも、中古車市場で前期型と後期型を見分ける際の一つのポイントになります。
【動画で見る】前期・後期の外装デザイン徹底比較
YouTubeチャンネル「プラスパージャパン」様が、前期と後期の外装の違いを細部まで徹底比較しています。写真だけでは分かりにくいグリルの質感や、ライト周りのデザインの違いが映像でよく分かります。
走行性能は共通?乗り心地と安全装備の進化点をチェック
220系クラウンの前期型と後期型を比較する上で、「走りの基本は同じ、でも安全面では大きな差がある」という点が非常に重要です。
エンジンやプラットフォームといった走行性能の根幹部分は前期・後期で共通しており、どちらを選んでも質の高い走りを体感できます。しかし、日々の運転の安心感に直結する予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」は、後期型で飛躍的な進化を遂げました。
ここでは、その共通点と進化点を詳しく見ていきましょう。
パワートレインは共通!3つのエンジンタイプとその特徴
220系クラウンに搭載されるエンジンラインナップは、前期型・後期型で変更はありません。個性豊かな3種類のパワートレインから、ご自身の運転スタイルや価値観に合ったものを選ぶことができます。
パワートレイン | 特徴 | こんな人におすすめ |
---|---|---|
3.5L V6マルチステージハイブリッド システム最高出力: 359ps | V6エンジンとモーターによる圧倒的な加速力。10速の有段変速制御でダイレクトな走りを楽しめる。 | 高速道路での長距離移動が多く、パワフルで余裕のある走りを求める方。 |
2.5L 直列4気筒ハイブリッド システム最高出力: 226ps | 燃費性能(WLTCモード:20.0km/L)と動力性能のバランスに優れる。220系クラウンの販売の中心。 | 日常使いから遠出まで、経済性とスムーズな走りを両立させたい方。4WDも選択可能。 |
2.0L 直列4気筒ターボ 最高出力: 245ps | 低回転から力強いトルクを発生し、街中でもキビキビとした軽快な走りが魅力。(ハイオク仕様) | 街乗り中心で、アクセルレスポンスの良いスポーティな走りを楽しみたい方。 |
TNGAプラットフォームがもたらす高い基本性能と乗り心地
220系クラウンの走りの良さを語る上で欠かせないのが、トヨタの新世代車両設計思想「TNGA」に基づくFR車用プラットフォーム「GA-L」の採用です。これは前期・後期で共通であり、両モデルの高い基本性能を支えています。
走りの根幹を支える「GA-L」プラットフォーム
220系クラウンの走りの良さを語る上で欠かせないのが、トヨタの新世代車両設計思想「TNGA」に基づくFR車用プラットフォーム「GA-L」の採用です。これは前期・後期で共通であり、両モデルの高い基本性能を支えています。
低重心設計
パワートレインを低い位置に配置し、優れた操縦安定性を実現。
高剛性ボディ
ドライバーの操作に素直に反応する、一体感のある走りを提供。
ニュルブルクリンクでの開発
世界一過酷なサーキットで鍛え上げ、走行性能を徹底的に追求。
- 走行性能 :大幅な低重心化と高剛性化を実現したことで、ドライバーの操作に対するクルマの応答性が格段に向上。ドイツの過酷なサーキット「ニュルブルクリンク」で鍛え上げられたその走りは、従来のクラウンのイメージを覆すほどスポーティで、ステアリングを切った分だけ素直に曲がる一体感があります。
- 乗り心地 :走行性能を高めつつも、クラウン伝統の上質な乗り心地は失われていません。高剛性ボディが路面からの細かな振動をしなやかに吸収し、特に高速道路での安定性は抜群です。
- G系グレード: 快適性を重視した、穏やかで上質な乗り心地。
- RS系グレード: よりダイレクトでスポーティな乗り味。
このプラットフォームの恩恵により、基本的な乗り心地は前期型と後期型で大きく変わりません。
安全装備「Toyota Safety Sense」は後期型で大きく進化
