「キング・オブ・ミニバン」として高い人気を誇る日産エルグランドE52。いざ中古車市場で探し始めると、必ず目にするのが「前期」と「後期」という言葉です。
「そもそもいつからが後期なの?」「買ってから後悔しないためには、どちらを選べばいいんだろう?」そんな疑問や不安をお持ちではないでしょうか。
この記事では、エルグランドE52の前期・後期の違いを徹底的に比較・解説します。一目でわかる外装デザイン、特に最大の違いと言われるフロントマスクの迫力から、後期型の大きな魅力である3列目シートスライドがもたらす利便性、そして見逃せない快適性・安全性がどれほど進化したのかまで。
あなたのカーライフに最適な一台を見つけるための、全ての答えがここにあります。
記事ポイント
- 前期と後期で大きく違いがある外装デザイン、特に迫力を増した後期型エルグランドE52のフロントマスクの具体的な変更点がわかる
- エルグランドE52の使い勝手を左右する3列目シートスライド機能の有無など、内装と装備の決定的な違いを理解できる
- 価格重視なら前期、デザインと総合的な性能を求めるなら後期といった、目的別の後悔しない中古車選びの基準が明確になる
- 燃費性能や故障リスクといったエルグランドE52ならではの弱点と、購入前に必ず確認すべきチェックポイントがわかる
【徹底比較】エルグランドE52の前期・後期の違いを完全解説
- 【いつから?】2014年1月のマイナーチェンジが前期・後期の境界線
- まずは結論!前期型と後期型の違いが一目でわかる比較表
- 【外装デザイン】最大の違いはフロントマスク!迫力を増した後期型
- 【内装・使い勝手】利便性が劇的に向上!3列目シートスライドは後期型最大の魅力
- 【装備・機能】快適性と安全性の進化をチェック
- 走行性能や燃費に大きな違いはある?
- 燃費表示やメンテナンス情報の呼び出し方
【いつから?】2014年1月のマイナーチェンジが前期・後期の境界線
まず、前期型と後期型を分ける境界線について明確にしておきましょう。
エルグランドE52型は、2014年1月に行われた大規模なマイナーチェンジを境に、それ以前を「前期型」、以降を「後期型」と呼びます。
これは単なる一部改良ではなく、内外装のデザインを刷新し、機能性や装備を大幅に向上させた「ビッグマイナーチェンジ」でした。
そのため、同じE52型でありながら、両者には明確な違いがいくつも存在します。この記事では、その具体的な違いを一つひとつ丁寧に解き明かしていきます。
まずは結論!前期型と後期型の違いが一目でわかる比較表
具体的な解説に入る前に、まずは前期型と後期型の主な違いをまとめた比較表をご覧ください。お時間がない方でも、この表を見るだけで全体像を素早く掴むことができます。
項目 | 前期型 (2010年8月~2014年1月) | 後期型 (2014年1月~) |
---|---|---|
フロントマスク | 比較的シャープで洗練されたデザイン | 国産最大級の大型グリルで、迫力と高級感が大幅アップ |
ヘッドライト | キセノン式が中心 | 全グレードLED化。特徴的なシグネチャーランプを採用 |
3列目シート | 固定式 | 前後240mmのスライド機能を追加。荷室の使い勝手が劇的に向上 |
メーター | アナログメーター中心のシンプルなデザイン | 中央に5インチの大型カラーディスプレイを配置し、視認性が向上 |
安全装備 | 基本的な装備が中心 | 移動物検知機能付きアラウンドビューモニターなど先進安全装備が充実 |
中古車価格 | 装備がシンプルな分、価格がこなれておりコストパフォーマンスが高い | デザインや機能が充実しているため、比較的人気で価格も高めな傾向 |
いかがでしょうか。特に「フロントマスクのデザイン」と「3列目シートの機能」が、後期型の大きな進化点であることがわかります。
それでは、次から各項目をさらに詳しく見ていきましょう。
【外装デザイン】最大の違いはフロントマスク!迫力を増した後期型
前期型と後期型を見分ける最も分かりやすいポイントが、外装デザイン、特にフロントマスクです。後期型は、誰が見ても一目で違いがわかるほど、大胆なイメージチェンジを遂げました。
圧倒的な存在感を放つフロントグリル
前期型のグリルが、ボディと一体感のあるシャープなデザインだったのに対し、後期型では国産車で最大級の面積を誇る大型フロントグリルが採用されました。