走行性能は共通ですが、予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」は後期型で飛躍的な進化を遂げました。これは、前期型と後期型を選ぶ上で非常に重要な判断材料となります。
前期型の安全装備:前期型も、昼夜の歩行者や昼間の自転車を検知するプリクラッシュセーフティ、車線の中央を走るよう支援するレーントレーシングアシスト(LTA)などを備えた、第2世代の「Toyota Safety Sense」を標準装備しており、登場時点では非常に先進的でした。
後期型で追加・強化された主な安全機能 :後期型では、前期型の機能に加え、さらに高度な運転支援システムが搭載されています。
- ドライバー異常時対応システム: トヨタとして初採用された機能です。ドライバーの体調急変などで運転操作ができない状態が続いた場合、自動でハザードを点灯させながら車線内に車両を緩やかに停車させ、救命救急をサポートします。
- プリクラッシュセーフティの検知範囲拡大 :従来の機能に加え、事故が起こりやすい交差点での衝突回避支援機能が追加されました。
- 交差点を右折する際の、対向直進車
- 右左折する際の、前方から横断してくる歩行者
- 緊急時操舵回避支援 :歩行者などとぶつかりそうになった際、システムが「車線内に回避できるスペースがある」と判断した場合に、ドライバーのハンドル操作をアシストして衝突回避を支援します。
- レーダークルーズコントロールのカーブ速度抑制機能:これもトヨタ初採用の機能。レーダークルーズコントロール作動中に、AIが前方のカーブの大きさを予測し、カーブに入る手前で自動的に速度を抑制します。
これらの進化により、後期モデルは前期モデルに比べて格段に高い安全性能を備えています。特に、万が一の事態に対応する機能が追加されたことで、日々の運転における安心感が大きく向上しました。安全性能を最優先するならば、後期型が明確に優位な選択肢となります。
【動画で見る】前期・後期の走りはどう違う?プロの徹底比較レビュー
実際に前期と後期を乗り比べると、走りの感覚はどう違うのでしょうか。「プラスパージャパン」様が、乗り心地や走行性能の違いを詳しく解説しています。
【内装比較】最大の進化点!後期型で大幅に向上したインテリアと機能性
まずは、前期と後期で内装がどれほど違うのか、こちらの動画でご覧ください。「プラスパージャパン」様が、ナビ画面や質感、スイッチ類の使い勝手まで、新旧モデルを並べて分かりやすく解説しています。
220系クラウンの前期・後期選びで、最も重要な違いがこの「内装」です。走行性能は共通でも、運転中に常に触れて目にするインテリアは、日々の運転満足度に直結します。
ついに納車されました!
— Sさん (@Ssandayo00) February 10, 2025
220 CROWN 3.5 G-executive
後期のエグゼクティブでコガネ内装は珍しいんじゃないか!?
スカイラインと比べてなんかがっしりしてて凄い。
クラウン乗り方よろしくお願いします!
トヨタと日産の夢の2台持ち!#220クラウン#220系クラウン#コガネ#モデリスタ pic.twitter.com/7qcnjeW6XM
内装は前期、後期ともに高級車といった上品さと優雅さを兼ね備えていますよね。
特にナビゲーションシステムは、前期型と後期型で全くの別物と言えるほど大きな変更が加えられました。この違いを知ることが、あなたにとって最適な一台を見つけるための最大の鍵となるでしょう。
前期型の特徴「上下2画面ディスプレイ」のメリット・デメリット
2018年に登場した前期型の内装で最も象徴的な装備が、インパネ中央に配置された上下2画面の「ダブルディスプレイ」です。
このナビ画面。。
— まさるmasaruTV 車YouTuber 兼 建築家 関西 関東 MSR (@DD_dai_dai) October 6, 2024
同じ画面を上下に写す意味ってあるの?
操作する時もずっと同じ映像。。
220系クラウン前期です。 pic.twitter.com/MdI9abT6iw
上下にディスプレイ、他の車にはない風合いがあります。
- メリット:視線移動の低減と情報の分離 :このディスプレイは、運転中の視線移動を最小限に抑えるという安全思想に基づいて設計されました。上段にナビ、下段にエアコンと情報を分離して常時表示できるため、異なる情報を同時に把握しやすいという側面もありました。
- デメリット:操作の煩雑さと機能制限: 一方で、実際の使い勝手については厳しい評価が目立ちました。
- 直感的でない操作性: 多くの操作を下段のタッチパネルで行うため、揺れる車内での操作が難しく、特にエアコンの温度調整などが煩雑に感じられるという声が多くありました。
- 機能の制限: ユーザーの期待に反し、「上画面でテレビ、下画面でナビ」といった自由な組み合わせ表示ができないという制限もありました。
この先進的な試みは、結果として前期型のみの採用となり、後期型では全く新しいシステムへと刷新されることになります。
後期型の目玉「12.3インチ大型ワイドディスプレイ」の圧倒的な優位性
前期型の課題を解消し、220系クラウンの内装の価値を飛躍的に高めたのが、後期型に搭載された12.3インチの大型タッチワイドディスプレイです。これは、後期型を選ぶ最大の理由と言っても過言ではありません。
220系クラウン後期のナビ、個人的に好みです。 pic.twitter.com/dboW7RNneK
— ハッチョ (@orutaLOVE) March 31, 2025
内装も高級感ありますが、大きなディスプレイ。魅力的ですね。
- 視認性と操作性の飛躍的な向上: 12.3インチという一枚の大画面は、ナビの地図を格段に見やすくし、運転中の視認性を大きく向上させました。前期型では上下に分かれていた情報や操作系が一つに統合され、誰でも直感的に扱える、スマートでわかりやすい操作性を実現しています。
- スマートフォン連携による機能拡張: 現代のカーライフに不可欠なスマートフォンとの連携機能が大幅に強化されたことも、後期型の圧倒的な優位点です。
- Apple CarPlayとAndroid Autoに標準対応: 普段スマートフォンで利用している地図アプリや音楽サービスを、車載の大型ディスプレイ上で安全かつ快適に操作できます。これは前期型のナビにはない、決定的なアドバンテージです。
RSアドバンスは標準装備!本革シートと快適なシートベンチレーション
ナビに次いで大きな違いが、シートの仕様とそれに伴う快適装備です。特に人気のスポーティグレード「RSアドバンス」では、その差が顕著に現れます。
- 後期RSアドバンスは本革シートが標準に
- 後期モデル: 高級感と優れた肌触りの本革シートが標準装備となり、内装全体の質感が大幅に向上しました。
- 前期モデル: 標準はスエード調のファブリックと合成皮革のコンビシートで、本革はオプション設定でした。
- 夏場のドライブを快適にするシートベンチレーション :本革シートは高級感がある一方、夏場は熱がこもりやすいという弱点があります。その弱点を補い、夏場のドライブを劇的に快適にするのが「シートベンチレーション(シートクーラー)」です。
- 後期RSアドバンス: このシートベンチレーションが標準で装備されています。
- 前期RSアドバンス: オプションの本革シートを選択しない限り、この機能は装備されませんでした。
内装の質感や快適性を重視するユーザーにとって、この違いは非常に大きなポイントと言えるでしょう。
ステアリングやカップホルダーなど、細かなユーザビリティの向上点
後期型では、大きな変更点以外にも、ドライバーが日常的に触れる部分の使い勝手(ユーザビリティ)が細やかに改良されています。
- ステアリングホイールのデザイン変更:運転中に常に目に入るステアリングは、中央の王冠エンブレムが大型化され、スイッチ周辺の加飾が前期のブラック塗装からメッキに変更されました。これにより見た目の質感が向上し、日々の運転における満足度を高めています。
- カップホルダーの利便性向上: センターコンソールに配置されるカップホルダーの形状や仕切りの使いやすさが見直され、日常的な利用シーンでの満足度が高められています。
こうした細部にまで及ぶ改良が、後期モデルの全体的な完成度を一層高めています。
後期型だけのメーカーオプション「リアコンフォートパッケージ」とは
後席に乗る方の快適性を重視するなら、後期型にのみ設定されたメーカーオプション「リアコンフォートパッケージ」の有無が重要な選択基準となります。これは、クラウンのショーファードリブンカーとしての価値を高める装備です。