- 前期型: 水平基調のラインで、落ち着いた高級感を演出。
- 後期型: グリル全体を太いクロームメッキで縁取り、圧倒的な押し出し感と威風堂々としたスタイルを実現。
この変更により、「キング・オブ・ミニバン」にふさわしい風格を手に入れたと感じる方が多いようです。
精悍な顔つきを演出するLEDヘッドライト
ヘッドライトも後期型で大きく進化しました。
- 前期型: 主にキセノンヘッドライトを採用。
- 後期型: 全グレードでLEDヘッドライトを標準装備。さらに、日産のデザインアイコンである「シグネチャーLEDポジションランプ」が組み込まれました。
この鍵爪のような特徴的なランプが、夜間でも一目でエルグランドとわかる精悍な「目ヂカラ」を生み出しています。単にデザイン性が向上しただけでなく、夜間の視認性が高まった点も実用的なメリットです。
その他の変更点(リア・ホイール)
フロントマスク以外にも、エクステリアは細部にわたって改良されています。
- リアコンビランプ: 後期型ではクリアテールランプに変更され、より洗練された都会的な印象になりました。
- アルミホイール: 切削処理を施した新しいマルチスポークデザインが採用され、足元の高級感がアップしています。
- ボディカラー: 新色として、琥珀をイメージした深みのある「インペリアルアンバー」が追加されました。
これらの変更点により、後期型は前期型に比べて、よりモダンでラグジュアリーなミニバンへと進化を遂げたのです。
【内装・使い勝手】利便性が劇的に向上!3列目シートスライドは後期型最大の魅力
外装デザインと並んで、エルグランドE52の前期型と後期型を隔てる大きな違いが、内装の質感と日常での使い勝手です。
特に、後期型から採用された「3列目シートのスライド機能」は、この車の利便性を一変させました。
3列目シートは使用頻度が低いと思われがちですが、中古車の場合は前オーナーの使い方によってコンディションに大きな差が出ます。
特に、革シートの擦れやサイド部分のへたり、荷物の積み下ろしによる傷などは、実際に見てみないとわからない重要なチェックポイントです。
以下の動画では、エルグランドE52の3列目シートの状態を細部にわたって徹底的に検証しています。中古車のシートコンディションが気になる方は、ぜひご覧ください。
荷室の使い勝手を一変させた「3列目シートスライド機能」
この機能こそ、ファミリーユースや荷物を多く積む方にとって、後期型を選ぶ最大の理由になると言っても過言ではありません。
- 前期型: 3列目シートは固定式でした。大きな荷物を積むには、シート自体を跳ね上げて格納する必要がありました。
- 後期型: 3列目シートに前後240mmのスライド機能が追加されました。
この「24cmスライドする」という変化が、驚くほどの利便性を生み出します。例えば、3列目に人を乗せた状態のままシートを一番前にスライドさせるだけで、ラゲッジスペースの奥行きを大幅に拡大できます。
▼後期型3列目シートスライドのメリット
- 柔軟な空間調整: スーパーでのまとめ買いから、家族でのキャンプまで、荷物の量に応じて瞬時に荷室を広げられます。
- 積載能力の向上: シートを格納することなく、ゴルフバッグや大型のベビーカーを積載できるシーンが増えました。
- 手間の削減: 日常的な使い勝手において、「シートを格納する」という一手間がなくなるメリットは計り知れません。
この機能の有無で、エルグランドとの付き合い方が全く変わってきます。購入を検討する際は、ぜひ一度、中古車販売店などで実際にスライド機能を試してみてください。
ドライバーの気分を高めるメーターパネルと内装の質感
後期型は、ドライバーが常に目にする運転席周りの質感も大きく向上しています。
- メーターパネル: 前期型がオーソドックスなアナログメーターだったのに対し、後期型では中央に5インチの大型カラーディスプレイ(アドバンスドドライブアシストディスプレイ)が搭載されました。航続可能距離や燃費情報などがカラフルかつグラフィカルに表示され、視認性が向上しただけでなく、運転する際の先進的な雰囲気も高めています。
- 内装デザイン: 後期型では、ウッド調パネルの色味や質感がよりシックなものに変更されたり、シートに立体的なデザインが採用されたりと、全体の高級感が一層高められています。特に「ハイウェイスタープレミアム アーバンクロム」のようなグレードでは、ブラック基調の内装に専用のステッチがあしらわれるなど、細部にまでこだわりが感じられます。
【装備・機能】快適性と安全性の進化をチェック
見た目や使い勝手だけでなく、ドライバーと同乗者の「快適性」と「安全性」に関わる機能も、後期型で大きく進化しています。特に家族を乗せる機会が多いミニバンだからこそ、安全装備の進化は見逃せないポイントです。
家族の安心を支える先進安全装備の充実
前期型にもアラウンドビューモニターなど、当時としては先進的な装備はありましたが、現代の安全基準で見ると、後期型の進化は明らかです。
- 衝突被害軽減ブレーキ: 後期型では、前方の車両や歩行者を検知して衝突回避をサポートする「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」が採用されました。特に2018年12月以降のモデルでは標準装備化が進んでおり、安全性を重視するなら大きなアドバンテージとなります。
- 運転支援技術: 車線からはみ出しそうになると警告してくれる「LDW(車線逸脱警報)」や、ブレーキ制御で車線内に戻すのをアシストする「インテリジェントLI(車線逸脱防止支援システム)」などが搭載され、高速道路などでのドライバーの疲労を軽減してくれます。
- 進化したアラウンドビューモニター: 後期型では、駐車時に便利なアラウンドビューモニターに、周囲の移動物を検知して知らせる「MOD(移動物検知機能)」が追加され、駐車時の安全性がさらに高まりました。
安全性を最優先するなら、これらの先進安全装備が充実した後期型、特に高年式のモデルが圧倒的におすすめです。
走行性能や燃費に大きな違いはある?
デザインや装備だけでなく、「走り」や「維持費」に関わる部分に違いはあるのでしょうか。結論から言うと、劇的な差はありませんが、後期型の方がより洗練されています。
より洗練された乗り心地の後期型
エルグランドE52は、低床プラットフォームによるセダンのような安定した走りが魅力ですが、乗り心地の味付けに若干の違いがあります。
- 前期型: やや硬めのスポーティな乗り味が特徴。安定感は高いものの、路面の凹凸を拾いやすいと感じる場面も。
- 後期型: サスペンションのチューニングが見直され、前期型の安定感はそのままに、路面からの衝撃をしなやかに吸収するようになりました。乗り心地の快適性や質感は、後期型に軍配が上がります。
わずかながら改善された燃費性能
車重のある大型ミニバンであるため、エルグランドE52全体の燃費性能は決して良いとは言えません。その上で、前期型と後期型を比較すると、後期型の方がわずかに燃費が向上しています。
これはCVT(無段変速機)の制御が最適化されるなど、細かな改良が積み重ねられた結果です。
モデル | 前期型 (JC08モード) | 後期型 (JC08モード) |
---|---|---|
2.5Lモデル | 約10.2〜10.8 km/L | 約10.8〜11.0 km/L |
3.5Lモデル | 約9.0 km/L | 約9.4 km/L |
実燃費では0.5km/L程度の差と言われていますが、維持費を少しでも抑えたい方にとっては嬉しいポイントかもしれません。ただし、この燃費差が、前期型と後期型の車両価格差を埋めるほどではない点には注意が必要です。
燃費表示やメンテナンス情報の呼び出し方
最後に、少しマニアックな情報ですが、オーナーになった際に役立つ情報の確認方法です。前期型と後期型ではメーターパネルの仕様が異なるため、操作方法も異なります。
【後期型】カラーディスプレイで直感的に確認
後期型は、ステアリングにあるスイッチを操作することで、メーター中央のカラーディスプレイに様々な情報を表示できます。
- 表示できる情報: 平均燃費、瞬間燃費、航続可能距離など
- 特徴: グラフィカルで非常に見やすく、直感的に操作できます。
【前期型】液晶ディスプレイでの基本的な情報表示
前期型は、メーターパネル内にあるモノクロの液晶ディスプレイで情報を確認します。メーター横にあるトリップ切り替えスイッチなどで表示を切り替えるのが一般的です。
後期型ほどの多機能さはありませんが、平均燃費や航続可能距離といった基本的な情報はしっかり確認できます。
メンテナンス情報について
オイル交換時期などのメンテナンス情報は、主に警告灯やディスプレイへのメッセージで知らされます。