リアコンフォートパッケージ
後席に乗る方の快適性を重視するなら、後期型にのみ設定されたこのメーカーオプションの有無が重要な選択基準となります。クラウンのショーファードリブンカーとしての価値を高める特別な装備です。
- 主な装備内容
- リヤパワーシート(電動リクライニング機能付き)
- 後席シートヒーター
- 後席用コントロールパネル(エアコンやオーディオを操作可能)
- 電動式リヤサンシェード
- 後席用エアコン(独立温度調整)
- 設定グレード このパッケージは、「RS Advance」および「G」グレードでメーカーオプションとして選択可能でした(最上級グレード「G-Executive」には標準装備)。
前期モデルにはこのパッケージの設定自体がなかったため、後席に大切な方を乗せる機会が多いユーザーにとって、このオプションが装備された後期型は非常に魅力的な選択肢となります。
後悔しないクラウン220系の選び方|前期・後期の違いから見る最適解
- 【グレード別比較】RSアドバンスが人気?おすすめグレードとそれぞれの特徴
- 目的別・あなたはどっち?クラウン220系 前期・後期の選び方ガイド
- 中古車市場での価格相場と購入時に後悔しないための注意点
【グレード別比較】RSアドバンスが人気?おすすめグレードとそれぞれの特徴
220系クラウンは、従来の「ロイヤル」「アスリート」といった名称を廃止し、新たなグレード体系へと刷新されました。まずはその全体像を掴みましょう。
クラウン220系のグレード体系を整理(RS系/G系/S系)
220系クラウンのグレードは、大きく分けて3つの系統に分類できます。これは、ユーザーがクルマに何を求めるかに合わせて、明確なキャラクター分けがされているのが特徴です。
220系クラウン 3つのグレード系統
220系クラウンのグレードは、大きく分けて3つの系統に分類できます。これは、ユーザーがクルマに何を求めるかに合わせて、明確なキャラクター分けがされているのが特徴です。
RS系
走りを追求する
スポーティシリーズ
専用の内外装と引き締められた足回りで、意のままの走りを楽しみたいドライバー向け。
G系
快適性を極める
ラグジュアリーシリーズ
上質な乗り心地と高い静粛性、豪華な内装で、移動空間の質を最優先する方向け。
S系
すべてを両立する
スタンダードシリーズ
装備と価格のバランスに優れ、幅広いニーズに応えるクラウンの基準となるグレード。
- RS系(Renn Sport)
- コンセプト: 従来の「アスリート」の系譜を継ぐ、スポーティな走りとデザインを追求したシリーズ。
- 特徴: 専用の内外装デザイン、引き締められた足回りを持ち、運転そのものを楽しみたいユーザーに向けられています。
- G系(Grand)
- コンセプト: 従来の「ロイヤルサルーン」や「マジェスタ」の流れを汲む、快適性と高級感を最優先したシリーズ。
- 特徴: 上質な乗り心地、高い静粛性、豪華な内装を備え、移動空間の質を重視するユーザーに最適です。
- S系(Standard)
- コンセプト: クラウンの基本性能をしっかりと押さえた、装備と価格のバランスに優れた標準シリーズ。
- 特徴: 幅広いニーズに応える実用的な装備を備え、法人利用から個人ユーザーまで、多くの人にとっての「クラウンの基準」となるグレードです。
これら3つの系統の中に、さらに装備を充実させた上級仕様や、装備をシンプルにしたベース仕様が存在します。
スポーティな走りを追求する「RS」系グレード(RSアドバンス/RS/RS-B)
RS系は、専用のメッシュグリルや4本出しマフラー、専用エアロパーツなどを装備し、見た目も走りもスポーティに特化しています。
- RSアドバンス (RS Advance)
- 位置づけ: RS系の最上位グレードで、走行性能、快適装備、先進安全装備のすべてを高いレベルで両立した、まさに「全部盛り」の仕様。中古車市場でも圧倒的な人気を誇ります。
- 特徴: 路面状況に応じてサスペンションの硬さを最適化する「AVS」が備わり、スポーティなハンドリングとしなやかな乗り心地を両立。後期モデルでは本革シートやシートベンチレーションも標準装備となり、高級感も兼ね備えます。走りの楽しさと快適性の両方を妥協したくない方に最適です。
- RS
- 位置づけ: RSアドバンスから一部の豪華装備(AVSがオプションになるなど)を省き、価格を抑えた中間グレード。
- 特徴: 「S」グレードをベースにRS専用パーツを装備。基本的な走行性能やスポーティなデザインはそのままに、より手に届きやすい価格でRSの世界観を楽しめます。コストを抑えつつ、スポーティな走りやデザインを重視する方におすすめです。
- RS-B