この点も、後期型はカラーディスプレイに「システム異常」といった具体的なメッセージが表示されるため、何が起きているのかを把握しやすいというメリットがあります。
後悔しないためのエルグランドE52購入ガイド|前期・後期の違いと弱点を解説
- 【後期型】主なグレード構成と特徴
- 結局どのグレードが人気?リセールバリューも高い「ハイウェイスター」
- 【弱点】オーナーが語るE52エルグランドの注意すべきポイント
- 【中古車選び】前期型・後期型共通のチェックポイント
【後期型】主なグレード構成と特徴
後期型のエルグランドは、搭載するエンジンと装備内容によって、いくつかのグレードに分かれています。まずは、どのような選択肢があるのかを把握しましょう。
エンジンによる分類
- 250シリーズ (2.5L 直列4気筒): 自動車税や燃料費(レギュラーガソリン仕様)で経済的に優位。街乗り中心で、維持費を抑えたい方におすすめです。
- 350シリーズ (3.5L V6): パワフルで余裕のある走りが魅力。高速道路での長距離移動が多い方や、多人数乗車でもストレスのない加速を求める方に適しています。
主なグレードと特徴
後期型のグレードは、スポーティな「ハイウェイスター」を基本に、装備を充実させたバリエーションが展開されています。
- ハイウェイスター / ハイウェイスターS エルグランドの基本となるグレードです。しかし「ベース」といっても、専用エアロや18インチアルミホイール、LEDヘッドランプなど、エルグランドらしい迫力と高級感を十分に味わえる装備が標準で備わっています。
- ハイウェイスター アーバンクロム ハイウェイスターをベースに、内外装を黒基調の専用パーツで引き締めたスタイリッシュなグレードです。漆黒メッキのフロントグリルやグラファイト塗装のアルミホイールが特徴で、精悍でクールな印象を好む方に人気があります。
- ハイウェイスター プレミアム その名の通り、快適装備と内装の質感を高めた上級グレードです。本革シートや運転席・助手席のパワーシート、シートヒーターなどが装備され、同乗者へのおもてなしとドライバーの快適性を両立させています。
- VIP 後席の乗員を最優先に考えた最上級のショーファードリブンモデルです。4人乗り仕様も設定され、専用のシートや装備で、まさにVIPをもてなすための豪華な空間が提供されます。
結局どのグレードが人気?リセールバリューも高い「ハイウェイスター」
結論からお伝えすると、エルグランドE52で圧倒的な人気を誇り、将来の売却時にも価値が残りやすい(リセールバリューが高い)のは「ハイウェイスター」シリーズです。
特に、中古車市場での流通量が最も多く、幅広い層から支持されているのが「250 ハイウェイスター S」です。
▼「250 ハイウェイスター S」が人気の理由
- 見た目の満足感: スポーティな専用エアロが標準装備で、エルグランドらしい迫力ある外観が手に入る。
- 経済性の高さ: 2.5Lエンジンは自動車税が安く、レギュラーガソリン仕様のため維持費を抑えられる。
- 価格と装備の好バランス: 日常使いで十分な装備が揃っており、コストパフォーマンスが非常に高い。
リセールバリューの観点でも、この「250 ハイウェイスター S」や、スタイリッシュな内外装で付加価値のある「250 ハイウェイスター S アーバンクロム」が非常に安定しています。
人気グレードは中古車市場でも需要が高いため、売却時に有利な条件を引き出しやすいのです。
【弱点】オーナーが語るE52エルグランドの注意すべきポイント
どんなに魅力的な車にも、オーナーだからこそわかるウィークポイントが存在します。購入後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、エルグランドE52が持つ特有の弱点も正直にお伝えします。
燃費とパワートレイン
- 燃費性能: 最も多く指摘される点です。車重があるため、特に市街地走行では実燃費がリッター6~8km程度になることも。ライバル車にあるハイブリッドモデルの設定がないため、経済性を最優先する方には厳しいかもしれません。
- 2.5Lの動力性能: 街乗りでは十分ですが、高速道路での追い越しや多人数乗車での坂道など、パワーが求められる場面で「もう少し力強さが欲しい」と感じるオーナーもいるようです。
経年で注意したい故障リスク
中古車として購入する場合、年式や走行距離に応じた以下の点に注意が必要です。
- パワースライドドアの不具合: ドアが開かなくなったり、異音がしたりするケースが報告されています。モーター交換は10万円を超える高額修理になる可能性があるため、購入時の動作確認は必須です。
- ダッシュボードのひび割れ: 特に助手席エアバッグ周りを中心に、経年でダッシュボードがひび割れるという特有の症状があります。
- 消耗品の摩耗: 車両重量があるため、タイヤやブレーキパッドの消耗は比較的早い傾向にあります。
これらの弱点を理解し、許容できるかどうかを事前に考えておくことが、満足のいくカーライフを送るための鍵となります。
※中古車を検討する際は、国土交通省のサイトでリコール情報を確認し、対象車両の場合は対策が実施済みか販売店に確認することも重要です。
【中古車選び】前期型・後期型共通のチェックポイント
最後に、実際に中古車販売店でエルグランドE52をチェックする際の、具体的なポイントをまとめました。これは前期・後期にかかわらず共通の重要項目です。
【現役整備士・誠のワンポイントチェック!】
- 内容: 「パワースライドドアの不具合はワイヤーの劣化が原因のことが多いです。ドア開閉時に『カリカリ』という小さな異音がしたら要注意。これはモーターに負荷がかかっているサインで、放置すると高額なモーター交換に繋がります。内見時には静かな場所で、耳を澄ませて操作してみてください。」
試乗で必ず確認したいこと
見た目だけではわからない車の状態を把握するために、試乗は必ず行いましょう。
- エンジンとCVT: アイドリングは安定しているか。加速はスムーズか。「ウォーン」というような異音や大きな変速ショックがないかを確認します。
- ブレーキ: しっかりと効くか。踏んだ時に「キーキー」といった異音や、ペダルに伝わる不快な振動がないかを確認します。
- 足回り: 段差を乗り越えた際に「ガタガタ」「コトコト」といった異音がないか、注意深く耳を澄ませましょう。
車両の状態で特に注意すべき箇所
- パワースライドドアの動作確認: 最重要チェックポイントです。リモコンキー、運転席のスイッチ、ドアハンドル(内側・外側)など、考えられる全ての操作方法で、左右両方のドアがスムーズに開閉するかを何度も試してください。
- ダッシュボードの状態: 光の反射を利用して、ダッシュボード全体にひび割れや、その前兆となる浮きがないかを入念に確認します。
- 下回りのサビ: 特に雪国で使われていた車両は、融雪剤の影響で下回りが錆びている可能性があります。可能な限り覗き込んで、サビや腐食の状態をチェックしましょう。
- 電装系の動作: エアコン(冷房・暖房)、ナビ、オーディオ、パワーウィンドウなど、スイッチが付いているものは全て実際に操作し、正常に動作するかを確認してください。
これらのポイントを押さえて慎重に車両を選べば、エルグランドE52はきっとあなたのカーライフを豊かにしてくれる最高のパートナーになるはずです。
総括:エルグランドE52の前期・後期の違いを理解し、あなたに最適な一台を見つけよう
ここまでエルグランドE52の前期型と後期型の違いを、デザインから機能、中古車選びのポイントまで多角的に解説してきました。
2014年のマイナーチェンジを境に、特に外観の迫力と室内の使い勝手、安全性能が大きく進化しています。
ご自身の予算やデザインの好み、そしてライフスタイルに最も合う一台を見つけるために、最後にこの記事の要点を振り返ってみましょう。
- 2014年1月のマイナーチェンジを境に前期型と後期型に分かれる
- 後期型は大型フロントグリルとLEDヘッドライトで圧倒的な存在感
- 後期型最大の魅力は3列目シートのスライド機能による利便性の向上
- 安全性を重視するなら先進安全装備が充実した後期型が断然おすすめ
- 乗り心地はサスペンションが改良された後期型の方がよりしなやか
- 走行性能や燃費に劇的な差はないが後期型がわずかに優れる
- 最も人気がありリセールバリューも高いのは「ハイウェイスター」
- 特に経済性と装備のバランスが良い「250ハイウェイスターS」が売れ筋
- 弱点として燃費の厳しさとハイブリッド設定がない点が挙げられる
- E52型特有の注意点としてダッシュボードのひび割れがある
- 中古車選びではパワースライドドアの入念な動作確認が必須
- 価格を最優先するなら前期型はコストパフォーマンスに優れた選択肢
- デザインと家族での使い勝手を重視するなら後期型がベストな選択