- 位置づけ: RSシリーズのエントリーモデル。
- 特徴: 最もシンプルな「B」グレードをベースに、RS専用の外装パーツを追加した仕様。装備はシンプルですが、RSならではのスタイルは備えています。
上質な乗り心地と豪華さを求める「G」系グレード(G-Executive/G)
G系は、RS系とは対照的に、徹底して乗り心地の良さや静粛性、内装の豪華さを追求したシリーズです。
- G-Executive
- 位置づけ: 220系クラウンのフラッグシップで、従来の「マジェスタ」に相当する最上級グレード。
- 特徴: 後席の快適性を極めたショーファードリブン仕様。後席電動リクライニングシートや専用のコントロールパネルなどを備える「リヤコンフォートパッケージ」が標準装備。静粛性も極めて高く、後席に大切な人を乗せる機会が多い方や、移動中の静粛性・快適性を何よりも優先したい方に最適です。
- G
- 位置づけ: G系の中心となる、上質なラグジュアリーグレード。
- 特徴: RS系とは異なる落ち着いた内外装と、上質な乗り心地が魅力。静粛性に優れた設計で、長距離移動も快適そのものです。「G-Executive」ほどの後席装備は不要でも、クラウン伝統のフォーマルな高級感や快適な乗り心地を重視する方に選ばれています。
バランスの取れた量販グレード「S」系(S”Cパッケージ”/S)
S系は、クラウンとしての性能や品格を保ちつつ、装備と価格のバランスを最適化したシリーズです。
- S”Cパッケージ”
- 位置づけ: 「S」をベースに、ユーザーからの需要が高い快適装備や安全装備を追加した、コストパフォーマンスに優れた売れ筋グレード。
- 特徴: 運転席・助手席のシートヒーターや電動ランバーサポートなどが追加され、日常使いでの快適性が向上しています。中古車市場でも流通量が多く、非常に狙い目のグレードです。
- S
- 位置づけ: 標準仕様の中核をなすグレード。
- 特徴: クラウンとしての基本的な性能と品格は十分に備えています。装備を厳選することで価格を抑えており、「まずはクラウンを所有したい」というニーズに応えます。
目的別・あなたはどっち?クラウン220系 前期・後期の選び方ガイド
これまで見てきた内外装、走行性能、安全装備の違いを踏まえ、いよいよ最終結論です。あなたがクラウンに何を求めるかによって、最適なモデルは変わってきます。
ここでは3つの視点から、あなたにぴったりの一台を見つけるための選び方を提案します。
コストパフォーマンスを最優先するなら「前期型」
「できるだけ予算を抑えて、質の高い220系クラウンの走りを体験したい」 そう考えるあなたには、前期型(2018年6月~2020年10月)が最も賢明な選択肢です。
- 最大の魅力は手頃な中古車価格 :後期型と比較して中古車市場での価格がこなれており、同じ予算でもより状態の良い車両や、装備が充実した上位グレードを狙うことが可能です。選択肢が豊富な点も魅力の一つです。
- 妥協のない基本性能 :価格は手頃ですが、走りの根幹をなすTNGAプラットフォームやパワートレインは後期型と共通です。そのため、220系ならではの上質でスポーティな走りは前期型でも十分に堪能できます。安全装備も、登場時点では先進的だった第2世代の「Toyota Safety Sense」を備えており、基本的な性能に不足はありません。
【前期型を選ぶ上での留意点】 コストパフォーマンスに優れる一方、後期型と比較して見劣りする点もあります。特に、上下2画面のナビゲーションシステムの操作性や、後期型ほどの内装の質感(本革シートがオプションなど)は、購入前に許容できるかを確認しておきましょう。
前期型を選ぶ上での留意点
コストパフォーマンスに優れる一方、後期型と比較して見劣りする点もあります。購入前に以下の点を許容できるか、必ず確認しておきましょう。
ナビゲーションシステム
前期型の特徴である「上下2画面ディスプレイ」は、実際の使い勝手を確認することが重要です。
- 操作が直感的でないと感じる場合がある
- Apple CarPlay等には非対応
内装の質感と快適装備
後期型ほどの豪華さはありません。特に人気のRSアドバンスでは仕様が異なります。
- 本革シートはオプション設定
- シートクーラーもオプション
こんな人におすすめ
- とにかく予算を抑えたい方
- 走行性能を重視し、ナビや内装の細かな違いは気にしない方
- 「まず220系クラウンに乗ってみたい」と考えている方
最新の快適装備と先進安全性を求めるなら「後期型」
「価格差を払ってでも、より完成度の高い、最高の満足感が得られる一台が欲しい」 そう考えるあなたには、後期型(2020年11月~2022年7月)が明確におすすめです。
- 進化したインテリアとナビゲーション: 最大の魅力は、12.3インチの大型ワイドディスプレイです。視認性と操作性が格段に向上し、Apple CarPlayなどスマートフォンとの連携もスムーズ。また、「RSアドバンス」グレードでは本革シートと夏場に嬉しいシートベンチレーションが標準装備となり、日常の快適性が大きく向上します。
- 飛躍的に向上した安全性能: トヨタ初の「ドライバー異常時対応システム」や、交差点での衝突回避支援機能など、最新の安全装備が搭載されています。「もしも」の時の安心感を最優先するなら、後期型を選ぶべきでしょう。
【後期型を選ぶ価値】 価格は前期型よりも高めですが、その差を補って余りある価値が後期型にはあります。特に内外装の質感、ナビの使い勝手、そして安全性能の3点は、日々のカーライフの質を直接的に向上させてくれます。
後期型を選ぶ3つの価値
価格は前期型よりも高めですが、その差を補って余りある価値が後期型にはあります。特に以下の3点は、日々のカーライフの質を直接的に向上させてくれます。
内外装の質感
本革シートの標準化(RSアドバンス)や加飾の変更で、所有満足度が向上。
ナビの使い勝手
12.3インチ大型ディスプレイとスマホ連携で、利便性が飛躍的にアップ。
安全性能
トヨタ初採用の機能も搭載され、日々の運転における安心感が格段に向上。
こんな人におすすめ
- 最新のデジタル環境や快適な装備を重視する方
- 家族を乗せる機会が多く、最高の安全性能を求める方
- 内外装の質感やデザインの洗練度にこだわりたい方
リセールバリューを意識した賢い選び方
「将来的にクルマを売却する時のことも考えて、損の少ない買い物をしたい」 購入後の資産価値を意識するなら、中古車市場で需要が高い、つまり「高く売れる」条件を備えたモデルを選ぶのが基本戦略です。
- 「後期型」を選ぶ :年式が新しく、装備が充実している後期型は、前期型に比べてリセールバリューが高い傾向にあります。特に12.3インチナビと進化した安全装備は、中古車市場での大きなアピールポイントです。
- 人気グレード「RSアドバンス」を狙う :スポーティな内外装と充実した装備を両立した「RSアドバンス」は、中古車市場で最も人気が高いグレードです。需要が安定しているため、価格が落ちにくいと言えます。
- パワートレインは「ハイブリッド」が有利: 燃費性能に優れるハイブリッドモデルは、維持費を気にするユーザーからの需要が安定しており、ガソリンモデルよりもリセールで有利になる傾向があります。
リセールに有利な仕様まとめ
- モデル: 後期型 (2020年11月以降)
- グレード: RSアドバンス
- パワートレイン: 2.5L ハイブリッド
- ボディカラー: ホワイト系 (プレシャスホワイトパール) または ブラック系
- 人気オプション: サンルーフ
これらの条件をすべて満たす車両は、最も賢い選択と言えるでしょう。
中古車市場での価格相場と購入時に後悔しないための注意点
いよいよ最終章です。ここでは、実際に中古車を探す上で最も気になる「価格」と、購入後に「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないための具体的な「注意点」について解説します。
前期・後期の価格差はいくら?グレード・年式別のリアルな中古車相場
2025年8月現在、220系クラウンの中古車は全国で豊富に流通しており、幅広い価格帯から選ぶことが可能です。その中で、前期型と後期型では明確な価格差が生まれています。
モデル | 中古車相場の目安 (2025年8月現在) | 特徴 |
---|---|---|
前期型 (2018年~2020年) |
約250万円 ~ 420万円 | 価格がこなれており、コストパフォーマンスに優れる。選択肢が豊富。 |
後期型 (2020年~2022年) |
約330万円 ~ 550万円 | 装備が充実している分、高値傾向。特に状態の良い車両は高値を維持。 |
ご覧の通り、前期型と後期型では、おおよそ80万円~100万円程度の価格差が存在します。この価格差は、主に年式の新しさに加え、後期型が持つ12.3インチナビや進化した安全装備といった商品力の高さが市場で評価されている結果です。
特に人気の「RSアドバンス」や最上級の「G-Executive」といったグレードでは、この価格差がさらに顕著になる傾向があります。
購入前に必ず確認したい共通のチェックポイント
満足のいく一台を見つけるためには、価格だけでなく、車両の状態を細かく見極めることが何よりも重要です。前期・後期を問わず、以下の点は必ず確認しましょう。
- 修復歴の有無:最も基本的な確認項目です。車の骨格部分を修理した「修復歴車」は、将来的に不具合が発生するリスクがあるため、避けるのが賢明です。
- 点検記録簿(メンテナンスノート): 人間でいう「健康診断書」のようなものです。オイル交換などの定期的なメンテナンスがしっかり行われてきたかを確認できる重要な書類で、車両のコンディションを判断する大きな手がかりとなります。
- 試乗によるフィーリングチェック :可能な限り試乗させてもらいましょう。エンジン音、乗り心地、加速のスムーズさ、異音の有無などを自身の五感で確かめることが重要です。特にスポーティな「RS」系は、前オーナーの走り方によっては足回りが消耗している可能性も考慮しましょう。
- 内外装の状態 :シートのへたりや汚れ、内装パネルの傷、外装の目立つ傷やへこみなどを入念にチェックします。特に禁煙車であるかは、車内の快適性を大きく左右するポイントです。
- サンルーフの有無: リセールバリューに大きく影響する人気オプションです。必要かどうかを自身のカーライフと照らし合わせ、価格差に見合う価値があるかを判断しましょう。
ここに注意!前期型・後期型それぞれに特有の確認事項
基本的なチェックポイントに加え、前期型と後期型それぞれに特有の確認事項を理解しておくことで、より満足度の高い選択ができます。
【前期型】で特に注意したい点
- ナビの操作感を実機で確認する: 前期型の特徴である「上下2画面ディスプレイ」は、操作が煩雑に感じる場合があります。特にエアコン操作など、後期型に比べて使いにくいと感じる可能性も。購入前には必ず実際に触れて、自分の感覚に合うかを確認しましょう。
- RSアドバンスのシート仕様: 前期型の「RSアドバンス」では、本革シートとシートベンチレーションはセットでメーカーオプションでした。これらの快適装備を希望する場合は、中古車がオプション装着車であるかを必ず確認してください。
【後期型】で特に注意したい点
- RSグレードのAVS(電子制御サスペンション)の有無: 前期型では「RS」にも設定されていたAVSが、後期型では最上級グレードの「RSアドバンス」のみの標準装備となりました。AVSの有無で走行モードの選択肢が変わり、乗り心地も異なります。スポーティな走りと快適性を高いレベルで両立させたい場合は「RSアドバンス」を選ぶ必要があります。
- 後席の快適装備(リアコンフォートパッケージ): 後席の電動リクライニングなどがセットになった「リアコンフォートパッケージ」は、後期型から設定されたメーカーオプションです。後席の利用頻度が高い場合は、このオプションが装着されているかを確認しましょう。
これらのポイントを踏まえ、ご自身の予算とカーライフに最適な一台を見つけてください。
クラウン220系 前期と後期の違いを総括!後悔しない選び方の最終結論
これまで、2018年から2022年にかけて販売された220系クラウンの前期型と後期型の違いを、内外装のデザインから安全装備、価格相場まで多角的に解説してきました。
走行性能の基本は共通ですが、最大のポイントはナビの使い勝手、内装の質感、そして安全装備の進化という「快適性と安心感」における明確な差です。
どちらが優れているかではなく、あなたが何を重視するかで選ぶべき一台は決まります。最後に、後悔しないための最終チェックポイントをまとめました。
あなたの価値観と照らし合わせ、最高のクラウン選びの参考にしてください。
- 2020年11月のマイナーチェンジを境に前期・後期に分かれる
- 走行性能の根幹となるプラットフォームとエンジンは前期・後期で共通
- 外装は後期型でグリルやテールランプがより洗練されたデザインに変更
- 前期型のナビは個性的ながら操作に慣れが必要な「上下2画面ディスプレイ」
- 後期型のナビは視認性・操作性に優れる「12.3インチ大型ワイドディスプレイ」
- Apple CarPlayやAndroid Autoを使いたいなら後期型一択
- 後期RSアドバンスは本革シートとシートベンチレーションが標準装備で快適性が高い
- 安全装備「Toyota Safety Sense」は後期型で大幅に進化している
- 特に「ドライバー異常時対応システム」は後期型だけの大きなメリット
- コストパフォーマンスを最優先するなら前期型が最適な選択肢
- 最新の快適性と最高の安全性を求めるなら後期型が明確におすすめ
- 後席の快適性を高める「リアコンフォートパッケージ」は後期型だけの希少なオプション
- リセールバリューを意識するなら「後期・RSアドバンス・ハイブリッド」が有利
- 中古車市場では前期と後期で80万円以上の価格差が出ることも珍しくない
- 購入時は年式だけでなくナビの画面を見れば前期・後期を確実に見分けられる